Interstage Application Server シングル・サインオン運用ガイド
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第3章 環境構築(SSO管理者編)> 3.6 業務システムの登録> 3.6.3 保護リソース等の登録

3.6.3.3 保護リソースの設定

 SSOリポジトリに登録した業務システムのサイト定義、および保護パスの情報を認証サーバに設定します。
 認証サーバの定義ファイルをテキストエディタなどを用いて編集し、保護リソースの情報を追加します。なお、定義ファイルを編集した場合は、認証サーバを再起動してください。認証サーバの起動、および停止方法については“認証サーバの起動”、および“認証サーバの停止”を参照してください。

認証サーバの定義ファイル名と格納先

定義ファイル名
ssoatcag.conf
定義ファイルの格納先

C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcag\conf

/etc/opt/FJSVssoac/conf

[追加する定義項目]

項目

定義名

設定内容

省略可否

保護リソース以外からの認証要求の抑止

reject-incorrect-protection-resource-url

業務システムの保護リソース以外からの認証要求を抑止するかどうかを設定します。

 YES:抑止します。
 NO:抑止しません。

省略した場合は、“NO”が設定されたものとみなします。
また、設定された値が上記以外の場合は、システムのログにsso02040のエラーメッセージを出力し、“NO”が設定されたものとみなします。

省略可。

認証要求を受け付ける保護リソースのURL

protection-resource-url

業務システムの保護リソース以外からの認証要求を抑止する場合において、認証要求を受け付ける保護リソースのURLを設定します。
なお、本定義は“reject-incorrect-protection-resource-url”が“YES”の場合のみ有効となります。

保護リソースのURLには、SSOリポジトリに登録されているサイト定義、およびパス定義の情報を、以下のURL形式で設定します。
 <URL形式>
  [プロトコルスキーム][ホスト名][:ポート番号][パス]
 [プロトコルスキーム]:
  “https://”、または“http://”を設定してください。
 [ホスト名]:
  保護リソースのサイト定義で定義されているホスト名をFQDNで設定してください。ホスト名には、“@”、“?”、および“&”を含めないでください。
 [:ポート番号]:
  保護リソースのサイト定義で定義されているポート番号を設定してください。ポート番号は省略できます。省略した場合は、URLのプロトコルスキームの設定によって、ポート番号は以下のように設定されたものとみなします。
  ・プロトコルスキームが“https://”の場合
   ポート番号:“:443”
  ・プロトコルスキームが“http://”の場合
   ポート番号:“:80”
 [パス]:
  保護リソースのパス定義を設定してください。パスは省略できません。以下に注意して設定してください。
  ・“/”から始まるパスを必ず設定してください。
  ・相対パス(“/./”、“/../”)、連続した“/”(“//”)、および“;”を含めないでください。
  ・“/.”、または“/..”で終わる文字列を設定しないでください。

 上記のURL形式については、以下に注意して設定してください。

  • 英数字、または記号のみを使用してください。ただし、以下の記号は使用できません。
     “<”、“>”、“"”、“{”、“}”、“|”、“\”、“^”、“[”、“]”、“`”、“ ”、“%”
  • 漢字などのマルチバイト文字(MBCS)は使用しないでください。
  • 2048バイト以内の文字列を設定してください。
  • 設定するURL形式にはクエリ文字列は含めないでください。

保護リソースのURLの設定例)
 httpsで運用するポート番号443の保護サイト“bus.example.com”の保護パス“/protect/”を設定する場合。
 protection-resource-url=https://bus.example.com:443/protect/

設定された保護リソースのURLの末尾が“/”の場合はディレクトリとして扱い、設定値と認証要求時に提示されたURLが前方一致した場合にのみ、認証要求を受け付ける保護リソースに該当したとみなします。
URLの末尾が“/”以外の場合はファイルとして扱い、設定値と認証要求時に提示されたURLが完全一致した場合にのみ、認証要求を受け付ける保護リソースに該当したとみなします。

保護リソースのURLを複数設定する場合は、1行に1つの保護リソースのURLを設定し、複数の行に繰り返して設定してください。
複数設定した場合は、先頭行から順に、設定値と認証要求時に提示されたURLが一致するか判定します。

設定例)
 2つの保護リソースのURLを設定する場合。
 protection-resource-url=https://bus.example.com:443/protect/
 protection-resource-url=https://bus.example.com:443/bussystem/

“reject-incorrect-protection-resource-url”が“YES”の場合に本定義を省略した場合は、認証サーバ起動時にシステムのログにsso02008のエラーメッセージを出力し、認証サーバを停止します。
保護リソースのURLの設定値が正しくない場合は、認証サーバ起動時にシステムのログにsso02007のエラーメッセージを出力し、認証サーバを停止します。

省略可。
ただし、“reject-incorrect-protection-resource-url”が“YES”の場合は必須。

 以下に、定義ファイルの設定例を示します。


 保護リソース以外からの認証要求を抑止し、認証要求を受け付ける保護リソースのURLに以下を設定している例です。
  認証要求を受け付ける保護リソースのURL : https://bus.example.com:443/protect/
                            : https://bus.example.com:443/bussystem/

reject-incorrect-protection-resource-url=YES
protection-resource-url=https://bus.example.com:443/protect/
protection-resource-url=https://bus.example.com:443/bussystem/


定義項目“protection-resource-url”の設定値について

 認証サーバの定義項目“protection-resource-url”には、SSOリポジトリに登録したすべての保護リソース情報を正しく設定してください。設定値がSSOリポジトリに登録した保護リソース情報と同等でない場合、保護リソース以外からの認証要求の抑止が正しく行われません。


Interstage Security DirectorのInterstage シングル・サインオン連携機能を使用する場合

 Interstage Security Directorが提供するInterstage シングル・サインオン連携機能を使用する場合、認証サーバの定義項目“protection-resource-url”には、以下のURL形式で設定してください。
<URL形式>
 [プロトコルスキーム][ホスト名][:ポート番号][パス]
[プロトコルスキーム]:
 Interstage Security Directorのクライアント間の通信方法に合わせて、以下のように設定します。
  ・Interstage Security Directorとクライアント間がHTTP通信の場合
   “http://”を設定します。
  ・Interstage Security Directorとクライアント間がSSL通信の場合
   “https://”を設定します。
[ホスト名]:
 認証サーバへ送信するPROXYサーバの自サーバ名を設定します。
 Interstage Security Directorの以下に指定したサーバ名を設定してください。
  ・Interstage シングル・サインオン認証サーバ設定の“PROXYの自サーバ名”
[:ポート番号]:
 PROXYサーバがクライアントからの要求を受け付けるポート番号を設定します。
 Interstage Security Directorの以下に指定したポート番号を設定してください。
  ・PROXYサーバ環境設定の基本設定の“ポート番号”
[パス]:
 “/”を設定してください。

 Interstage Security Directorの設定については、Interstage Security Directorのマニュアルの、“HTTPアプリケーションゲートウェイ機能説明書(統合環境設定編)”-“Interstage シングル・サインオン連携機能”を参照してください。


保護リソース情報の追加、変更、または削除

 SSOリポジトリ上の保護リソース情報の追加、変更、または削除を行った場合、認証サーバの定義項目“protection-resource-url”を編集し、認証サーバを再起動してください。
 また、実際に保護リソースにアクセスを行い、定義通りに正しく動作しているか確認するよう業務サーバ管理者に依頼してください。


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