PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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第6部 PRIMECLUSTER対応製品編> 第12章 PRIMECLUSTER対応製品一覧表

12.1 PRIMECLUSTERの運用形態

PRIMECLUSTERの運用形態について、SafeCLUSTERを基に説明します。
なお、SafeCLUSTERでの「クラスタサービス」はPRIMECLUSTERでの「クラスタアプリケーション」に位置付けられます。

また、SafeCLUSTERでの「ネットワーク引継ぎ」はPRIMECLUSTERでの「業務LAN引継ぎ」に相当します。

用語の対応については、付録"用語"を参照ください。

◆システム運用形態

運用形態

内容

1:1運用待機

2ノードで構成されるシステム内に1つのスタンバイ運用のクラスタアプリケーションが動作し、起動したときに運用と待機が別々のノードで動作するもの。

N:1運用待機

N+1個のノードで構成されるシステムでN個のスタンバイ運用のクラスタアプリケーションが動作しN個のノード毎に1つの運用が動作し1個のノードでN個の待機が動作するもの。

相互待機

同一システム内で複数のスタンバイ運用クラスタアプリケーションが動作し、かつ起動した時の状態が、1つのノード上に異なるクラスタアプリケーションの運用と待機が1つずつ共存するような運用形態。一般には複数ノードの構成も可能であるが、多くの場合2ノードで構成される(この場合を特に2ノード運用待機と呼ぶことがある)。

カスケード

1:1運用待機の応用形態。

1つの運用に複数の待機を持つことで、1ノード停止後も、残りのノードでクラスタアプリケーションの冗長構成がとれるため、保守の間の可用性保持に有効。

移動待機

N:1運用待機の応用形態。

待機ノードが移動することで、待機ノードの停止後も、復旧したノードが待機ノードとなりクラスタアプリケーションの冗長構成がとれるため、保守の間の可用性保持に有効。

スケーラブル

1つ以上のクラスタアプリケーションが連携して動作するため、並列実行業務に適した運用形態。

高可用スケーラブル

スケーラブルを構成する各クラスタアプリケーションをスタンバイ運用にした運用形態。

◆クラスタアプリケーションの運用形態

運用形態

内容

スタンバイ運用

1:1運用待機、N:1運用待機、相互待機、カスケード、移動待機の5つの総称。

スケーラブル運用

初期状態として複数の運用ノードのみから成る1つのクラスタアプリケーションから構成される。運用ノードが停止しても残りの運用ノードが存在すれば業務を続行できる。

スケーラブル運用、レイヤードスケーラブル運用の2つの総称。

◆業務LAN引継ぎ機能

業務LAN引継ぎ機能

内容

IPアドレス引継ぎ

スタンバイ運用において、切替えが発生したときに、1つまたは複数のIPアドレスを、旧運用ノードから新運用ノードへ引継ぐ機能です(対象となるネットワークインタフェースカードは複数でも可能)。

MAC引継ぎ

スタンバイ運用において、切替えが発生したときに、ネットワークインタフェースのMACアドレスを旧運用ノードから新運用ノードへ引継ぐ機能です。この機能によりMACアドレスを使用して通信するクライアントの業務を継続することが可能です。

ノード名引継ぎ

ノード名を意識しているような場合に設定します。ノード名に対応するIPアドレス(論理IP)を検出し、このIPアドレスに対してアクセスを行います。

◆引継ぎネットワークの組合せ

サポート状況

引継ぎの種類

SafeCLUSTER

PRIMECLUSTER

IP

MAC

ノード名

×

×

×

×

×

×

×

※PRIMECLUSTERでは、MAC引継ぎはIPアドレス引継ぎと必ず一緒に使用します。

物理IPアドレス引継ぎや MACアドレス引継ぎは、切替え時に物理IPアドレスを非活性化します。Web-Based Admin View やシャットダウン機構の動作に影響を与えないよう、これらが使用していないネットワークインタフェースに物理IPアドレス引継ぎや MACアドレス引継ぎを設定するようにします。

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