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長期診療システムを構築し検査データの分析や臨床研究に活用

国立大阪病院様 導入事例


医療データウェアハウスの構築により患者の検査データや医事情報など様々な情報の活用を実現

2001年8月3日掲載/PDF 印刷用 PDF版ダウンロード (1,274KB)


導入事例概要
業種 その他(医療)
製品 SymfoWARE Server Enterprise Edition(データベース)
SymfoWARE Navigator Server(R-OLAP基盤)
Linkexpress(データ連携基盤)
HOPEシリーズ(医療ソリューション)

国立大阪病院(注1)では、患者が過去に受けた検査データを分析・活用できる医療データウェアハウス「長期診療支援システム」を構築。患者の過去データの検索や効率的な臨床研究が行える環境を構築した。同病院ではデータの分析に富士通の「SymfoWARE Navigator」を採用。膨大なデータを多面的に分析している。

導入前の課題   導入による効果

様々なデータを一元的に参照できるシステムを構築したい

SymfoWARE Server、医療パッケージ、グローバルサーバ上のデータなどを連携し、新たなシステムを構築することで一元管理

事後に発生する目的調査を実現したい

SymfoWARE Navigatorを利用して探索的なデータ検索を行うことが可能に

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過去の医療情報を検索できる「長期診療支援システム」

楠岡 英雄
国立大阪病院
臨床研究部長

がん・循環器疾患に関しては近畿地方の基幹病院、血液疾患・内分泌疾患・肝臓病などに関しては専門医療施設としての役割を担うなど、西日本を代表する医療機関の一つである国立大阪病院。日常の診療から最先端の臨床研究に至るまで幅広い分野をカバー。また阪神・淡路大震災のような災害時の対応も受け持っている。
同病院では1999年11月に、患者の検査データや医事情報など様々な情報を活用できる医療データウェアハウス「長期診療支援システム」を稼働させた。その背景について国立大阪病院 臨床研究部長 楠岡 英雄 氏は「日常業務はもちろん、臨床研究においても、過去の医療情報が必要となるケースが少なくありません。そこで様々なデータを一元的に参照できるシステムの構築を考えたのです」と説明する。

医事会計やオーダリングなどを行う病院情報システムが構築されているが、今回はそれと独立して稼働することが求められた。長期診療支援を前提としたシステムである以上、時には数年前のデータが必要になることもある。だが、何年分ものデータを現状のシステム内に全部持つわけにはいかない。

さらに、検索業務が割り込むことで、日常業務に影響が出ることも危惧された。「パフォーマンスの低下も問題ですが、もし検索中に障害が発生して、病院の業務が止まったら大変です。こうしたリスクを避けるためには、別のシステムを構築してデータを蓄えたほうが良いという結論に至りました」と楠岡氏は語る。

「SymfoWARE Navigator」により高度なデータ検索が可能に

新しく構築された長期診療支援サーバは、富士通のUNIXサーバGP7000FとOracle 8iで構成。ここに医事会計システム「HOPE/X」、オーダリングシステム「HOPE/EGMAIN」、看護システム、HIS画像参照システム「HOPE/EGIMAGE」などから抽出したデータが転送される。転送されるデータの内容は処方・注射・リハビリ・放射線・生理・病理・食事変更・入退院/病棟移動・栄養指導などのオーダー情報、受診歴・患者基本情報・診療費明細情報などの医事情報、それにレントゲンやMRI、CTなどのレポート管理情報である。
医事会計/オーダリングシステムは富士通のグローバルサーバGS8300上で稼働していることから、業務の中核部分を担うデータ分析ソフトウェアには柔軟な多次元分析・帳票作成を特徴としたR-OLAP基盤製品「SymfoWARE Navigator」を選択。長期診療支援サーバへのデータ転送には、分散システムのファイル転送を確実かつスピーディーに行える「Linkexpress」を採用した。

「SymfoWARE Navigator」を選択した背景について、楠岡氏は「通常のデータベース・システムでは何に使うという目的がまずあって、それに基づいてデータベースを設計・構築し、検索を行うのに対して、我々の場合はある事柄について調べたいという目的が事後に発生するのです。これが、一番難しいところでした」と語る。

たとえば、ある薬を服用している患者に特定の副作用が出たので、その薬を処方していた他の患者についての検査データを収集・分析するというように、目的が後から発生するのである。

薬の効果を調べる治験や臨床試験などは、ある意味でゴールが明確である。これに対して、今回のシステムは、一見無関係とも思えるデータの中から、関連性を探し出す役目も担っている。しかし他の製品では、こうしたことを実現するのは困難だった。楠岡氏は「『SymfoWARE Navigator』を利用することで、探索的なデータ検索を行うことが可能になりました」と力強く語る。

臨床研究の効率を大幅に向上

現在、長期診療支援システムには、約3000万件にも上るデータが収められているが、「SymfoWARE Navigator」を利用することで、検索・分析業務の大幅な効率化を実現。「従来の臨床研究では、ある病気に関して調べようと思ったらカルテに立ち戻るしかありませんでした。大学でも特定の研究を依頼されたら、教室総出でカルテを1ページずつめくり、必要なデータを書き写して分析するしかなかったのです」と楠岡氏は語る。したがって、別のアプローチが必要になったら、また一からカルテを調べなくてはならない。
「今回のようなシステムがあれば、こうした人海戦術に頼る必要はありません。余力を生かして研究を次のステップに進めることができます」(楠岡氏)。しかも、一見無関係に見えていたデータを後から関連付けることも可能になる。これは大きな進歩だと言えるだろう。

医事情報の分析を通して健全な病院経営と医療費の適正化を実現

長期診療支援システムには、診療・研究以外にもう一つ大きなメリットが備わっている。それは、経営情報について詳細な分析ができるということだ。
「長期診療支援システムのデータをもとに、医事課で別のデータベースを作成しています。これは、どのような疾患の患者さんが何人入院されたか、検査などの費用はいくらかかったかという管理面の分析をするもので、健全な病院経営を行う上で重要なデータとなります」と楠岡氏は説明する。

既に米国では、ある疾患に対する医療費を一定額に定める制度を運用。日本でも10カ所の医療機関で試験運用がはじまっている。しかし、適正なコストが算出されないままの運用には危険も伴う。「設定額が低ければ病院への負担が大きいし、高すぎれば医療費の無駄遣いになる」(楠岡氏)からである。長期診療支援システムに蓄積されたデータは、このように様々な側面で役立たせることができる。同病院でも積極的な利用を図ろうとしている。もちろん、患者のプライバシーに関わる情報だけに、セキュリティについても万全の対策を講じている。

「現在、電子カルテを導入する計画も進めていますが、長期診療支援システムとの連携が実現すれば、さらに新しい可能性が広がることでしょう」と期待をふくらませる楠岡氏。「SymfoWARE Navigator」は、最先端医療を支える重要なソフトウェアとしてますます活用されていくことだろう。

システムの概要

国立大阪病院のシステム構成
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【国立大阪病院様 病院概要】

所在地 〒540-0006 大阪市中央区法円坂2-1-14
設立 1945年12月
事業内容 旧陸軍大阪病院を前身として昭和20年に設立。近畿地区を代表する国立医療機関として高度な医療環境を提供すると同時に、「より多くの患者に、より安く、よい医療を」をスローガンとして掲げている。病院の機能評価を行う第三者機関である(財)日本医療機能評価機構の認定病院でもある。

シンボルマーク

ホームページ 独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター

用語解説

注1 : 国立大阪病院
2004年4月1日より「独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター」に改名しています。

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