Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (データベース連携サービス編)
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第5章 サーバアプリケーションの開発(CORBAアプリケーション/Java言語)> 5.6 CORBAアプリケーションの実行環境について

5.6.3 ORB(Object Request Broker)の指定

 アプリケーション(またはアプレット)を起動するための環境設定として、使用するORBを選択する必要があります。
 OMG規約では、システム上に存在する複数のORB(Object Request Broker)から、使用するORBを選択する方法が規約化されています。
 ここではこの仕様に基いて、使用するORBとしてCORBAサービスを指定する方法について説明します。(クライアント/サーバ共通です。)

注意事項

 JDK/JRE1.2以降を使用する場合は、必ずORBの指定を行ってください。

ORBの指定方法の種類

 ORBの指定方法として以下の方法があります。どちらかの方法を用いて使用するORBを指定してください。

  1. アプリケーション起動時に指定する方法
  2. 環境設定ファイルを用意する方法

 いずれの方法も、Java実行環境の「プロパティ情報」として以下の値を設定することでCORBAサービスのORBを指定します。

[ORB指定のためのプロパティ情報]

プロパティ名

設定値(CORBAサービスを使用)

org.omg.CORBA.ORBClass

com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.ORB

org.omg.CORBA.ORBSingletonClass

com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.SingletonORB

 以下ではそれぞれの指定方法について説明します。

(1) アプリケーション起動時に指定する方法

 Javaアプリケーション実行時に、Javaコマンドのパラメタとしてプロパティ情報を設定します。以下のように-Dオプションに続けて必要な情報を記述してください(バッチファイルやシェルスクリプトを使用してアプリケーションを起動する場合は、これらのファイルの中で以下を指定してください)。

[プロパティ情報の指定例]

java -Dorg.omg.CORBA.ORBClass=com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.ORB \
-Dorg.omg.CORBA.ORBSingletonClass=com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.SingletonORB
<アプリケーションのクラス名>

注1)
 
-Dの直後には空白文字は入れません。


注2)
 
APWORKS V2.0以降の製品に添付されているJavaコマンドを使用する場合は、あらかじめ環境変数THREADS_FLAGにnativeを設定する必要があります。
 THREADS_FLAG=native
 export THREADS_FLAG
 この設定がない場合は、アプリケーション起動時のJavaコマンドに-nativeオプションを指定する必要があります。
 java -native -D... -D... <クラス名>

(2) 環境設定ファイルを用意する方法

 
 「プロパティ情報」を記述したテキストファイル(ファイル名:orb.properties)を作成し、<プロパティ名java-homeに設定されているフォルダ>\libに格納してください。

 以下のフォルダに格納します。

<JDKインストールフォルダ>\jre\lib
または、
<JREインストールフォルダ>\lib

 Javaアプレットの場合は、実行するPC環境で設定してください。

 
 
「プロパティ情報」を記述したテキストファイル(ファイル名:orb.properties)を作成し、<プロパティ名java-homeに設定されているディレクトリ>/libに格納してください。

 以下のディレクトリに格納します。

<JDKインストールディレクトリ>/jre/lib/
または、
<JREインストールディレクトリ>/lib

[ファイルorb.propertiesの内容]

org.omg.CORBA.ORBClass=com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.ORB
org.omg.CORBA.ORBSingletonClass=com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.SingletonORB


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