Scigress Explorer 機能
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入出力ファイル形式変換
新機能
GUIの改良
アイコンをよりフレンドリにする為にアイコンイメージをコマンド機能が連想しやすい様に変更しました。

図1:分子軌道(HOMO/LUMO)表示
MO-S を新規搭載
乱雑位相近似法(RPA)によるスペクトル計算が可能。AM1,PM3,PM5による電子励起状態の計算が行えます。
WorkSpace(分子描画/解析結果表示)
WorkSpaceは、分子を構築するためのモジュールです。マウスだけで簡単に構築可能です。更に計算結果により、分子軌道や静電ポテンシャル図、UV-Visスペクトル、IRスペクトルを表示します。


Mechanics(分子力学法)
Scigress Explorer Mechanicsは、分子力学法を用いて分子の最適構造などを計算するモジュールです。分子力学法では、原子核という粒体の対ポテンシャルを求めるので、一般的に計算速度が速く多くの場合かなり精度良く分子の安定コンフォマーを見つけることができます。
分子力学の方程式は、電子による結合力に、疑似弾性力で表したバネのポテンシャルエネルギーを使います。分子の力場エネルギーは、結合を伸縮、変角、回転させるエネルギーから求める立体エネルギー(Steric Energy)と呼ぶ理論的エネルギーによって表します。
分子力学特有のポテンシャルは、力場(force-field)によって決まります。結合長、結合角、二面角、ひずみ、静電力、ファンデルワールス力、水素結合その他の性質が力場パラメーターになっています。Scigress Explorerでは、Allinger教授によるMM2力場及びMM3力場を拡張して使用しています。
Scigress Explorerでは、以下の拡張を行っています。
- 原子タイプの追加
- trigonal dipyramids
- square pgramid
- octahedron
- tetrahedron
- 結合の追加
- weak bond
- ionic bond
- hydrogen bond
- coordination bond
- 系統的に経験的法則を適用し、使用可能元素を周期表の全元素に拡張しています。
- π電子系に該当するパラメーターを適用すべきかどうかを、構造を探査し自動的に決定しています。
[分子力場法の用途]
- 通常の有機分子の基底状態の安定コンフォマーの構造を最適化するとき
- 一連の安定コンフォマーを探索するとき
- あるコンフォマーから他のコンフォマーへの経路の探索をするとき
- 分子間の立体的な相互作用を見積もるとき
- 新規物質や、有機金属分子の構造を調べるとき
- 量子化学計算の前段階として初期構造を決めるとき
Dynamics(分子動力学法)
Scigress Explorer Dynamicsは分子動力学法のソフトウェアで、分子モデルの挙動をシミュレートできます。
Scigress ExplorerのDynamicsでは、Scigress Explorer Mechanicsと同一の力場を使用してポテンシャルエネルギーを計算します。運動エネルギーは、シミュレートしている温度を反映させた分子系での原子の運動速度により計算します。
[Scigress Explorer Dynamicsの用途]
Scigress Explorer Dynamicsは、設定に従ってトラジェクトリを生成します。

トラジェクトリは、構造の集合となっており、時間軸に沿って並んでいます。それぞれの構造は、ポテンシャルそして運動エネルギーが設定温度に従って計算されています。
計算の結果は、Scigress Explorer WorkSpaceを使用して、隣り合った二つのウインドウにエネルギーと構造を連携させて表示できます。
また、このトラジェクトリからは以下の情報が得られます:
- 分子モデルの運動により生じる様々なコンフォメーション
- 分子モデルの構造とエネルギーの関係
Extended Huckel(拡張ヒュッケル法)
拡張ヒュッケル法は、シュレディンガー方程式を解く経験的な分子軌道計算法です。計算の対象として、周期表の全元素をサポートしています。
拡張ヒュッケルでは以下の項目が計算できます。
- 結合次数
- 部分電荷
- 分子軌道
- 軌道エネルギー
- 双極子モーメント

計算のパラメーターとして拡張ヒュッケルパラメーターとS. Alvarezによってまとめられたパラメーターを用意しております。ユーザが新規のパラメーターセットを作成することも可能となっております。
MO-G(分子軌道法)
MO-Gは半経験的分子軌道法のプログラムです。シュレディンガー方程式を解くためのハミルトニアンとしては、MINDO/3, MNDO,MNDO-d, AM1,PM3, PM5が含まれています。
MO-Gでは、以下の特性を計算できます。
- 部分電荷
- 結合次数
- 双極子モーメント
- 分子軌道エネルギー
- イオン化ポテンシャル
- 最適化構造
- ポテンシャル・エネルギー・マップ
- 遷移状態の構造
- 反応座標
- 振動スペクトル(IR)
MO-G主要機能
- MOZYME法によるLinear Scaling SCF計算
- 蛋白質構造入出力に関するユーティリティ機能
- 構造最適化(EF,BFGS,NLLSQ,SIGMA法)
- 遷移状態計算
- エネルギー分割
- 溶媒効果計算(COSMO法,TOMASIモデル)
- 内部反応座標計算(IRC)
- 動的反応座標計算(DRC)
- 項間交差構造の解析
- 超分極率計算
- 対称性の自動認識(8次までの点群表記)
- 赤外スペクトル計算
- 紫外/可視スペクトル計算
- 基準振動解析
- 励起状態計算
- 開殻系、ラジカルの計算
- 周期境界条件を用いた計算
- Parametric Molecular Electrostatic Potential
- ESP計算による原子電荷
MO-Gの制限
- MO-Gは、価電子だけを扱いますので、内核電子の変化に依存する性質は計算できません。
- 計算可能原子数(標準:300原子、オプション:実質 約10,000原子)
注意:MO-GはMOPAC2002をベースに富士通が開発、製品化したものです。
MO-S(励起状態計算)
MO-Sは有機分子の紫外・可視スペクトルを精度良く求めることができます。MO-Sでは、QM/MM法を用いて、タンパク質内リガンド分子の紫外・可視吸収スペクトルを計算することが可能となっています。

図:QM/MM法による吸収スペクトル計算例
MO-Sの計算可能元素
- AM1, PM3, PM5: H, Li, Be, B, C, N, O, F, Na, Mg, Al, Si, P, S, Cl, K, Ca, Zn, Ga, Ge, As, Se, Br, Rb,Sr, Cd, In, Sn, Sb, Te, I, Cs, Ba, Hg, Tl, Pb, Bi
- INDO/S: H, Li, C, N, O, F, Mg, Si, P, S, Cl, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn †
- CNDO/2: H, Li, Be, B, C, N, O, F, Na, Mg, Al, Si, P, S, Cl, Ge, As, Se, Br
- CNDO/S: H, Li, Be, B, C, N, O, F, Na, Mg, Al, Si, P, S, Cl
- CNDO/S2: H, C, N, O, F, S, Cl, Br
- CNDO/S3: H, C, N, O, F, S, Cl, Br
ZINDO(励起状態計算)
Scigress Explorer ZINDOは半経験的分子軌道法のプログラムです。シュレディンガー方程式を解くため、CNDO, INDO法が使用できます。
ZINDOでは、以下の特性を計算できます。
- 部分電荷
- 結合次数
- 双極子モーメント
- 分子軌道エネルギー
- イオン化ポテンシャル
- 最適化構造
- 電子スペクトル(紫外可視吸収スペクトル)
- C.I.計算を行い、分子の紫外可視領域の吸収スペクトルを計算/可視化できます。
ZINDOには、極性溶媒の効果をモデリングする手法が取り入れられています。それは、SCRF (Self Consistent Reaction Field) 法と呼ばれるものです。
ZINDOの制限
ZINDOは、価電子だけを扱いますので、内核電子の変化に依存する性質は計算できません。
ZINDOは、シクロプロパンなどのひずみの大きい小環状分子を安定な分子と扱ってしまいますので、取り扱いに注意してください。
ZINDOで計算できる原子数 : 200原子 基底関数 : 700
CONFLEX3(自動安定配座探索)
Scigress Explorer CONFLEX3は、フレキシブルな分子の配座空間を探索し、化学的に重要な配座異性体の最適化構造を洩れなく見つけだします。今までの構造最適化プログラム(Mechanics, MO-G等)では、ユーザが入力した初期構造に依存した、局所的な最適化構造しか求めることができませんでした。最安定構造でさえも、特定することが困難でした。これでは、フレキシブルな分子の性質や挙動に関して、限られた情報しか得ることができません。これらの問題を解決するための配座探索プログラムが、CONFLEX3です。
CONFLEX3の特徴
1.配座探索アルゴリズム
配座探索の手順は次のようになります
(1) 既に保存されている構造の中からの初期構造の選択および適当な構造の生成
(2) 構造最適化
(3) 既に得られている構造と比較し、新しい配座であれば保存
この手順を、終了条件を満たすまで繰り返します。
CONFLEX3での最大の特徴は、(1) の構造の生成です。中でも、環状部分に採用している、Corner FlapおよびEdge Flipにより、優れたパフォーマンスが得られています。
2.構造の生成
Corner Flap
初期構造の環の構成原子から一つを選び、環の平均平面に対して反対側に移動させることによって、新たな出発構造を生成します。

Edge Flip
初期構造の環の構成原子から隣接する二つを選び、環の平均平面に対してそれぞれ反対側に移動させることによって、ねじる操作を行います。
さらに、二つの原子を環の内側に動かし、へこませる操作も行います。

Stepwise Rotation
側鎖に対しては、単純な回転操作を行い、新しい出発構造を発生させます。
3.Reservoir Fillingアルゴリズム
以上の三つの操作は、初期構造を中心とした局所的な探索です。さらにCONFLEX3では、見つかった配座異性体の中から、エネルギーの低い物から順に初期構造を選択します。この過程で、よりエネルギーの低い配座異性体が見つかれば、次にその配座が初期構造となります。それにより探索領域は、速やかにエネルギーの低い方へと向かっていきます。そして最安定配座が見つかれば、探索領域は徐々に高い方へ拡がっていきます。これを、池に水が流れ込み周りに水が満たされていく様子に似ていることから、「Reservoir-Filling(貯水池注水)アルゴリズム」と呼んでいます。
4.構造最適化計算
配座探索計算における構造最適化はScigress Explorer Mechanicsを利用して行われます。これにより、全元素に対応した計算が可能になっています。また、計算中頻繁に生成されてしまう、既に見つかっている構造・鏡像異性体・幾何異性体・鞍点構造・極度に不安定な構造などは、自動的に削除されます。
5.簡単な入力設定
ターゲット分子中の、環部分・不斉炭素原子の立体配置 (R/S) ・二重結合部分の幾何 (E/Z) は自動的に認識されます。よってユーザーは、分子を作成し「Generate Conformations」コマンドを利用して自動的に「サーチ・ラベル」を設定するだけで準備が終わります。
CONFLEX3の計算例
Step1: Scigress Explorer WorkSpaceによる描画
CONFLEX3への入力ファイルは、Scigress Explorer WorkSpaceにより作成します。

図1.分子の入力画面
Step2: サーチ・ラベルの設定(オプション)
ターゲット分子中に、回転させたい結合がある場合は、サーチラベルを設定します。Scigress Explorer WorkSpaceの機能の一つである、「Geometry Label Wizard」コマンドを選択すると、図2のダイアログボックスが表示され、簡単に設定できます。図2では、二面角に-179, 61 および120度を設定しています。CONFLEX3では、この120度刻みの回転で満足のいく回転異性体の探索が可能です。また、設定後は図3のように分子上にサーチラベルが表示されます。

図2.Generate Conformationダイアログ

図3.サーチラベルの表示
Step3: CONFLEX3のパラメーター設定および実行
Scigress Explorer Procedure Editorを起動すると、図4のようなダイアログ・ボックスが現れ、簡単に探索条件を設定できます。

図4.CONFLEX3パラメーター設定ダイアログ
Step4: 計算結果の表示
計算結果の各コンフォマーのエネルギーと構造は同時に観察できます。

図5.計算結果
CONFLEX3は豊橋技術科学大学の後藤先生により開発されたプログラムです。
参考文献:
- J. Am. Chem. Soc., 1989, 111, 8950-8951;
- J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2, 1993, 187-198;
(注1) CONFLEX3はコンフレックス社の登録商標です。
DGauss(密度汎関数法)
Scigress ExplorerDGauss は密度汎関数法(DFT)プログラムです。
- 高精度:高精度に物質の性質を予測できます。例えば、分子構造、NMRの化学シフト、IRスペクトル、反応熱、活性化エネルギー等を予測できます。
- 高速:大きな分子を比較的短い時間で計算可能です。原子数が百以上で基底関数が千を越えるものでも計算可能です。
- 金属のモデリング:金属を含む系のモデリングが可能です。金属を含む百個以上の原子からなる有機分子を計算できます。原子種は、ランタノイド及びアクチノイド系列以外の全てのものが扱えます。
特徴
- Spin-restricted(閉殻系)
- Spin-unrestricted(開殻系)
- Harris
- Exchange-correlation functionals
-VWN for LSD
-BP86,BLYP,BP91 for GGA - 相対論的疑似ポテンシャル
- 溶媒モデル
[計算項目]
- 多重極子モーメント
- IR周波数および吸収強度
- ラマン周波数
- 分極率
- NMR化学シフト
- 光電子スペクトル(PES)
- 部分電荷
- 安定構造および鞍点構造の最適化
DGauss基底関数系、対応原子
Energy functional :
GGA : B88-LYP, B88-P86, PW91-PW91, B88-PW91
LDA : D-VWN , D-PW92
基底関数系 対応原子
DZVP H-Xe
TZVP H-He, B-Ne, Al-Ar
PPC H-Ra
3-21G(*) H-Ar
6-31G(**) H-Ar
DGauss 計算方法
H-Kr : all electron
Rb-Cd : semi-core ECP
In-Xe : full core ECP
Cs-Hg : semi-core ECP
: (lanthanides not included)
TI-At : full core ECP
Tabulator(解析結果作図)
Tabulatorは、分子軌道計算(拡張ヒュッケル・MO-G・ZINDO・DGauss)で計算した電子情報を視覚化するためのデータを作成するモジュールです。作成されたファイルはWorkSpaceを用いて画面に表示することができます。
Tabulatorを用いて以下のデータを作成できます。
[等電子密度面]
- 電子の密度勾配による色分け

- 静電ポテンシャルによる色分け
- フロンティア電子密度による色分け
- 反応性次数による色分け
など
[分子軌道図]

[静電ポテンシャル面]

[電子密度の等高線図等]

ProjectLeader(一括計算、自動抽出、構造活性相関)
ProjectLeaderは、スプレッドシート上へ計算された数値データを自由に呼び出せます。従って、MO-G等の大量のアウトプットファイルの中から希望する数値を検索したりするわずらわしい操作が不要です。
また、ポリマーのガラス転移点(Tg)、溶解度パラメーター(solubility parameter)、molar volumeを求めることが可能です。
さらに、これら様々な数値を使い、回帰処理または自由な統計的数式(Equation)といった統計的処理が可能です。
また、複数分子のバッチ計算、連続計算が可能となります。
Scigress Explorer ProjectLeader には、以下の機能があります。
- 計算数値データのスプレッドシート上への抽出
- 構造活性相関(QSAR)
- 計算データと実験データのキャリブレーション、その相関をグラフにプロット
- 複数分子または複数計算の連続計算等
入出力ファイル形式変換
Scigress Explorerで用いているデータ形式と他のアプリケーションなどのファイル形式との間で形式を変換します。
Scigress Explorerのファイル形式から以下のデータ形式を作成できます。
- Chem3DのCartesian Coordinate-2形式
- Tribble形式
- Brookhaven形式(PDB)
- MDL Mol形式
- SYBYL Mol形式
以下のデータ形式からScigress Explorerファイル形式を作成できます。
- Gaussian output形式(fchk形式)
- Chem3DのCartesian Coordinate-2形式
- Tribble形式
- Brookhaven形式(PDB)
- MDL Mol形式
- Shelx形式
- Cambridge形式
- Crystal Structure形式
- SYBYL Mol形式
特長|機能|製品ラインナップ・価格|動作環境
