Interstage Application Server チューニングガイド
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付録H InfoDirectoryの環境定義> H.8 チューニングパラメタ> H.8.2 IPCパラメタ

H.8.2.1 最大同時接続数のチューニング

IPCパラメタの計算式およびパラメタの意味

  1. 同時アクセス数を元にMSGMNBを算出します。この計算でシステムとしてどれだけIPCメッセージバッファ資源が必要になるかを求めます。
     
  2. MSGSEGを求めます。
     
  3. MSGSSZを求めます。
以下に各IPCパラメタの意味と計算式を示します。

MSGMNB

 (意味) : 1つのメッセージキューで使用できる最大バイト数を設定します。

 (設定値) : 1回の送信(msgsnd)最大サイズは約1000(984)バイトです。

「 MSGMNB = 最大同時アクセス数 × 1,000 」
 

MSGSSZ

 (意味) : 1セグメントのサイズを表します。IPCで使用するメッセージキューバッファ領域はセグメントという単位で分割されています。

 (設定値) : 1回の送信(msgsnd)最小サイズが24バイトのため、24を最低値としています。最小値の24バイトでMSGMNB分の領域が確保できない場合、領域を確保できるような値を設定する必要があります。ただし、4の倍数である必要があります。
 ただし、256クライアント以上同時にアクセスする場合(MSGSEGが32767を超える)は、以下の計算式で求めます。

「 MSGSSZ >= (MSGMNB×4) / 32767 (2の倍数であること) 」
 

MSGSEG

 (意味) : セグメント数の最大値です。

 (設定値) : MSGMNBの値は、MSGMNB = (MSGSSZ×MSGSEG) / 4 で求めることができます。

「 MSGSEG = (MSGMNB×4) / MSGSSZ 」

 なお、クライアント数が上昇するとすぐに最大値に到達するため、セグメントの最大値である32767を設定しています。
 

MSGTQL

 (意味) : メッセージのヘッダ数です。1つのメッセージに付きヘッダを1つ使用します。

 (設定値) : 1クラインアトアクセス時に使用するメッセージは4つなので4倍します。

「 MSGTQL = 同時アクセス数 × 4 」
 

MSGMNI

 (意味) : システムで使用するメッセージキューの数です。

 (設定値) : シャドウイング機能を使用しない場合、1DSAにつき5個使用します。シャドウイング機能を使用する場合、1DSAにつき6個使用します。

同一マシン上に複数のDSAを作成・起動する場合は同一マシン複数DSAのチューニングが必要です。

 

MSGMAP

 (意味) : 各メッセージのマップを管理するテーブル数です。

 (設定値) : 特にチューニングする必要はありません。デフォルト値で問題ありません。
 

MSGMAX

 (意味) : 1メッセージの最大長

 (設定値) : 1メッセージの最大長は最大984バイトです。デフォルト値(2048バイト)以下なので、チューニングする必要はありません。

 

※ 必要メモリ(カーネルメモリ)

 以下の計算式より算出します。

 計算によって出た値がカーネルメモリの25%以内なら、再起動後、odsstartコマンドを実行したときにカーネルメモリが正常に割当てられます(これはOSがチェックします)。

 もし、25%をオーバーしていた場合、odsstartコマンドを実行しても、サーバが起動しなかったり、odsmgmtがcoreを出力しますので、必要な分だけメモリを積む必要があります。

 なお、odsstartコマンドについては、“InfoDirectory使用手引書「付録 コマンドリファレンス」”を参照してください。

Solaris8 OE、Solaris9 OE OSの設定

 Solaris8 OE、Solaris9 OEのOSでは、セグメントのサイズ(MSGSSZ)とセグメント数の最大値(MSGSEG)のパラメタが廃止されたため、設定する必要はありません。ただし、MSGMNBの値を求めるために計算する必要があります。


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