PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版）

24.2.2 sfcrestoreによるリストア

　ここでは前述の方法でバックアップしたテープから GFS 共用ファイルシステムをフルリストアする手順について説明します。sfcrestore はバックアップした GFS 共用ファイルシステムとは別の GFS 共用ファイルシステムにバックアップすることもできますが、以下は同じ GFS 共用ファイルシステムにリストアする場合の手順です。

　異なる GFS 共用ファイルシステムに対してリストアする場合、リストア先の容量に注意してください。容量が不足しているとリストアに失敗することがあります。

1.　スーパーユーザになります。

% su

2.　リストア先の GFS 共用ファイルシステムをマウントした状態であれば、アンマウントします。

3.　sfcnewfs コマンドを使用してリストア先の GFS 共用ファイルシステムを再作成します。オプション、引数はこのファイルシステムを作成したときと同じものを指定します。それに加え、再作成を指示する -Z オプションを追加します。以下はファイルシステム作成時に "sfcnewfs -H kaede,ichou /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1" と指定して実行していた場合の例です。

# sfcnewfs -Z -H kaede,ichou /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

　GFS 共用ファイルシステムを再作成すると再作成前の GFS 共用ファイルシステムの内容は失われます。

4.　GFS 共用ファイルシステムをマウントします。

5.　マウントされたことを確認した後、作業ディレクトリをマウントポイントに移動します。

# cd /mnt

6.　テープをセットし、sfcrestore コマンドを実行してテープからリストアします。

# sfcrestore rvf /dev/rmt/0

Verify volume and initialize maps

Media block size is 126

Dump   date: Wed May 24 13:28:08 2000

Dumped from: the epoch

Level 0 dump of /mnt on kaede: /dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1

Label: none

Begin level 0 restore

Initialize symbol table.

Extract directories from tape

Calculate extraction list.

Warning: ./lost+found: File exists

Make node ./etc

Make node ./etc/default

...

extract file ./etc/fs/nfs/mount

extract file ./etc/fs/ufs/mount

Add links

Set directory mode, owner, and times.

Check the symbol table.

Check pointing the restore

　ここで第 1 パラメータの rvf の各文字はそれぞれ以下の意味を持ちます。

• r
  　バックアップ媒体の内容をすべてリストアします。ファイル単位でのリストアをしない場合に指定します。
• v
  　詳細表示を行います。各ファイルがリストアされるたびに、その名前を表示します。
• f
  　読み込み元を指定します。ここでは /dev/rmt/0 を読み込み元として指定しています。

　フルバックアップの後に差分バックアップを行っている場合は、６．の手順でレベル 0 のバックアップテープからリストアした後、バックアップレベルの低い差分バックアップテープから順に６．の手順を繰り返して差分バックアップのリストアを行います。

7.　sfcrestore が作成した一時ファイルである restoresymtable ファイルを削除します。

# rm /mnt/restoresymtable

8.　quota機能を利用していた GFS 共用ファイルシステムをリストアする場合は、sfcquotadm コマンドを -i オプション指定で実行してexternal quotas ファイルの内容を internal quotas ファイルに反映させます。sfcquotadm コマンドの詳細については、本書の“付録F.2.22 sfcquotadm(1M)”を参照してください。なお quota 機能を利用していなかった場合、本手順は必要ありません。

# sfcquotadm -i /mnt

9.　別のディレクトリに移動します。

# cd /

10.　新しくリストアされた GFS 共用ファイルシステムをアンマウントします。

11.　sfcdump コマンドを使用して、新しくリストアされた GFS 共用ファイルシステムのフルバックアップを行います。テープをセットし、sfcdump コマンドを実行してバックアップを行います。

# sfcdump 0ucf /dev/rmt/0 /mnt

　リストア直後に必ずフルバックアップを行ってください。これは sfcrestore によるリストアの後では iノード番号の割り当てが変わり、リストア前の GFS 共用ファイルシステムからは正しく差分バックアップを行うことができないためです。

12.　リストアされた GFS 共用ファイルシステムをマウントします。