Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (CORBAサービス編)
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第6章 アプリケーションの開発(Java言語)> 6.2 CORBAアプリケーションの実行> 6.2.2 クライアント環境の設定(Portable-ORB)

6.2.2.3 Javaライブラリに対する権限の設定


 この設定は、使用するJDK/JREが1.2.2以降の場合に必要となります。使用するJDK/JREが1.1.8の場合には必要ありません。

 Portable-ORBをダウンロードしないで(クライアントにあらかじめ配置して)Javaアプレットを実行する場合には、Javaライブラリに対する権限を設定する必要があります。
 policytool(JDK添付)によるJavaライブラリに対する権限の設定方法を以下に示します。

  1. policytoolを起動します。
     policytool(コマンド入力)
  2. 起動後、最初に表示される[Policy Tool]の画面上で[Add Policy Entry]ボタンを押下します。
  3. 表示された[Policy Entry]の画面上で、各項目の値を以下のように設定します。

    項目

    設定値

    CodeBase:

    file:<Portable-ORB Jarファイル格納ディレクトリ>/* (注1)

    signed by:

    (なし)

    注1) 区切り文字として'/'を使用してください。

  4. [Policy Entry]の画面上で[Add Permission]ボタンを押下します。
  5. 表示された[Permissions]の画面上で、各項目の値を以下の表のように設定します。[Permissions]画面上での権限の設定は、一組の[Permission:/Target Name:/Actions:]の値を設定し、[OK]ボタンを押下します。この結果、[Policy Entry]の画面に戻ります。次の一組の値を設定するには、再度、[Add Permission]ボタンを押下します。これを繰り返し、必要な情報を設定します。
    設定後、[Policy Entry]の画面上で[Done]ボタンを押下します。

    ◇通常運用で必要な権限

     通常の運用では、セキュリティ上の安全性を確保するため、この権限以外は設定しないでください。

    権限種別

    設定を行う権限

    Permission

    Target Name

    Actions

    通信権限

    SocketPermission
    (java.net.SocketPermission)

    通信先サーバ名 (注2)

    connect

    注2) Javaアプレットから通信を行う通信先サーバ分の通信先サーバ名を設定します。
    通信先サーバ名として、以下のホスト名を指定します。
    −porbeditenvコマンドの「ホスト情報」で設定したホスト名
     (詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“porbeditenv”参照)。
    −通信するサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスに設定されているホスト名
     (odlistnsコマンド(-lオプション指定)で表示される「オブジェクトのホスト名」)。
    −URLスキーマに指定したホスト名
     (詳細は、“URLスキーマ”および“corbaloc URLスキーマ”参照)。
    なお、通信先サーバとして、serverA.interstage.co.jpとserverB.interstage.co.jpが存在する場合、通信先サーバ名としてserverA.interstage.co.jpとserverB.interstage.co.jpの2組の通信権限を設定します。または、信頼できる範囲を確認した上でワイルドカード(*)を使用して、*.interstage.co.jpと設定することもできます。ただし、ワイルドカード(*)のみの指定(不特定のサーバマシンとの通信)は、セキュリティ上の安全を確保するため、指定しないでください。

    ◇EJBアプリケーションを使用する場合に必要な権限 (注3)

    権限種別

    設定を行う権限

    Permission

    Target Name

    Actions

    プロパティ権限

    PropertyPermission
    (java.util.PropertyPermission)

    com.fujitsu.*

    read

    java.class.path

    read

    ランタイム権限

    RuntimePermission
    (java.lang.RuntimePermission)

    getClassLoader

    (指定不要)

    注3) EJBアプリケーションの詳細については、“J2EE ユーザーズガイド”の“EJB編”を参照してください。

    ◇Portable-ORBのログ情報を採取する場合に必要な権限 (注4)

    権限種別

    設定を行う権限

    Permission

    Target Name

    Actions

    ファイル権限

    FilePermission
    (java.io.FilePermission)

    ログ採取ファイル (注5)

    read, write, delete

    ログ採取ディレクトリ (注6)

    read

    注4) Portable-ORBのログ情報の詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“porbeditenv”を参照してください。なお、ログを採取する場合は、porbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリを事前に作成しておく必要があります。また、「ログ格納ディレクトリ」にはログ採取ファイル以外のユーザ資源などを格納しないでください。ログ採取後は、追加した権限を削除してください。
    注5) porbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリ名に「\*」を付加したパスを指定します(「ログ格納ディレクトリ」に「c:\log\porb」と指定した場合は「c:\log\porb\*」)。
    注6) porbeditenvコマンドの「ログ格納ディレクトリ」で指定したディレクトリ名を指定します。

    ◇SSL連携機能を使用する場合に必要な権限 (注7)

    権限種別

    設定を行う権限

    Permission

    Target Name

    Actions

    ファイル権限

    FilePermission
    (java.io.FilePermission)

    keystoreディレクトリ (注8)

    read

    注7) SSL連携機能の詳細は、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Portable-ORBでSSLを利用する方法”を参照してください。
    注8) porbeditenvコマンドの「キーストア格納位置」で指定した格納位置、または-ORB_FJ_PORB_SSLPathパラメタで指定した格納位置を指定します(格納位置が「C:\Interstage\PORB\etc\keystore」の場合、「C:\Interstage\PORB\etc\keystore」)。キーストアの格納位置がネットワーク上(HTTP指定)である場合は、指定する必要はありません。

    ◇サーバアプリケーションでユーザ情報獲得用のAPIを使用する場合に必要な権限 (注9)

    権限種別

    設定を行う権限

    Permission

    Target Name

    Actions

    プロパティ権限

    PropertyPermission
    (java.util.PropertyPermission)

    user.name

    read

    注9)ユーザ情報獲得用のAPIの詳細は、“リファレンスマニュアル(API編)”の“TD_get_user_information”/“TD::get_user_information”/“TDGETUSERINFORMATION”を参照してください。

  6. [Policy Entry]の画面上で、メニュー[File]→[Save]を選択します。
  7. メニュー[File]→[Exit]を選択し、policytoolを終了します。


 policytoolの初回実行時は、policytool終了前に、[Policy Tool]の画面からメニュー[File]→[Save As]を選択し、ポリシファイルの名前と格納位置を指定する必要があります。ポリシファイル指定の詳細については、“keytool/jarsigner/policytoolを使用した場合のデジタル署名”を参照してください。


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