InfoDirectory SDK 使用手引書

4.3.2.4 属性値指定行

　この行には、属性名と属性値を分割するために“:”（コロン）で区切って記述します。また、1つの属性値が複数行にまたがる場合には、次の行の先頭1文字を空白とし、2文字目から属性値の続きを指定します。行の先頭が空白の場合、その行は、前の行の続きとみなされます。

　オブジェクト属性の指定については、オブジェクトクラスの指定を参照してください。

文字列

　属性値に文字列を指定する場合、以下の形式で記述します。

　属性名 : 属性値

ファイル名

　属性値をファイルから読込む場合、以下の形式で記述します。DNにはファイルからの読込みは行えません。

• 形式1

  　属性名 : ファイル名

  
  
• 形式2

  　属性名 : < ファイル名

  　上記の形式で属性値を指定した場合、指定されたファイルの内容をこの属性の属性値として使用します。ファイル名には以下の形式での指定が可能です。

  • フルパスでの指定

    　ファイル名は“/”（スラッシュ）で始まるフルパス形式で記述します。ファイルの内容はBase64形式でエンコードされた文字列である必要があります。Base64形式でエンコードされたバイナリの指定は行えません。

  • URLでの指定

    　ファイルへのパスをURL形式で指定します。URLで指定できるスキームは、fileスキームのみです。またURLで指定するホスト名およびポート番号は無視されます。そのため後に続くフルパスとして指定可能なファイルは、ローカルなファイルのみです。ファイルの内容は、文字の場合はUTF-8、バイナリの場合、そのままバイナリの形式にしてください。また、V2オプションを指定した場合、この形式を使用することはできません。以下の形式で指定してください。

    　file://フルパス

    
    

    　※　"\"（エンマーク）または“/”（スラッシュ）を、パス名の区切り記号として使用できます。

　形式1は、ldapmodifyにおいて、-bオプションを使用した場合に有効となります。

 

バイナリ値

　属性値としてバイナリ値を設定する場合、Base64形式でエンコードしたものを以下の形式で記述します。また上記のURL指定でのファイルからの読込みが可能です。

• 形式1

  　属性名 : : 属性値（Base64形式でエンコード）

  
  
• 形式2

  　属性名 ; binary : : 属性値（Base64形式でエンコード）

　V2オプションを指定した場合、形式2を使用することはできません。また、V3オプションを指定した場合の指定形式は使用する属性の設定に依存します。詳細は、サーバ側のInfoDirectory使用手引書“付録 サポート属性”を参照してください。

　次に属性値の記述例を示します。

記述例1

　複数行にまたがるバイナリ値を指定した場合

　dn: cn=富士通 太郎,o=Fujitsu Limited, c=JP
　objectclass: person
　jpegPhoto:: gqCCo2C0ILTgtaC2Q0KgtyC3YLegt+C4A0KguKCooLkgqa
　C5g0KgueC6ILpguqC6w0KgvENCg==

記述例2

　属性値をファイルから読込む場合

　#Tarou1.txtはBase64、Tarou2.txtはUTF-8
　#Tarou_photo.jpg、Tarou_cert.certはバイナリ
　dn: cn=富士通 太郎,o=Fujitsu Limited, c=JP
　objectclass: person
　description:< /home/Tarou/Tarou1.txt
　description:< file:///home/Tarou/Tarou2.txt
　jpegPhoto:< file:///home/Tarou/Tarou_photo.jpg
　certificateRevocationList;binary:< file:///home/Tarou/Tarou_cert.cert