キャッシュ機能説明書 (統合環境設定編)
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2.2 FTP中継機能
FTP中継機能は、以下の3つの機能から構成されています。
中継機能とは、FTPクライアントからFTPサーバへのアクセス要求を中継する機能のことです。
PROXYサーバを経由することにより、クライアントはファイアウォール(FireWall)を越えて、外部のサーバへアクセスすることもできます。
図2.6にその概要を示します。
図2.6 中継機能
FTP中継機能では、「USER ユーザ名@ホスト名」方式による中継をサポートしています。この方式は、FTPプロトコルのユーザ名指定(USERコマンド)において、接続先のユーザ名とFTPサーバのホスト名を文字'@'で区切って指定する方法です。
そのため、FTP中継機能を利用する場合には、FTPクライアントが「USER ユーザ名@ホスト名」方式によるファイアウォール経由での接続をサポートしているか確認する必要があります。
FTPクライアントが上記方式をサポートしている場合は、ファイアウォール経由での接続機能を有効にし、ファイアウォールのホスト名とポート番号として、PROXYサーバのホスト名とFTP中継機能のポート番号を設定します。FTPサーバに接続する際には、接続先のFTPサーバのホスト名、ユーザ名、パスワードをそのまま指定します。
FTPクライアントが上記方式をサポートしていない場合は、接続先のホスト名として、FTPサーバではなく、PROXYサーバのホスト名を指定します。もし、FTP中継機能のポート番号が標準の21でない場合は、ポート番号の指定も必要です。接続するFTPサーバのホスト名は、接続先のユーザ名の後ろに文字'@'で区切って指定します。パスワードは、接続先のFTPサーバのパスワードをそのまま指定します。
[備考]
- FTP中継機能を用いてサーバに接続した後、ユーザ名やパスワードを間違えた場合や、ログイン後にユーザ名を変更する場合には、一度サーバとの接続を切断し、その後再度サーバに接続し直してください。
- FTP中継機能では、FTPプロトコルのストリームモードでのデータ転送のみをサポートします。通常、FTPクライアントはストリームモードでデータの転送を行います。
- FTPプロトコルでファイルの送受信やファイルリストの取得を行う場合、データ接続と呼ばれる接続が用いられます。データ接続を確立するためのFTPプロトコルのコマンドには以下の2つがあり、そのいずれか1つが用いられます。
InfoProxyは、どちらのコマンドもサポートしていますが、FTPサーバ、および、ファイアウォールの中には、どちらか一方のコマンドしかサポートしていないものもあります。したがって、組合せによっては、データ接続が確立できないため正常に利用できない場合もあります。
- PORTコマンド
データ接続用のアドレスとポート番号をクライアントが指定し、サーバからクライアントに向けてデータ接続が確立されます。
- PASVコマンド
データ接続用のアドレスとポート番号をサーバが指定し、クライアントからサーバに向けてデータ接続が確立されます。
[注意]
- PROXYサーバを使用する場合、要求元/中継先などによるアクセス制御が必要です。アクセス制御が未設定の場合、起動および再起動に失敗します。 (Solaris版のみ)
FTP中継機能では、ネットワークの構成に応じて、多段構成にすることが可能です。
図2.7にその概要を示します。
図2.7 多段中継機能の概要
FTP中継機能では、ネットワークの構成に応じて、上位PROXYサーバを複数指定することができ、上位PROXYサーバでの負荷を分散させることが可能です。上位PROXYサーバを複数指定する方法を以下に示します。
- 固定PROXY設定
中継先のサーバごとに上位PROXYサーバを指定する方法です。
この方法は、クライアントからの要求に含まれている中継先サーバのドメイン名と固定PROXY設定の設定値を比較して、上位PROXYサーバを決定します。
この方法を使用すると、中継先サーバごとに上位PROXYサーバを変更できるため、上位PROXYサーバのキャッシュディスクやログの管理が容易になります。
図2.8にその概要を示します。
図2.8 上位PROXY複数設定機能
[備考]
- FTP PROXY中継とFTP中継の固定PROXY設定において、同じドメインに対して同じ上位PROXYサーバを設定するようにします。このようにすることで、上位PROXYサーバにおいてFTPデータを効率よくキャッシュすることができます。
- FTP中継機能では、分散PROXY設定をサポートしていません。
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