PCI Hot Plug ユーザーズガイド I/Oデバイス編 |
目次
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ここでは、Solaris 9 OE以降のシステムにおいて、既存の冗長構成に対し、冗長度の補強を目的にPCIカードを追加する場合の手順の流れを、GRマルチパスドライバ(GRMPD)を例にあげて示します。
マルチパスディスク制御(MPHD)には、本節の追加パターンはありません。
GRMPD以外の冗長化ソフトウェア製品を使用している場合には、各製品のマニュアルを参照してください。
既存の冗長構成にPCIカードを追加する場合には、上位製品(サービス)に関する手順の実施は不要です。
マシン管理のハードウェア監視を停止するため、以下のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/prephp <Return> |
以下の手順により、PCIカードを増設します。
なお、下記環境設定のファイバチャネルカードを増設する場合には、増設部品のWWPN(World Wide Port Name:全16桁の数字)が必要となります。
ただし、Systemwalker/StorageMGRのSAN管理機能、Softek SANView for ETERNUS(for Vixelは除く)、SP5000 SRM Facilityの何れかを使用している場合は、WWPNを自動的に確保するため、2.a.の作業に移ります。
増設するカードのWWPNは、カード前面板にシールで貼られている8桁の数字から導き出します。
この8桁の数字は、WWPNの下位8桁を16進数で表現しています。上位8桁の数字は、固定の16進数で10000000になります。
例えば、前面板上に記載された8桁の数字(0e244061)が下記の場合に、増設するカードのWWPNは100000000e244061になります。
0e24 4061 |
# prtpicl -v > /tmp/prtpicl.pre <Return> |
PCIスロットの場所 |
スロットを特定する要素 |
Ap_Idの書式 |
PRIMEPOWER 900/1500/2500の筐体内 |
筐体番号:X |
・Solaris 9 OE の場合 ・Solaris 10 OE の場合 |
PCI/ディスクBOX |
I/O筐体番号:X |
・Solaris 9 OE の場合 ・Solaris 10 OE の場合 |
上記以外 |
物理スロット番号:ZZ |
・Solaris 9 OE の場合 ・Solaris 10 OE の場合 |
以降では、I/O筐体番号:0、PCI/ディスクBOX番号:1、物理スロット番号:02のPCI/ディスクBOX内スロット(R0B01-PCI#slot02)にPCIカードを増設する場合を例として説明します。
# cfgadm | grep R0B01-PCI#slot02 <Return>
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# cfgadm -x led=fault,mode=blink pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return> |
# cfgadm pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
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2.b.で求めたAp_Idに対してconfigure指定のcfgadm(1M)コマンドを実行するか、または、増設スロット位置のプッシュボタンを押すことによって、増設したPCIカードを組み込みます。
なお、プッシュボタンはマルチユーザモードの場合のみ有効です。
その後cfgadm(1M)コマンドによって、スロット状態が"connected configured"になったことを確認します。
増設スロットのPCIカードに大規模構成のI/Oデバイスが接続されている場合には、状態確認のコマンド実行に時間がかかることがあります。
# cfgadm -c configure pcipsy18:R0B01-PCI#slot02 <Return>
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マシン管理のハードウェア構成情報更新とハードウェア監視の再起動のため、以下のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/FJSVmadm/postphp <Return> |
既存のディスクアレイ装置にコントローラを追加し、増設したPCIカードに接続します。
ファイバチャネルスイッチSN200 seriesの構成において、ゾーニング機能を使用している場合には、追加した装置に対するゾーニング設定を行う必要があります。
【Systemwalker/StorageMGRのSAN管理機能、Softek SANView for ETERNUS(for Vixelは除く)、SP5000 SRM Facilityの何れかを使用している場合】 | |
SN200 seriesのゾーニング情報の変更、ディスクアレイ装置ETERNUS3000/ETERNUS6000/GR700/800 seriesのホストゾーニング(Host Afinity)設定の変更、fjpfca.conf,sd.confの変更は、SAN管理画面から『アクセスパスの設定』を実行することで自動的に行われます。 詳細は、各製品の使用手引書もしくはユーザーズガイドを参照してください。 なお、この機能を実行する場合には、次の手順 6.a.1)および6.a.2)[fcp-bind-target以外の設定]を事前に実施しておく必要があります。 また、この機能実行後には、6.a.3)から処理を進めてください。 |
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【上記製品のSAN管理機能を使用していない場合】 | |
SN200 seriesの設定変更を個別に行う必要があります。詳細は、"SN200 seriesゾーニングユーザガイド"および"ETERNUSmgrユーザガイド/GRmgrユーザガイド"を参照してください。 |
注意
SN200 seriesにおいてゾーニング設定の変更を行った場合、実行中の他の装置へのI/Oがゾーニング変更の影響を受け、一時的なエラーが発生することがあります。
ディスクアレイ装置などに対するI/Oは、リトライ処理により正常に復旧しますが、ファイバチャネルテープ装置では、バックアップ処理等がエラー終了することがあります。ゾーニングの変更処理は、バックアップを停止してから実施してください。
以下の操作により、ドライバの設定を追加します。
ファイル関連ドライバでは、PCIカードドライバとデバイスドライバの設定を追加する必要があります。
【SCSIドライバ(Solaris OE:glm)の場合】 | ||||||||||
設定は不要です。 | ||||||||||
【Fibre Channelドライバ(FUJITSU PCI Fibre Channel)の場合】 | ||||||||||
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ここでは、既存のディスクアレイ装置に、target=3,lun=0〜2のディスクアレイ装置コントローラを5.の手順で追加した場合を例に説明します。
ディスクアレイ装置の活性増設を初めて実施した場合は、6.b.1)の手順から作業を開始します。/usr/sbin/hddvadmdrが存在し、以前に予約増設を実施したことがある場合は、6.b.5)の手順から作業を開始してください。
1) |
/kernel/drv/hddv.confの存在有無を確認します。 /kernel/drv/hddv.confファイルの存在有無を確認し、ファイルが存在しない場合は、ハードディスクドライバの新規インストール時であるため、手順6.b.3)から作業を行います。/kernel/drv/hddv.confファイルが存在しない場合は、非活性増設手順での設定運用時であるため、手順6.b.2)から作業を行ってください。
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2) |
非活性増設手順での設定運用時には、以下のコマンドを実行し、/kernel/drv/hddv.confが削除されたことを確認します。
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3) |
以下のコマンド実行により、活性増設機能用のhddv.confファイルを作成します。 "非活性増設手順での設定運用時"のメッセージ例は、現在使用中のtarget=1(lun=0)のディスクアレイ装置GR720がsd/hddvドライバに二重登録されていることを意味します。
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4) |
活性増設を実施する場合には、sd.confとhddv.confに同一のtarget番号を登録できないため、双方の定義が重複する場合には、sd.confの重複定義部分を削除またはコメントアウトします。 以下は、target=1が重複した場合の例です。
ただし、システムディスクやCD-ROM等のsdドライバですでに使用中のtarget番号は削除できません。 このような場合は、hddv.confとディスクアレイ装置のtarget番号を、sd.confと重複しない番号に変更してください。 |
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5) |
hddvadm -M コマンドで自動生成された/kernel/drv/hddv.confファイルを編集し、活性増設したLUN定義と非活性増設手順設定で現在使用中のLUN定義に該当する部分のコメントをはずします。 複数のディスクアレイ装置コントローラを異なるtarget番号で追加した場合は、各target番号を同時に追加定義します。 以前に活性増設を実施したことがあり、今回追加したLUN定義がすでに存在する場合は、編集の必要はありません。 以下の例では、活性増設対象のtarget=3,lun=0〜2と、非活性増設手順設定で使用中のディスクアレイ装置GR720(target=1)を登録しています。
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6) |
hddvchk_confコマンドの実行により、sd.confとhddv.confのLUN定義に重複がないことを確認します。 "チェックNGの場合"のメッセージ例は、target=3が双方に二重定義されていることを意味するため、6.b.4)の手順に戻ります。 以下は、FJSVhddvパッケージを/optにインストールした場合の実行例で、hddvchk_confコマンドの格納ディレクトリは、インストールディレクトリによって変わります。
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7) |
ハードディスクドライバに追加したLUNの組込みを指示するため、以下のコマンドを実行します。
現在使用中のディスクアレイ装置が存在する場合には、以下のメッセージが出力されますが、動作には問題ありません。
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8) |
prtpicl(1M)コマンドの実行結果を保存後、2.a.の採取情報との差分をとることによって、追加したLUNの物理パス名を求め、これに対応する/dev/dsk配下の論理パス名を求めます。 以下の例では、"c3t3d0"が追加したlun=0の論理パス名と判断することができます。lun=1,2の論理パス名は、cXtYdZが、X:PCIカード番号、Y:target番号、Z:lun番号、を示すことから、それぞれ"c3t3d1","c3t3d2"になります。
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増設したPCIカードとディスクアレイ装置コントローラの接続パスを、既存の冗長構成に組み込むため、以下のコマンドを実行し、6.b.8)の手順で特定した論理パス名(下記例下線部分)が追加されたことを確認します。
# /usr/sbin/mplbconfig -nv <Return> |
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