PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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第2部 Global File Services ローカルファイルシステム> 第4章 GFSローカルファイルシステムの管理

4.7 GFSローカルファイルシステムの拡張

 GFS ローカルファイルシステムでは、データの退避/復元なしに既存のファイルシステムに新しいパーティションを追加することでファイルシステムの拡張ができます。

 ファイルシステムの拡張では sfxadd(1M) コマンドを使用します。ファイルシステムの拡張処理は、ファイルシステムをマウントしたまま(オンライン拡張)でも、アンマウントした状態(オフライン拡張)でも使用できます。

 ただし、オンラインで追加する場合、事前に -pa -D オプションを指定して実行する必要があります。

 また、アンマウントした状態のファイルシステムに対してファイルシステム拡張を行う場合には、ファイルシステムの状態が正常である必要があります。正常でない場合にファイルシステムの拡張を行おうとすると sfxadd(1M) コマンドが“partition-name is corrupted, run fsck manually”のメッセージを出力しますので fsck_sfxfs(1M) によりファイルシステム状態を修復してから再度実行してください。

 アンマウント状態(オフライン)またはマウント状態(オンライン)において、各設定での実行が可能かどうかについて表にまとめています。

拡張部分

オフライン

オンライン

データパーティションの追加 (-D オプション)

実行可能

実行可能

 ファイルシステムの拡大を予定している場合には、拡大する最大サイズを予測し、ファイルシステム作成時(mkfs_sfxfs(1M) または sfxnewfs(1M) コマンド実行時)にファイルシステムのデータサイズを設定しておくようにしてください。GFS ローカルファイルシステムでは、空きデータ領域をエクステントの形で記憶しています。この空きデータ管理領域は、通常、ファイルシステム作成時に指定されたデータ領域についての情報が管理できるように領域サイズが自動計算されますが、ファイルシステムの拡張を行った場合、本管理領域が不足する可能性があります。(エクステントの形で記憶しているため、空きデータ領域がフラグメン化してこなければ管理可能です。フラグメント化が激しい場合には、管理領域不足により、使用できない空き領域が存在してしまうことがあります。)
 なお、既に作成してしまったファイルシステムで管理領域不足が発生しそうな場合にはファイルシステムのデフラグメンを行うことで改善することがあります。デフラグメントの詳細については“第8章 GFSローカルファイルシステムのデフラグメント”を参照してください。また、管理資源が不足しているかどうかは df_sfxfs(1M)-ov オプションを指定して表示した結果の leaf の総数と空個数から判断できます。

 sfxadd(1M) コマンドの -pa オプションでパーティション追加の事前登録をした場合、GFSローカルファイルシステムの管理上、既に構成要素の一部として認識します。このため、追加指示の解除のつもりで追加の事前設定をしたパーティションを別ファイルシステムとしてGFS ローカルファイルシステム作成を行ったり、-D オプションをつけた sfxadm(1M) コマンドで事前設定をしたパーティションをファイルシステムから削除したりしようとすると、元々存在したファイルシステム自身も削除されてしまいます。
 事前登録も含め一度登録したパーティションは、追加情報のみの削除ができないことに注意してください。

下へ4.7.1 新規パーティションの追加によるファイルシステムの拡大

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