PCI Hot Plug ユーザーズガイド I/Oデバイス編
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上へ第4章 ネットワーク関連デバイス
上へ4.2 増設手順

4.2.3 冗長構成へのPCIカードの追加

ここでは、既存の冗長構成に対して冗長度の補強を目的にPCIカードを追加する手順を、以下の冗長構成ソフトウェア製品を例にあげて示します。

SafeLINKについては、伝送路二重化機能のみサポートしています。

注意
活性増設によりSafeLINKまたはPRIMECLUSTER GLSの環境設定を変更した場合、システムのリブートを行う必要はありません。

他の冗長構成ソフトウェア製品を使用している場合は、各製品のマニュアルを参照してください。

また、既存の冗長構成にPCIカードを追加する場合には、上位製品に関する操作は不要で、上位製品を停止することなくPCIカードの追加ができます。

  1. マシン管理のハードウェア監視の停止
  2. マシン管理のハードウェア監視を停止するため、以下のコマンドを実行します。

    # /usr/sbin/FJSVmadm/prephp <Return>


  3. PCIカードの増設
    1. PCIカードを増設する前に、prtpicl(1M)コマンドの実行結果(現在の構成情報)を保存します。
    2. # prtpicl -v > /tmp/prtpicl.pre <Return>


    3. PCIカードを増設するPCIスロットの状態を確認します。
      以降では、I/O筐体番号:0、PCI/ディスクBOX番号:1、物理スロット番号:02のPCI/ディスクBOX内スロット:R0B01-PCI#slot02 に、PCIカード増設を行う場合を例にあげて説明します。
      複数枚のPCIカードを増設する場合、追加する各カードごとに2.bから3.の手順を実行してください。
      スロットの書式は、以下のようになります。(N: 整数)

      PCIスロットの場所

      スロットを特定する要素

      Ap_Idの書式

      PRIMEPOWER 900/1500/2500の筐体内

      筐体番号:X
      システムボード番号:Y
      物理スロット番号:ZZ

      Solaris 9 OE までの場合
       pcipsyN:CXM0Y-PCI#slotZZ

      Solaris 10 OE の場合
       CXM0Y-PCI#ZZ

      PCI/ディスクBOX

      I/O筐体番号:X
      PCI/ディスクBOX番号:Y
      物理スロット番号:ZZ

      Solaris 9 OE までの場合
       pcipsyN:RXB0Y-PCI#slotZZ

      Solaris 10 OE の場合
       RXB0Y-PCI#ZZ

      上記以外

      物理スロット番号:ZZ

      Solaris 9 OE までの場合
       pcipsyN:PCI#slotZZ

      Solaris 10 OE の場合
       PCI#ZZ


      cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードのスロット状態が"empty unconfigured"になったことを確認します。

      # cfgadm | grep R0B01-PCI#slot02 <Return>
      pcipsy18:R0B01-PCI#slot02unknownemptyunconfiguredunknown


    4. スロット位置確認のため、2.b.で表示されたAp_Idを指定してPCIカードを増設するPCIスロットのALARM LEDを点滅させます。
    5. # cfgadm -x led=fault,mode=blink pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>


    6. PCIカードを増設するPCIスロットのREADY LEDが消灯していることを確認し、PCIカードを増設します。本作業は、当社技術員が行います。


    7. cfgadm(1M)コマンドを使用して、増設したPCIカードのスロット状態が"disconnected unconfigured"になったことを確認します。
    8. # cfgadm pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
      Ap_IdTypeReceptacleOccupantCondition
      pcipsy18:R0B01-PCI#slot02unknowndisconnectedunconfiguredunknown


  4. PCIカードの組込み
  5. Ap_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行するか、または増設スロット位置のプッシュボタンを押して、増設したPCIカードを組み込みます。
    なお、プッシュボタンはマルチユーザモードの場合のみ有効です。
    その後cfgadm(1M)コマンドによってスロット状態が"connected configured"になったことを確認します。

    # cfgadm -c configure pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
    # cfgadm pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
    Ap_IdTypeReceptacleOccupantCondition
    pcipsy18:R0B01-PCI#slot02pci-pci/hpconnectedconfiguredok


  6. マシン管理のハードウェア構成情報更新/ハードウェア監視の起動
  7. マシン管理のハードウェア構成情報更新とハードウェア監視の再起動のため、以下のコマンドを実行します。

    # /usr/sbin/FJSVmadm/postphp <Return>


  8. デバイスの増設
  9. 増設したPCIカードとネットワーク機器をケーブルで接続します。

  10. ドライバの設定追加
  11. 以下の操作により、ドライバの設定を追加します。

    1. ドライバの設定追加などに必要となるインタフェース名を求めます。
    2. prtpicl(1M)コマンドの実行結果を保存し、2. 1)で採取した情報との差分をとり、追加したPCIカードに対するドライバのインスタンス番号を求めます。

      以下の例では、インスタンス番号が1となっていることから、追加したPCIカードのインタフェース名はhme1であると判断することができます。

      # prtpicl -v > /tmp/prtpicl.post <Return>
      # diff /tmp/prtpicl.pre /tmp/prtpicl.post | more <Return>
            :
      >  :status  okay
      >  :devfs-path  /pci@8d,2000/network@1
      >  :driver-name  hme
      >  :binding-name SUNW,hme
      >  :bus-addr 1
      >  :instance 1
      >  :_class  obp-device
      >  :name network
            :


    3. 上記手順で得られたインタフェース名が、追加したPCIカードのスロット位置に該当するインタフェース名であることを確認します。
    4. 特に増設したPCIカードが複数あり、インタフェース名とスロット位置の関係を特定することができない場合には、本手順を実施してください。

      # /usr/sbin/FJSVmadm/inst2comp hme1 <Return>
      pcipsy18:R0B01-PCI#slot02


    5. 各ドライバに対する設定を追加します。
    6. 詳細は各ドライバのマニュアルを参照してください。

  12. 冗長化構成への組込み
  13. 増設したPCIカードを既存の冗長構成に組み込むため、以下のコマンドを実行します。

    注意

    PRIMECLUSTER GLS 伝送路二重化機能のNIC切替方式では、冗長構成へ新しいインタフェースを追加することはできません。またGS/SURE連携方式を使用し、インタフェースを追加する場合には、GS/SURE連携方式で使用している仮想インタフェース(sha0等)の非活性化を行った後に、インタフェースの追加を実行する必要があります。

    • 伝送路二重化機能の高速切替方式の場合
      # /usr/sbin/ifconfig hme2 plumb <Return>
      # /usr/sbin/ifconfig hme2 IPアドレス netmask + broadcast + -trailers up <Return>
      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n sha0 -i hme2 -f <Return>
    • 伝送路二重化機能のGS/SURE連携方式の場合
      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stphanet -n sha0 <Return>
      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha2 -m n -i 192.168.20.10 -t hme2 <Return>
      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic modify -n sha0 -t sha2,sha3,sha4 <Return>
      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/strhanet -n sha0 <Return>
    • マルチパス機能の場合
      # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet add mpnet0 hme2 <Return>
      # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet start mpnet0 hme2 <Return>

    注意
    ifconfig(1M)コマンドで指定したIPアドレスは、/etc/inet/hostsおよび/etc/hostname.hme2に必ず設定してください。
    これらのシステム設定を行わないと、システムリブートが行われた場合に高速切替方式の仮想インタフェースを活性化することができなくなります。
    なお、IPv6アドレスを使用する場合には、PRIMECLUSTER GLSのマニュアルを参照してください。


  14. 運用パスの切り替え(必要な場合のみ)
  15. 運用上必要な場合は、増設したパスに運用パスを切り替えてください。パスの切り替え方法については、各冗長化構成ソフトウェアのマニュアルを参照してください。


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