Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (CORBAサービス編)
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付録F 動的スケルトンインタフェースのプログラミング> F.2 C++言語の開発

F.2.3 パラメタの獲得/解放

 動的スケルトンインタフェースを使用して動的にパラメタを作成する方法について説明します。
 パラメタはCORBA::NVList::add_value()を使用して設定します。

inパラメタ

 クライアントアプリケーションからinパラメタを受け取る場合、パラメタ領域の獲得/解放を行う必要はありません。add_value()は以下のように指定します。

  CORBA::Any        p1( ((*params)[0])->type, &i, CORBA_TRUE ); 
  arg_list->add_value(
        name,                        /* IDLで指定したパラメタの名前を設定します */
        p1,                          /* inで使用する値を設定したAny型を設定します */
        CORBA::ARG_IN,               /* CORBA::ARG_INを設定します */
        *env );

outパラメタ

 サーバアプリケーションの処理結果をoutパラメタで渡す場合、データ域獲得関数(CORBA::long_alloc()等)で領域を獲得し、そのポインタをadd_value()の第2パラメタに指定します。

  CORBA::Any        *p2 = new CORBA::Any( ((*params)[1])->type, &i, CORBA_TRUE ); 
  arg_list->add_value(
        name,                        /* IDLで指定したパラメタの名前を設定します */
        *p2,                         /* outの値を設定するAny型を設定します */
        CORBA::ARG_OUT,              /* CORBA::ARG_OUTを設定します */
        *env );

 獲得した領域は、CORBAサービス内でリクエスト復帰後に解放されます。

inoutパラメタ

 クライアントアプリケーションからinoutパラメタを受け取る場合、パラメタ領域の獲得/解放を行う必要はありません。add_value()は以下のように指定します。

  CORBA::Any        *p3 = new CORBA::Any(( (*params)[2])->type, &i, CORBA_TRUE ); 
  arg_list->add_value(
        name,                        /* IDLで指定したパラメタの名前を設定します */
        *p3,                         /* inoutの値を設定するAny型を設定します */
        CORBA::ARG_INOUT,            /* CORBA::ARG_INOUTを設定します */
        *env );

 サーバアプリケーションの処理結果をinoutでクライアントアプリケーションに渡す場合、以下のようにします。

 固定長データの場合
 CORBA::ServerRequest::params()で通知されたパラメタ領域に値を設定します。
 可変長データの場合
 CORBA::ServerRequest::params()で通知されたパラメタ領域を、CORBA::free()でいったん解放した後、データ域獲得関数(CORBA::string_alloc()等)で領域を獲得し、そのポインタを再設定します。新しいデータをその領域に設定します。

 inoutパラメタとして使用した領域は、リクエスト復帰後にスケルトンで解放されます。

復帰パラメタ

 サーバアプリケーションの処理結果を復帰パラメタ渡す場合、データ域獲得関数(CORBA::long_alloc()等)で領域を獲得します。


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