Interstage Application Server SOAPサービス ユーザーズガイド
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第7章 送達保証機能の実装> 7.3 クライアントシステムがメッセージを受け取るPULLモデル

7.3.5 PUSH/PULLを組み合わせたアプリケーションの構成

 PUSHとPULLを組み合わせたモデルは、特定の2者間での送達保証や否認拒否の必要なSOAPメッセージの送受信において、ファイアウォールなどが原因で、どちらか1社がSOAPメッセージを受信するためのWebサーバを用意できない場合に有効です。

 例えば、小売店A上で入力したSOAPメッセージを送達保証機能で卸売店Bに送信し、その処理結果を小売店Aに送達保証機能で送信する、といったメッセージの流れの場合、PUSHとPULLを組み合わせたモデルを使用することが考えられます。

 上図の場合、小売店Aにある端末上のアプリケーションを起動し伝票を入力された時点で、PUSHモデル送信クライアントの送信アプリケーションが実行され、送達保証のSOAPメッセージが卸売店Bに対して送信されます。卸売店Bの送達保証機能上では、PUSHモデルのSOAPメッセージが到着した時点で、事前に用意したPUSHモデルの受信アプリケーションが呼び出され、受信処理が実行されます。この受信処理の中で、PULLモデルの送信アプリケーションが実行され、PULLモデル受信クライアントの小売店Aに対するSOAPメッセージが作成されます。この時点ではSOAPメッセージはPULLモデル送信サーバの卸売店B内に格納されます。

 その後、PULLモデル受信クライアントの小売店Aから、自動的にSOAPメッセージのポーリングが行なわれ、PULLモデル送信サーバ上に格納されたSOAPメッセージがPULLモデル受信クライアントの小売店Aに向けて送信されます。この際に小売店Aで設定されているPULLモデルの受信アプリケーションが実行され、SOAPメッセージの受信処理が行なわれます。

 
 小売店Aでは、PUSHの送信アプリケーションとPULLの受信アプリケーションが動作しますが、送達保証機能では、この2つのアプリケーションに渡されるSOAPメッセージの対応付けは行ないません。対応付けが必要な場合はSOAPメッセージ内にあらかじめ対応の取れるIDを入れておくなどして、アプリケーションで送受信メッセージ間の対応付けを行なう必要があります。

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