ベーシック通信アダプタテスト
(fjbcdrtest)



fjbcdrtest はPC4B(ベーシック通信アダプタ:GP7B8BA1)を診断対象としています。データ折り返し試験(内部折り返し、コネクタ折り返し、モデム折り返し)を行ない、カードの正常動作確認、および異常がある場合には原因の指摘を行ないます。 FJVTS、およびコマンドラインから起動可能です。



注-1テストを実行するときは、以下の方法で BCドライバを停止(非活性状態)してください。
・BCドライバを停止するには、
"/opt/FSUNbcdr/bin/stpbc"コマンドを実行します。

・テスト終了後、BCドライバを起動するには、
"/opt/FSUNbcdr/bin/strbc"コマンドを実行します。

(それぞれ FSUNbcdr のパッケージを /opt にインストールした場合)。

注-2コネクタ折り返しには、アダプタに適したコネクタが、モデム折り返しには、プロトコルに適したモデムおよびケーブルが必要となります。
注-3起動には BCドライバなど(NetcompoBASE-FSUNnet, NetcompoBCDR-FSUNbcdr)が必須となります。
注-4FJVTS からfjbcdrtestを実行する場合、FJVTS のオプション[intervention]を[Enable]にする必要があります。
注-5コマンドラインから実行する場合、1つのアダプタに対して同時に複数の fjbcdrtest を起動しないでください。多重起動を行ってしまった場合、アダプタが正常に動作しなくなりますので、アダプタリセットが必要です。
・アダプタリセットコマンドは、
"/opt/FSUNbcdr/bin/ctladp -R アダプタ名" です。

(FSUNbcdr のパッケージを /opt にインストールした場合)。詳しくは「BCドライバ説明書」を参照して下さい。

注-6アダプタ1枚あたり、試験が1回パスするのにかかる時間は、デフォルトの設定時で 約50秒 です。
注-7試験パラメータで"all"を指定すると、1回試験がパスするのに1時間以上かかる場合があります。




fjbcdrtestのオプション



option pc4b
図.fjbcdrtestのオプション




表.fjbcdrtestオプションの説明

オプション説明

Device 試験対象とするライン(回線)を選択します。同時に複数ライン選択可能です。

選択可能ライン数デフォルト
4ライン選択可
ラインは1つ以上選択すること
4ライン選択


Protocol試験対象とするプロトコルです。変更はできません。

選択可能プロトコルデフォルト
V24V24


Level 折り返し試験のレベルを選択します。いずれか1つ選択可能です。

選択可能レベルデフォルト
adapter,connector,modemadapter


※ レベルの内容説明
adapter: 内部折り返し(MPC860チップ折り返し)
connector: コネクタ折り返し
modem: モデム折り返し

Clock使用するクロックを選択します。どちらか1つ選択可能です。

選択可能クロックデフォルト
st1,st2st1


※ st1 と st2 の説明
st1:アダプタ側のクロックを使用
st2:モデム側のクロックを使用
("st2"を選択する場合はモデム装置が必要です。また"Speed"パラメタにはモデムのデータ転送速度を指定してください。)

Speedデータ転送速度(bps)を選択します。いずれか1つ選択可能です。

プロトコル選択可能速度デフォルト
V241200,2400,4800,9600,19200,all4800


※ "all"を選択すると選択可能な速度全てで実行します。
※ "Clock"に"st2"を指定したときは、"all"を指定できません。

Length1回に転送するデータの長さを選択します。いずれか1つ選択可能です。

選択肢デフォルト
fixed,sequential,random,manual,allfixed


※ 選択肢の説明
fixed:固定値(1,2048)
sequential:2,4,8,16,32,....,2048の値
random:ランダム値(1〜2048の範囲)
manual:指定値(manual Lengthで指定)
all:fixed,sequential,randomのパターンを全て実行します。

manual Length"Length"で"manual"を選択した場合にデータ長を指定します。1〜2048までの整数値が指定可能です。
デフォルト値は 2048
※Patternに"fixed"を指定した場合、crosstalkデータパターンの特性から、2048に設定することを推奨

Pattern転送するデータパターンを選択します。いずれか1つ選択可能です。

選択肢デフォルト
fixed,sequential,random,manual,allfixed


※ 選択肢の説明
fixed:固定値(0xff,0x00,0x55,0xaaの各1ビットパターン、
0xff-0x00繰り返しパターン、cross talkデータパターン)
sequential:インクリメント値(0x000102030405....feff)
random:ランダム値
manual:指定値(manual Patternで指定)
all:fixed,sequential,randomのパターンを全て実行します。

manual PatternPatternでmanualを選択した場合にデータパターンを指定します。4byteの値を16進数で指定可能です。
デフォルト値は ffffffff

Loop同一の設定パターンを用いて何回診断を行なうかを10進の整数(1〜99999)で指定します。
デフォルト値は 1

Dumpon、off のどちらかを選択します。 on に設定しておくと、診断結果が ERROR であった場合に、アダプタのファームダンプを採ります。(格納場所は /var/opt/FSUNnet/bcdr/dump/ )
デフォルトは off

Processor AffinityCPUを複数搭載したシステムでしか表示されません。使用するCPUを選択した番号のCPUに限定(バインド)します。2つ以上は選択できません。No Selectionsを選択すると、使用するCPUは特定しません。
デフォルトは No Selections




fjbcdrtestテストモード



表.fjbcdrtestテストモード

オプション説明

接続テストモード
(Connection Test)
サポートしていません。

機能テストモード
(Functional Test)
このモードでは、アダプタの診断インターフェイスを用いて、データ折り返し診断を行ないます。 診断インターフェイスは、実際に回線を接続している状態と同等の機能を使用しており、回線が非活性状態でのみ試験を行なえるようになっています。 アダプタ内部診断、コネクタ折り返し診断、モデム折り返し診断を実行することができ、アダプタの正常動作確認、および異常がある場合には原因の指摘を行ないます。




fjbcdrtestのコマンドライン行構文

/opt/FJSVvts/bin/fjbcdrtest 標準引数
-f -o dev=デバイス名 [,level=adapter|connector|modem,clock=st1|st2,speed=通信速度(bps),length=fixed|sequential|random|データ長(byte),pattern=fixed|sequential|random|16進数パターン,loop=回数,dump=on|off]



各パラメタの内容は前述の"表. fjbcdrtestオプションの説明"を参照してください。 アルファベットの入力は全て小文字を使用して下さい。 指定可能範囲外の値を入力すると、パラメタエラーになります。また、標準引数についてはSunVTSテストリファレンスを参照して下さい。

表.fjbcdrtestのコマンドライン行構文
引数 説明 指定例
dev <device_name>で、試験対象ライン(回線)を指定します。 必須パラメタであり、
"pc4b-インスタンス番号(2 or 3桁)-ライン番号(1桁)i"です。
複数ラインを指定するときは間に"+"記号を入れて続けます。ラインは同一のアダプタ上になければなりません。また全ラインを診断するときは、
"pc4b-インスタンス番号(2 or 3桁)"で指定可能です。
dev=pc4b-00-0+pc4b-00-2
dev=pc4b-120-1
dev=pc4b-01
level 診断レベルを指定します。 level=modem
clock 使用クロックを指定します。 clock=st1
speed データ転送速度(bps)を指定します。 speed=19200
speed=all
length 転送データ長(byte)を指定します。manual値を指定するときは、転送データ長の値を直接10進の整数<number>で指定します。 length=fixed
length=1024
pattern 試験データパターンを指定します。manual値を指定するときは、試験データパターンを直接16進数<hexadecimal>(4 byte)で指定します。 pattern=random
pattern=ff0055aa
loop 同一設定で診断する回数<number>を指定します。 loop=100
dump 診断ERROR時にアダプタのファームダンプを採るかどうか指定します。 dump=on




fjbcdrtestエラーメッセージ



表.fjbcdrtestのエラーメッセージ
IDエラーメッセージ考えられる原因対処方法
6000 Hard ware error: linename=[ライン名], loop_result=[診断結果], loop_ecode=[エラーコード], loop_detail1=[詳細データ1], loop_detail2=[詳細データ2]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
[ライン名]でハードエラーを検出しました。 [ライン名]のアダプタを交換して下さい。
6001 Line error: linename=[ライン名], loop_result=[診断結果], loop_ecode=[エラーコード], loop_detail1=[詳細データ1], loop_detail2=[詳細データ2]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
[ライン名]に接続されているモデム、ケーブルが異常です。 [ライン名]に接続されているモデム、ケーブルを確認して下さい。
6002 Receive data error: linename=[ライン名], loop_result=[診断結果], loop_ecode=[エラーコード], loop_detail1=[詳細データ1], loop_detail2=[詳細データ2]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
[ライン名]で受信データエラーを検出しました。 [ライン名]のアダプタ、ケーブル、モデムを確認して下さい。
6006 Time out error: linename=[ライン名]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
[ライン名]の診断がタイムアウトしました。 [ライン名]のアダプタを交換して下さい。
6007 Data compare error: linename=[ライン名], [比較済みバイト]/[転送バイト長] byte
Send_data = [送信データ]
Receive_data = [受信データ]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
受信データが期待値ではありません。 [ライン名]のアダプタを交換して下さい。
6009 Abnormal error: linename=[ライン名], loop_result=[診断結果], loop_ecode=[エラーコード], loop_detail1=[詳細データ1], loop_detail2=[詳細データ2]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
診断が異常終了しました。 システムを確認してください。
6010 Unexpected error: linename=[ライン名], loop_result=[診断結果], loop_ecode=[エラーコード], loop_detail1=[詳細データ1], loop_detail2=[詳細データ2]
Parameter: speed=[データ転送速度], data_length=[転送データ長], data_pattern=[データパターン]
診断結果が期待外の値です。 システムを確認してください。
8001Ioctl failed. [発行コマンド]: [理由]システムエラーシステムを確認して下さい。
8003Ioctl failed. linename=[ライン名] [発行コマンド]: [理由]システムエラーシステムを確認して下さい。
8004This program run on root ID.root ID 以外で起動しようとしました。スーパーユーザ(root)になってから起動して下さい。
8005Can't diagnose because the device is active.他のアプリケーションで BCドライバが起動されているため試験できません。BCドライバを停止(注-1参照)して下さい。
8006Can't diagnose because the firmware is not downloaded.アダプタにファームウェアがダウンロードされていません。リブート、またはアダプタリセット(注-5参照)を行ってください。
8009[コマンド名] failed. [理由]コマンドが失敗しました。システムを確認して下さい。
8010Can't find [コマンド名].コマンドが見つかりません。コマンドが存在することを確認してください。
8011Can't find bcdr driver.BCドライバが存在しません。BCドライバをインストールして下さい。
8012Set dev parameter.devパラメタが入力されていないので、試験できません。devパラメタを入力してください。
8013Please enter an appropriate value, [入力値]=?[入力値]のパラメタ値が無効な値です。有効な値を入力してください。
8014Bad test option: [オプション]指定された[オプション]はありません。正しい[オプション]を指定してください。
8015Can't find [アダプタ名] adapter.指定されたアダプタが見つかりません。[アダプタ名]が接続されていることを確認してください。
8016[アダプタ名] adapter is reseting now.[アダプタ名]がリセット状態です。アダプタリセット(注-5参照)を行ってください。
8017[アダプタ名] adapter is error status now.[アダプタ名]がエラー状態です。アダプタリセット(注-5参照)を行ってください。
8018"Can't open [ファイル名]. [理由][ファイル名] のオープンに失敗しました。システムを確認して下さい。
8019Failed to close [ファイル名]. [理由][ファイル名] のクローズに失敗しました。システムを確認して下さい。
8020Child Process Illegal failed. [理由]システムエラーシステムを確認して下さい。
8021Not matching your option parameters. [無効な組合せ]指定されたパラメタの組合せが無効です。有効な組合せを指定して下さい。
8022Device busy. ([コマンド名]: retry= [回数])デバイスが busy 状態です。システムを確認してください。
8023[アダプタ名] adapter is not ready.[アダプタ名]が動作していません。システムを確認してください。