Interstage Application Server チューニングガイド
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付録E Webサーバ(Interstage HTTP Server)の環境定義

E.1 クライアントとの接続に関するチューニング

タイムアウトの設定

 タイムアウト時間を設定する場合、環境定義ファイル(httpd.conf)の以下のディレクティブを編集します。

Timeout クライアント送受信タイムアウト時間(秒)

 クライアントとの間でデータパケットを送受信するときに待機する最長の時間(秒)を指定します。待機時間には、0から65535までを指定することができます(0を指定した場合、無制限)。
 Interstage HTTP Serverは、指定された時間に達してもパケットを受信できない場合、接続を閉じます。接続しているネットワークのトラフィックが増大し、接続が頻繁に中断される場合には、本時間を増やすことにより中断回数を減少させることができます。
 クライアント送受信タイムアウト時間の初期値は“600”、省略値は、“300”です。

HTTP Keep-Alive機能の設定

 HTTP Keep-Alive機能を設定する場合、環境定義ファイル(httpd.conf)の以下のディレクティブを編集します。

KeepAlive On|Off

 Interstage HTTP Serverでは、クライアント(Webブラウザ)との間で持続的な接続を維持することができます。
 “Off”を指定した場合は、1つの要求が完了するたびに接続を閉じて、次の要求に対して新しく接続しますが、“On”を指定することにより複数の要求を同じ接続で繰り返し使うことができるため、クライアントのレスポンスが向上します。
 初期値・省略値は、“On”です。

KeepAliveTimeout 次のリクエストまでのタイムアウト時間(秒)

 クライアントの1つのリクエストが完了してから、接続を閉じずに次の新しいリクエストを待つ時間(秒)を指定します(“KeepAlive On”の場合のみ有効)。接続維持時間には、0から65535までを指定することができます。この時間を経過しても次のリクエストがない場合は、接続を閉じます。
 接続維持時間の初期値・省略値は、“15”です。

クライアントの同時接続数の設定

 クライアントの同時接続数を設定する場合、環境定義ファイル(httpd.conf)の以下のディレクティブを編集します。

MaxClients クライアントの同時接続数

 Interstage HTTP Serverが、クライアント(Webブラウザ)からの接続要求を同時に受け付けることができる最大数を指定します。最大数は、1から4096までを指定することができます。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。4096より大きな値を指定した場合は、4096で動作します。
 この値を大きくすることにより同時アクセス可能な数は多くなりますが、メモリ資源や一時ファイルなどの消費に伴いシステム全体の性能が劣化する可能性があります。
 クライアントの同時接続数の初期値は“50”、省略値は“4096”です。
 なお、この設定値を超過するクライアントの接続要求があった場合は、接続待ちキューに保存されます。接続待ちキュー数は、ListenBacklogディレクティブで設定します。

ListenBacklog 接続待ちキューの最大数

 MaxClientsディレクティブで設定したクライアントの同時接続数よりも多くのアクセス要求があった場合に、Solaris OEシステム内に保存するキューの最大数を設定します。最大数には、1から2147483647までを指定することができます。
 接続待ちキューの最大数の省略値は、“511”です。
 ただし、本ディレクティブの設定値がSolaris OEシステムに設定されている待機中TCPコネクションの最大値(tcp_conn_req_max_q)よりも大きい場合は、待機中TCPコネクションの最大値(tcp_conn_req_max_q)が有効となります。
 Solaris OEシステムに設定されている待機中TCPコネクションの最大値(tcp_conn_req_max_q)を確認する場合は、nddコマンドを使用して以下のように実行してください。
 /usr/sbin/ndd /dev/tcp tcp_conn_req_max_q
 なお、待機中TCPコネクションの設定およびnddコマンドの詳細については、Solaris OEシステムのドキュメントを参照してください。


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