ファイアウォール機能 テクニカルガイド
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第5章 FAQ> 5.3 運用中のトラブル

5.3.10 仮想アドレス設定ホストとの中継(接続)処理に失敗

仮想アドレスを設定した場合の接続に失敗する原因として以下のことが考えられます。

仮想アドレスを設定したホストまたはネットワークに対する中継種別が透過条件となっていない。

クライアントから仮想アドレス宛のIPパケットを送信することができない設定になっている。

仮想アドレスを指定したホストまたはネットワークに対する中継種別が透過条件となっていない。

クライアントから仮想アドレス宛のIPパケットを送信することができない設定になっている。

以下のネットワーク構成例を用いて説明します。

仮想アドレス広報機能が広報する経路情報

クライアント1は、ルータを経由するため、サーバAおよびサーバBの仮想アドレスに 接続することができます。これは仮想アドレス広報機能が送信する仮想アドレス宛への 経路情報をルータが解釈(伝播)するからです。

クライアント2は、動的経路制御が行われている場合、仮想アドレスに接続することができます。 なお、動的経路制御が行われていない場合、仮想アドレスに対する静的経路を設定する必要があります。 この場合に設定する経路の宛先は、[ 仮想アドレス広報機能が広報する経路情報 ]で 記載した情報である必要があります。

ここで注意して頂きたいことは、サーバBに設定した仮想アドレスの経路を"ホスト経路"と して設定するということです。ちなみに、サーバAは"ネットワーク経路"を設定することに なります。

クライアント2からサーバAの仮想アドレス宛に接続できない場合、クライアント2の経路情報を確認します。

【Windows NT/Windows 95/98の場合】

ネットワーク

ネットマスク

GWアドレス

インタフェース

Metric

202.216.162.0

255.255.255.240

202.216.161.1

202.216.161.2

1


【Solaris, UXP/DSの場合】

ネットワーク

GWアドレス

Flags

202.216.162.0

202.216.161.1

UG

クライアント2からサーバAの仮想アドレス宛に接続できない場合、クライアント2の経路情報を確認します。

【Windows NT/Windows 95/98の場合】

ネットワーク

ネットマスク

GWアドレス

インタフェース

Metric

202.216.161.10

255.255.255.255

202.216.161.1

202.216.161.2

1

【Solaris, UXP/DSの場合】

ネットワーク

GWアドレス

Flags

202.216.161.10

202.216.161.1

UGH

上記の経路が設定されていない場合、ARPパケットを送信してアドレス解決しようとします (ARPパケットはIPアドレスに対応するMACアドレスを獲得するためのプロトコルで同一ネットワーク上の ホストにIPパケットを送信する場合に送信されるパケットです)。

クライアント1からサーバAの仮想アドレスに接続できない場合、ルータの経路情報を確認します。

【Windows NT/Windows 95/98の場合】

ネットワーク

ネットマスク

GWアドレス

インタフェース

Metric

202.216.162.0

255.255.255.240

202.216.161.1

202.216.161.3

1

【Solaris, UXP/DSの場合】

ネットワーク

GWアドレス

Flags

202.216.162.0

202.216.161.1

UG

クライアント1からサーバBの仮想アドレスに接続できない場合、ルータの経路情報を確認します。

【Windows NT/Windows 95/98の場合】

ネットワーク

ネットマスク

GWアドレス

インタフェース

Metric

202.216.161.0

255.255.255.255

202.216.161.1

202.216.161.2

1

【Solaris, UXP/DSの場合】

ネットワーク

GWアドレス

Flags

202.216.161.10

202.216.161.1

UGH

*上記の経路が設定されていない場合、ARPパケットを送信してアドレス解決しようとします。

【Solarisの場合】

"Flags"に"P"が設定されていることを確認してください。

# arp -a

Net to Media Table

Device IP Address Mask Flags Phys Addr

------ ------------------ ------------ --- ---------------

hme0 202.216.161.10 255.255.255.255 SP 00:80:00:00:00:01

【UXP/DSの場合】

"published"が設定されていることを確認してください。

# arp -a

server_B (202.216.161.10) at 0:80:0:0:0:1 permanent published

"pub"指定が正しく設定されていない場合には"arp -d"で削除し、再度設定して 下さい。なお、リブート後にも本設定が有効となるように、/etc/rc2.d 配下の 初期化スクリプトを作成し、上記(b)を実施するようにして下さい。

(注)

arp コマンドでARP応答を返す設定はWindowsでは公開されていません。 Windows版を使用している場合には、各ルータ、端末側でホスト経路を設定して下さい。なお、Windows版 Safegate V2.0L20では、仮想アドレスに対するARP応答を返す機能を提供(patch-id:TP03080)しています。


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