Interstage Application Server 移行ガイド
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第4章 Interstage Application Server V5からの移行> 4.8 Interstage シングル・サインオンの移行> 4.8.1 リポジトリサーバの移行

4.8.1.2 Standard Edition、Enterprise Editionからの移行(リポジトリサーバを1台で運用している場合)

 V5.x Interstage Application Server Standard Edition、Enterprise Editionからのリポジトリサーバの資源の移行手順について説明します。ここではリポジトリサーバを1台で運用している場合の移行手順について説明します。リポジトリサーバを複数台で運用している場合の移行手順については、“Standard Edition、Enterprise Editionからの移行(リポジトリサーバを複数台で運用している場合)”を参照してください。

■移行手順

 移行は以下の手順で行います。

  1. リポジトリサーバ資源のバックアップ
  2. SSOリポジトリからのデータの抽出
  3. パッケージのアンインストールとインストール
  4. SSOリポジトリの作成
  5. SSOリポジトリへのデータの移入
  6. リポジトリサーバ資源のリストア
  7. リポジトリサーバ定義ファイルの編集
  8. Webサーバ(Interstage HTTP Server)定義の編集
  9. リポジトリサーバの環境設定

1)リポジトリサーバ資源のバックアップ

 リポジトリサーバの資源をバックアップします。バックアップする資源は以下です。

  1. リポジトリサーバ定義ファイル
  2. サービスIDファイル
  3. Webサーバ(Interstage HTTP Server)環境定義ファイル

 なお、資源のバックアップ時はWebサーバ(Interstage HTTP Server)を停止してください。
 Webサーバ(Interstage HTTP Server)にInterstage シングル・サインオン以外のサービスを設定している場合は、設定している各サービスの移行方法に従ってください。
 以下に資源のバックアップの例を示します。


 バックアップ先パスがX:\Backup\ssoatcsvの場合の操作例を以下に示します。

  1. copyコマンド(またはエクスプローラ)を使用して、リポジトリサーバの資源をバックアップ用ディレクトリにコピーします。
      copy C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf\ssoatcsv.conf X:\Backup\ssoatcsv
      copy C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf\serviceid X:\Backup\ssoatcsv(注)
      copy C:\Interstage\F3FMihs\conf\httpd.conf X:\Backup\ssoatcsv

 注)サービスIDファイルはリポジトリサーバ定義ファイルの“serviceidpath”定義に設定したファイルを指定してください。


 バックアップ先パスが/backup/FJSVssosvの場合の操作例を以下に示します。

  1. cpコマンドを使用して、リポジトリサーバの資源をバックアップ用ディレクトリにコピーします。
      cp -p /etc/opt/FJSVssosv/conf/ssoatcsv.conf /backup/FJSVssosv
      cp -p /etc/opt/FJSVssosv/conf/serviceid /backup/FJSVssosv(注)
      cp -p /etc/opt/FJSVihs/conf/httpd.conf /backup/FJSVssosv

 注)サービスIDファイルはリポジトリサーバ定義ファイルの“serviceidpath”定義に設定したファイルを指定してください。

2)SSOリポジトリからのデータの抽出

 SSOリポジトリをInfoDirectoryからSmart Repositoryに移行する前の作業としてInfoDirectoryに登録したデータをすべて抽出します。データの抽出はldapsearchコマンドを実行して行います。コマンドの詳細については旧バージョンの“InfoDirectory使用手引書”を参照してください。


 データの抽出先パスがX:\Backup、データの抽出ファイルがX:\Backup\dir.ldifの場合の操作例を以下に示します。

C:\Interstage\ID\Dir\sdk\C\bin\ldapsearch -h localhost -p ポート番号 -D DSA管理者dn -w DSA管理者dnに設定したパスワード -b トップエントリ "(objectclass=*)" > X:\Backup\dir.ldif


 データの抽出先パスが/backup、データの抽出ファイルが/backup/dir.ldifの場合の操作例を以下に示します。

/opt/FJSVidsdk/C/bin/ldapsearch -h localhost -p ポート番号 -D DSA管理者dn -w DSA管理者dnに設定したパスワード -b トップエントリ "(objectclass=*)" > /backup/dir.ldif

 注)トップエントリはSmart RepositoryでSSOリポジトリを作成する際に必要となります。

3)パッケージのアンインストールとインストール

 現在インストールされているパッケージをアンインストール後、V7.0のパッケージをインストールします。

4)SSOリポジトリの作成

 SSOリポジトリをSmart Repositoryで作成します。SSOリポジトリの作成は構築するマシンのInterstage管理コンソールを使用して作成します。詳細については“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築(SSO管理者編)”−“リポジトリサーバの構築”−“SSOリポジトリの作成”を参照してください。(注)

 注)SSOリポジトリ作成時には以下のように設定してください。他の項目については“シングル・サインオン運用ガイド”を参照してください。

5)SSOリポジトリへのデータの移入

 Smart Repositoryで作成したSSOリポジトリにInfoDirectoryから抽出したデータを移入します。ldapmodifyコマンドを実行し、InfoDirectoryから取り出したLDIFファイルのデータをSmart Repositoryへ移入してください。コマンドの詳細については“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。


 データの抽出先パスがX:\Backup、データの抽出ファイルがX:\Backup\dir.ldifの場合の操作例を以下に示します。
 パスワードの入力を求められますので、SSOリポジトリ作成時に設定した管理者用DNのパスワードを入力してください。

C:\Interstage\ID\Dir\sdk\C\bin\ldapmodify -h localhost -p 通常(非SSL)ポート番号 -D リポジトリ管理者用DN -W -a -c -f X:\Backup\dir.ldif


 データの抽出先パスが/backup、データの抽出ファイルが/backup/dir.ldifの場合の操作例を以下に示します。
 パスワードの入力を求められますので、SSOリポジトリ作成時に設定した管理者用DNのパスワードを入力してください。

/opt/FJSVidsdk/C/bin/ldapmodify -h localhost -p 通常(非SSL)ポート番号 -D リポジトリ管理者用DN -W -a -c -f /backup/dir.ldif

6)リポジトリサーバ資源のリストア

 バックアップした以下のリポジトリサーバの資源をリストアします。

  1. リポジトリサーバ定義ファイル
  2. サービスIDファイル
  3. Webサーバ(Interstage HTTP Server)環境定義ファイル

 以下に資源のリストアの例を示します。


 バックアップ先パスがX:\Backup\ssoatcsvの場合の操作例を以下に示します。

  1. copyコマンド(またはエクスプローラ)を使用して、バックアップ用ディレクトリのリポジトリサーバの資源をもとのディレクトリにコピーします。
      copy X:\Backup\ssoatcsv\ssoatcsv.conf C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf
      copy X:\Backup\ssoatcsv\serviceid C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf(注)
      copy X:\Backup\ssoatcsv\httpd.conf C:\Interstage\F3FMihs\conf

 注)サービスIDファイルは必ずC:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\confにリストアし、リポジトリサーバ定義ファイルの“serviceidpath”定義に設定してください。


 バックアップ先パスが/backup/FJSVssosvの場合の操作例を以下に示します。

  1.  cpコマンドを使用して、バックアップ用ディレクトリのリポジトリサーバの資源をもとのディレクトリにコピーします。
      cp -p /backup/FJSVssosv/ssoatcsv.conf /etc/opt/FJSVssosv/conf
      cp -p /backup/FJSVssosv/serviceid /etc/opt/FJSVssosv/conf(注)
      cp -p /backup/FJSVssosv/httpd.conf /etc/opt/FJSVihs/conf/httpd.conf

 注)サービスIDファイルは必ず/etc/opt/FJSVssosv/confにリストアし、リポジトリサーバ定義ファイルの“serviceidpath”定義に設定してください。

7)リポジトリサーバ定義ファイルの編集

 alternative-certificate-attribute定義に“userSMIMECertificate;binary”を設定している場合は、リポジトリサーバ定義ファイルをリストア後、以下のいずれかを行ってください。

8)Webサーバ(Interstage HTTP Server)定義の編集

 Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)に設定してあるリポジトリサーバの設定を削除し、以下の設定を追加してください。なお、ポート番号は移行前に使用していたポート番号を設定してください。
 削除する設定については、旧バージョンの“シングル・サインオン運用ガイド”の“環境構築”−“リポジトリサーバの環境構築”−“Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルの設定”を参照してください。

 なお、Interstage HTTP Serverの環境定義の編集に失敗している場合は、[セキュリティ] > [シングル・サインオン] > [認証基盤] > [一覧]に表示されるリポジトリサーバのポート番号に“不明”と表示されます。編集内容に間違いがないか確認してください。

環境定義ファイルに追加する項目

項目名

内容

Listen

サーバが起動するときのネットワークポート番号

LoadModule

リポジトリサーバのプログラム

AddModule

リポジトリサーバの実行に必要な項目

<VirtualHost _default_:ポート番号>
<Location>
SetHandler
</Location>
DocumentRoot
</VirtualHost>

リポジトリサーバの実行に必要な項目

Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の設定例


 環境定義ファイルの最終行に以下の記述を追加し、太字部分(ポート番号)を運用に合わせて変更してください。なお、以下はリポジトリサーバを運用するポート番号に“10550”を使用する場合を例にしています。

Listen 10550
LoadModule ssoatcsv_module "C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\lib\F3FMssoatcsv.dll"
AddModule ssoatcsv.c
<VirtualHost _default_:10550>
<Location /ssoatcsv>
SetHandler ssoatcsv-authenticate-handler
</Location>
<Location /resinfo>
SetHandler ssoatcsv-resourceinfo-handler
</Location>
<Location /roleref>
SetHandler ssoatcsv-rolerefresh-handler
</Location>
DocumentRoot "C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\pub\docroot"
</VirtualHost>


 環境定義ファイルの最終行に以下の記述を追加し、太字部分(ポート番号)を運用に合わせて変更してください。なお、以下はリポジトリサーバを運用するポート番号に“10550”を使用する場合を例にしています。

Listen 10550
LoadModule ssoatcsv_module "/opt/FJSVssosv/lib/ssoatcsv.so"
AddModule ssoatcsv.c
<VirtualHost _default_:10550>
<Location /ssoatcsv>
SetHandler ssoatcsv-authenticate-handler
</Location>
<Location /resinfo>
SetHandler ssoatcsv-resourceinfo-handler
</Location>
<Location /roleref>
SetHandler ssoatcsv-rolerefresh-handler
</Location>
DocumentRoot "/opt/FJSVssosv/pub/docroot"
</VirtualHost>

9)リポジトリサーバの環境設定

 環境移行後、リポジトリサーバの環境を移行したマシンのInterstage管理コンソールから以下の手順で環境を設定します。各項目の詳細についてはInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。

  1. [セキュリティ] > [シングル・サインオン] > [認証基盤] > [リポジトリサーバ] > [環境設定]タブを選択し、[アクセスログ]のファイル名にリポジトリサーバのアクセスログの出力ファイル名を指定してください。
  2. [セキュリティ] > [シングル・サインオン] > [認証基盤] > [リポジトリサーバ] > [環境設定]タブを選択し、[詳細設定[表示]]をクリックします。
  3. [認証基盤の情報]の[URL]に業務システムからアクセスを受け付けるURLを設定します。認証基盤のURLについては“シングル・サインオン運用ガイド”の“概要”−“URLの決定”−“認証基盤のURLについて”を参照してください。
  4. [リポジトリ] > [リポジトリ名]にSSOリポジトリとして使用するSmart Repositoryのリポジトリ名を選択します。SSOリポジトリ作成時に指定した“リポジトリ名”を選択してください。
  5. [適用]ボタンをクリックします。

■定義項目

 V7.0の環境定義はInterstage管理コンソールを使用して設定します。V5.xの環境定義の項目とInterstage管理コンソールによる設定の対応については“シングル・サインオン運用ガイド”の“旧バージョンの環境定義と機能について”を参照してください。
 なお、リポジトリサーバの以下の定義は、V7.0では認証サーバで定義します。必ず、認証サーバ定義ファイルに設定してください。認証サーバでの定義方法については、“認証サーバの移行”を参照してください。



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