Interstage Application Server SOAPサービス ユーザーズガイド
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2.3.2 送達保証機能の選択
一般にWebサービスにおいて企業間での商取引など、信用(信頼)を必要とするシステムを構築する場合、以下のような問題が発生する可能性があります。
- SOAPメッセージが必ず届く保証がない。
交換するSOAPメッセージが一時的であれ、なんらかの理由によって送信もしくは受信ができなかった場合、通信エラーとなってSOAPメッセージの交換に失敗してしまいます。
- SOAPメッセージを受信する側は通常Webサーバの環境が必要である。
SOAPメッセージの送信側、受信側の規模に関わらず、SOAPメッセージを受信するためには、Webサーバを用意する必要があります。時としてこれは、SOAPメッセージの交換を行いたい相手に受け入れられない条件となることがあります。
- SOAPメッセージを交換したことを後から証明できる手段がない。
SOAPメッセージを交換したことを後から証明することは非常に困難です。どちらかがログを採取していたとしても、そのログの信頼性が疑われてしまえば同じことになります。
多くの場合、判子や署名を押した書面を交わすことで取り引きの証拠としています。
Interstage SOAPサービスの送達保証機能では、SOAPメッセージの消失を防止し、双方が必ずしもWebサーバを必要としないSOAPメッセージの交換を可能とします。また、否認(しらばくれ)防止機能(署名オプション)を使用することで、双方がSOAPメッセージを送信および受信したことを証明できる証拠を保持できるため、SOAPメッセージを交換したことを後から証明することが可能です。
以下のようなWebサービスで送達保証機能を使用することを推奨します。
- SOAPメッセージ受信側のWebサービスが、必ずしもリアルタイムでの処理結果を必要としない場合
- 後から証明が必要な通信を行う場合
- Webサービスがファイアウォール内にある場合
- SOAPメッセージ受信側のWebサービスが、受信するSOAPメッセージの順序性に左右されない場合
- SOAPメッセージの送受信の順序性は保証されません。
- 否認(しらばくれ)防止機能(署名オプション)を有効にした場合、送達保証機能が一定期間、SOAPメッセージを保管します。
長期的な否認防止を実現したい場合は、アプリケーションでSOAPメッセージの長期保管を行う必要があります。また署名付きSOAPメッセージを長期保存した場合、その検証を行うために鍵の長期保存も行う必要があります。
SOAPメッセージの長期保存を行う場合、送達保証機能のアプリケーションで、送達が確認されたSOAPメッセージを送達保証のメッセージ管理ライブラリを利用して取り出し、アプリケーションで格納が完了した時点で順次削除してください。
送達保証のメッセージ管理ライブラリの詳細については、“格納されたメッセージの管理”を参照してください。
- 2.3.2.1 PUSHモデル
- 2.3.2.2 PULLモデル
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