PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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付録A カーネルメッセージ> A.1 診断

A.1.4 NOTICE: sfxfs:0004: mount_point : too much fragment (extent)

◆説明

 mount_point で示すファイルシステムで、空データ領域の断片化により空データ領域を管理するメタデータ領域が枯渇しました。これ以降に解放されたデータ領域は、ファイルシステムの空データ領域として管理できず、使用中領域として扱われることがあります。

このため、例えば、ファイルの削除を行った場合に、df(1M) で表示されるファイルシステムの使用量が減少しない状態となることがあります。

 本メッセージが表示されるのは、以下の場合が考えられます。

・ファイルシステム作成時に指定した1エクステントで管理する平均ブロック数 (mkfs_sfxfs(1M) では、-o nblkpext 指定、sfxnewfs(1M) では、-e 指定) が実際の運用に比べて大きかった場合
・ファイルシステム作成時にデータ領域の最大サイズを指定しなかったファイルシステムに、sfxadd(1M) でデータパーティションを追加した場合
・ファイルシステム作成時に指定したデータ領域の最大サイズ (mkfs_sfxfs(1M) では、-o maxdsz 指定、sfxnewfs(1M) では、-d指定) を越えて、sfxadd(1M) でデータパーティションを追加した場合

◆対処

 使用中領域として扱われている空データ領域が隣接していた場合には、fsck_sfxfs(1M) のフルチェックを行うことで空データ領域として管理できる場合があります。

 fsck_sfxfs(1M) のフルチェックは、ファイルシステムをアンマウント後、-o nolog 指定で実施してください。

 fsck_sfxfs(1M) のフルチェック実施後、df(1M) で表示されるファイルシステムの使用量が減少していない場合には、ファイルシステム上のファイルをバックアップした後、mkfs_sfxfs(1M)、あるいは、sfxnewfs(1M) に、以下のパラメタの設定値を見直した上で、ファイルシステムを再作成し、その後、ファイルシステムをリストアすることで空データ領域を回復してください。

・1エクステントで管理する平均ブロック数 (nblkpext) には、ファイルシステム上に作成される1ファイルの平均規模から見積もったブロック数を指定します
・データ領域の最大サイズ (maxdz) には、現在のデータ領域のサイズ、あるいは、将来、拡張するデータ領域のサイズ以上の値を指定します

 空データ領域のエクステントが最も離散化した状態で本メッセージを出力しないようにするためには、1エクステントで管理する平均ブロック数 (nblkpext) をデフォルト (1) とします。

 なお、ファイルシステムのデフラグメントでは、使用中領域として扱われている空データ領域は、空領域として管理されていないために、空データ領域として回復できません。


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