PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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付録B リファレンスマニュアル> B.3 GFSローカルファイルシステム専用一般コマンド

B.3.4 sfxmv(1) エクステント属性情報を伴うファイルの移動

◆形式

sfxmv [-fi] source target_file

sfxmv [-fi] source... target_dir

◆機能説明

 sfxmv コマンドは、GFS ローカルファイルシステム上のエクステント属性情報を保持するファイル、または保持しないファイルの移動を実行します。sfxmv は、GFS ローカルファイルシステム以外でも動作しますが、その場合は極力 mv(1) を使用してください。

 第 1 の形式の sfxmv は、source オペランドが示すファイルを target_file が示すあて先に移動します。sourcetarget_file に同じ名前を指定することはできません。target_file が存在しない場合、sfxmv はその名前のファイルを新しく作成します。target_file が存在していれば、その内容は上書きされます。最終オペランドが既存のディレクトリを示していないとき、sfxmv はこの第 1 形式であるとみなされます。

 第 2 の形式の sfxmv は、source オペランドで指定された各ファイルを target_dir オペランドが示す既存ディレクトリ中のファイルに移動します。各 source 用のあて先パス名は、あて先ディレクトリ名の後にスラッシュ(/) と source の最終パス名部分を付加したものとなります。最終オペランドが既存のディレクトリを示しているとき、sfxmv はこの第 2 形式であるとみなされます。

 sfxmv は、target_file のモードが書き込み禁止であると判断すると、モードを表示し(chmod(2) 参照)、応答を要求して、標準入力を 1 行読み取ります。応答が肯定である場合、権限があるならばファイルを移動します。それ以外の場合、このコマンドは終了します。target_file が ACL を有効としている場合、モードはアクセス権を完全には表示しません。source の親ディレクトリが書き込み可能でスティッキ・ビットセットを持っている場合、以下の条件のうち1つ以上が真でなければなりません。

o ユーザはファイルを所有していなければならない。

o ユーザはディレクトリを所有していなければならない。

o ファイルはユーザが書き込み可能でなければならない。

o ユーザは特権ユーザでなければならない。

 source がファイルで target_file がリンクを備えた別のファイルへのリンクである場合、他のリンクは残存し、target_file は新しいファイルになります。

◆オプション

 以下のオプションが指定できます。

-f

 sfxmv は、既存の target に書き込む場合でもプロンプトを出さずにファイルを移動します。標準入力が端末でない場合、これがデフォルトになることに注意してください。

-i

 sfxmv は、移動により既存の target が上書きされる場合は、必ず、確認のプロンプトを出します。肯定を応答すれば、移動処理は続行されます。その他の応答では、sfxmvtarget を上書きしません。

 -f-i のオプションを両方指定してもエラーとはみなされません。-f オプションの方が有効となります。

◆オペランド

 以下のオペランドが指定できます。

source

 移動するファイルまたはディレクトリのパス名。

target_file

 移動するファイルまたはディレクトリの新しいパス名。

target_dir

 ファイルの移動先となる既存ディレクトリのパス名。

◆環境

 sfxmv の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE, LC_MESSAGES, NLSPATH についての詳細は、environ(5) を参照してください。

◆終了ステータス

 以下の終了ステータスが返されます。

0 入力ファイルはすべて正常に移された。

>0 エラーが発生した。

◆関連項目

sfxcp(1), sfxcpio(1), sfxgetext(1), sfxsetext(1).

mv(1), cp(1), cpio(1), ln(1), rm(1), setfacl(1), chmod(2), attributes(5), environ(5), largefile(5).

◆注意事項

 sourcetarget_dir が、異なるファイルシステム上にある場合、sfxmv はファイルをコピーし、オリジナルを削除します。他のファイルへのリンクはすべてなくなります。-- によって、ユーザはコマンド行オプションの終端を明示的にマーク付けできるので、sfxmv- で始まるファイル名引数を認識できるようになります。BSD 移行のサポートとして、sfxmv--- の同義語として受け入れます。この移行サポートは、将来のリリースではなくなるかもしれません。--- を両方とも同一のコマンド行上に指定する場合、後者はファイル名として解釈されます。

 target が存在し、target のエクステント属性情報を保存したい場合には、sfxcp(1) を使用してください (-e NWE 指定)。

 sfxmv は異なるファイルシステム間の移動も可能です。ただし、GFS ローカルファイルシステム上のファイルを他のファイルシステム(例えば、UFS) 上に移動すると、エクステント属性情報は失われます。

 sfxmv は、GFS ローカルファイルシステム以外のファイルシステムでも動作しますが、その振舞いは従来の mv(1) と同等です。


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