PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.1 (Linux版) |
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付録A 留意事項 | > A.2 注意事項 |
高速等価性回復機構 (JRM)には、ボリューム用、スライス用、プロキシ用の3種類があります。
ボリューム用のJRMは、パニックなどによってシステムがダウンした後のリブート時に行われる等価性回復処理を高速化する仕組みです。GDSは、書込み処理中の箇所を占有スライスに記録しています。不測のシステムダウン後のリブート時に行われる等価性回復コピーでは、システムダウンが発生した時点で書込み処理中であった部分のみをコピーすることによって、高速に等価性を回復し、コピー処理の負荷を最小限に抑えます。
ボリューム構成設定画面でボリュームを作成する際に、高速等価性回復機構(あり/なし)を設定します。デフォルト値は、「あり」です。詳細については、「ボリューム構成」を参照してください。
sdxvolume -Mコマンドでボリュームを作成する際に、-a jrm={on|off}オプションで高速等価性回復モードを設定します。-a jrm={on|off}オプションを省略した場合は、高速等価性回復モードはオンになります。詳細については、「sdxvolume - ボリュームの操作」を参照してください。
ボリュームの高速等価性回復機構の設定(あり/なし)を変更する方法については、「ボリューム構成」を参照してください。
sdxattr -Vコマンドの-a jrm={on|off}オプションで、ボリュームの高速等価性回復モードを変更することができます。詳細については、「sdxattr − オブジェクトの属性変更」を参照してください。
ボリュームの高速等価性回復機構の設定(あり/なし)は、メイン画面のボリューム情報フィールドで確認することができます。詳細は、「SDXオブジェクトの構成確認」を参照してください。
ボリュームの高速等価性回復モードは、sdxinfoコマンドで表示されるボリューム情報のJRMフィールドで確認することができます。詳細については、「sdxinfo − オブジェクトの構成および状態情報の表示」を参照してください。
スライス用のJRMは、ボリュームから一時的に切り離されていたスライスをボリュームに再度組み込む際の等価性回復処理を高速化する仕組みです。GDSは、スライスが切り離されている間、ボリュームおよびスライスの更新箇所をメモリに記録しています。スライスを再度組み込む際に行われる等価性回復コピーでは、更新箇所のみをコピーすることによって、高速に等価性を回復します。
スライス用のJRMは、スライスのjrm属性をオンに設定してスライスを切り離した場合に有効になります。しかし、スライスを切り離した状態で、システムが停止した場合、またはsdxslice -Tコマンドによるスライスの引継ぎを行った場合、以降にスライスを組み込む際には、高速等価性回復コピーは行われません。つまり、更新部分のみでなく、ボリューム全体のコピーが行われます。
したがって、計画的なシステムシャットダウンやスライスの引継ぎを行う前には、スライスをボリュームにいったん組み込むことを推奨します。
メイン画面の[操作]:[スライス切離し]メニューでスライスを切り離す際に、高速等価性回復機構「あり」に設定されます。「なし」に設定することはできません。
sdxslice -Mコマンドでスライスを切り離す際に、-a jrm={on|off}オプションで高速等価性回復モードを設定します。-a jrm={on|off}オプションを省略した場合は、高速等価性回復モードはオンになります。詳細については、「sdxslice - スライスの操作」を参照してください。
スライスの高速等価性回復機構の設定を変更することはできません。
sdxattr -Sコマンドの -a jrm=offオプションで、スライスの高速等価性回復モードをオフに変更することができます。オンに変更することはできません。詳細については、「sdxattr - オブジェクトの属性変更」を参照してください。
スライスの高速等価性回復機構の設定を確認することはできません。
スライスの高速等価性回復モードは、sdxinfoコマンドの-e longオプションで表示されるスライス情報のJRMフィールドで確認することができます。詳細については、「sdxinfo - オブジェクトの構成および状態情報の表示」を参照してください。
プロキシ用のJRMは、マスタから分離されていたプロキシを再びマスタに結合する際、およびマスタのデータをプロキシから復元する際の等価性回復処理を高速化する仕組みです。GDSは、プロキシが分離されている間、マスタおよびプロキシの更新箇所をメモリに記録しています。再結合または復元の際に行われる等価性回復コピーでは、更新箇所のみをコピーすることによって、高速に等価性を回復します。
プロキシ用のJRMは、プロキシボリュームのpjrm属性をオンに設定してプロキシボリュームを分離した場合に有効になります。しかし、プロキシを分離している状態で、クラスのスコープに含まれている任意の1ノードが停止した場合、再結合および復元の際には、高速等価性回復コピーは行われません。つまり、更新箇所のみでなく、ボリューム全体のコピーが行われます。
したがって、計画的なシステムシャットダウンを行う前には、プロキシをマスタにいったん再結合することを推奨します。
ディスク装置のコピー機能を利用している場合は、このような考慮は不要です。
メイン画面の[操作]:[プロキシ操作]:[分離]メニューでプロキシを分離する際に、プロキシ分離画面で高速等価性回復機構(あり/なし)を設定します。デフォルト値は「あり」です。詳細については、「バックアップ(等価性方式)」の「プロキシ分離」を参照してください。
メイン画面の[操作]:[プロキシ操作]:[関連付け]メニューでプロキシを関連付ける場合、関連付けられるプロキシボリュームのプロキシ用の高速等価性回復機構は「なし」になります。
sdxproxy Partコマンドでプロキシを分離する際に、-a pjrm={on|off}オプションでプロキシ用の高速等価性回復モードを設定します。-a pjrm={on|off}オプションを省略した場合は、プロキシ用の高速等価性回復モードはオンになります。詳細については、「sdxproxy - プロキシオブジェクトの操作」を参照してください。
プロキシ用の高速等価性回復機構の設定(あり/なし)を変更することはできません。
sdxattr -Vコマンドの -a pjrm=offオプションで、プロキシ用の高速等価性回復モードをオフに変更することができます。オンに変更することはできません。詳細については、「sdxattr - オブジェクトの属性変更」を参照してください。
プロキシ用の高速等価性回復機構の設定(あり/なし)は、メイン画面のプロキシボューム情報フィールドで確認することができます。詳細は、「プロキシオブジェクトの構成確認」を参照してください。
プロキシ用の高速等価性回復モードは、sdxinfoコマンドの-e longオプションで表示されるボリューム情報のPJRMフィールドで確認することができます。詳細については、「sdxinfo - オブジェクトの構成および状態情報の表示」を参照してください。
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