
企業を取り巻く環境が厳しさを増す中、コスト競争力に対する意識が非常に高まっています。変化への対応とともに、コスト削減効果としても大きな期待を寄せられているのがSOAです。2009年5月15日、5月16日に東京国際フォーラムで開催された「富士通フォーラム2009」において、ミドルウェア事業本部 本部長 新田将人は、SOAに基づくミドルウェアを活用したIT基盤について、事例を交えながら企業が抱える課題解決にむけた実践的なアプローチとその効果をご紹介いたしました。
[2009年7月1日掲載]
ビジネス変革や社会的責任の遂行のために全体最適が必要
富士通のミドルウェア体系は4つの分野で構成
SOAの中核を担うアプリケーション&サービス管理
グローバルマーケットでも高い評価、利用拡大が進むInterstage
昨今の厳しい経済状況を反映し、企業においてはコスト競争力に対する意識が非常に高まっています。コストを抑制しつつ、ビジネス変革や社会的責任の遂行をいかに果たしていくか。そのためには部分最適だけでなく全体最適の視点が必要です。富士通では、人とプロセスとITの一体化をはかり、全体最適を実現するフィールド・イノベーションの実践を進めています。また、全体最適の観点から、サーバを中心にストレージ、ネットワーク、ミドルウェアを合わせた総合的なソリューションの提供にも力を注いでいます。
「全体最適のために富士通のミドルウェアは以下の2つの軸を中心に取り組んでいます。 第1点は、人、プロセス、IT資産をライフサイクルに渡って見える化することです。まず見える化して現状を段階的に改善し、着実に全体最適を実現していきます。第2点は、プラットフォームを活かし、コスト削減を図っていくことです。仮想化によるコスト低減、運用の標準化・省力化、省電力化などが主なテーマとなります。」(新田)
上記、2軸の取り組みを進めるために、富士通のミドルウェア体系は、データセンター・インフラストラクチャ、アプリケーション&サービス管理、情報統合・活用、運用管理と、4つの分野で構成されています。また、他社ベンダーのミドルウェアとも協調を図りながらお客様に付加価値の高いソリューションをご提供してまいります。

【図1 : 富士通のミドルウェア体系】
それでは、4つの分野について事例を交えながらご紹介いたします。
データセンターの課題としては、サーバ集約、業務継続、省電力、クラウドなどが挙げられます。これらに対し、富士通では仮想化、可用性、グリーンITなどを徹底追及し、データセンターの最適化を実現していきます。
某製造業様では、可用性とコスト削減の両立を実現するために、自動化・可視化ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」を導入。仮想化技術により、業務サーバ8台に対し予備機1台で可用性を維持するとともに、全国拠点のサーバ40台をセンターのブレードサーバ9台に集約し、専任管理者数を1/4にまで抑えることができました。

【図2 : センター集約で専任管理者を1/4に 某製造業様事例】
SOAの考え方で、業務プロセスの見える化・システム化を実現するアプリケーション&サービス管理については、後段にて詳しくご紹介いたします。

コンプライアンスへの対応など企業で扱うデータ量が増大する中、データ活用のニーズに迅速かつ柔軟に応えていくためには、新たな情報統合プラットフォームが必要です。
某医療機関様では、レセプトデータ(診療報酬明細)1.4億件/月を10年以上保管し、オンデマンドなデータ出力要求への対応を求められていました。RDBで構築する場合、当初から50テラバイト程度の規模をもつ必要がありましたが、フラットファイル構造のままでデータを蓄積できる、データ蓄積ソフトウェア「Interstage Information Storage」の導入により、データ量増加に応じてストレージの量を増やしていく柔軟な対応を実現できました。また、初期投資の大幅な削減はもとより、高い圧縮率によりRDBに比べてストレージコストを1/5(当社比)にまで削減することも可能にしました。

【図3 : 新たな情報統合プラットフォーム 某医療機関様事例】
運用管理では、マルチベンダー運用、運用の標準化による運用品質の向上、IT全般統制、グリーンITなどが主なテーマとなります。
たとえば、グリーンITに関しては利用者意識の向上と管理者による統制を実現する製品に「Systemwalker Desktop Patrol V14g」があります。使用中のパソコンの消費電力やCO2排出量などの画面での確認や、管理者による電源オプションの一括管理を可能にし、本製品をPC5000台(企業向けFMV)に適用した場合、 PC消費電力量(年間)を40%削減可能という推定値もでています(当社調べ)。
日時
2009年12月1日(火曜日)
14時~16時20分
場所
Platform Solution Center
(東京)
日時
2009年12月3日(木曜日)
14時~16時40分
場所
Platform Solution Center
(東京)
日時
2009年12月10日(木曜日)
15時~17時
場所
Platform Solution Center
(東京)
業務プロセスの
見える化・自動化:
業務の監視・分析:
エンタープライズ・
サービスバス:
Webフロントアプリケーション構築基盤:
アプリケーション
ライフサイクル管理:
XBRLミドルウェア:
データ蓄積ソフトウェア:
パソコンの資産管理、
セキュリティと
省電力対策:
サーバの自動化・可視化
ソフトウェア:
ビジネス環境の変化への対応とともに、コスト削減の処方箋として効果を発揮するIT技術がSOAです。SOAの中核を担うアプリケーション&サービス管理における富士通の考え方は、人・プロセス・ITを見える化・プロセス改善することにより、コスト競争力を強化していくことにあります。経営層、業務利用者、業務開発部門、システム運用部門で、特に解決が急がれる4つのテーマについて富士通の取り組みをご紹介いたします。

【図4 : アプリケーション&サービス管理における富士通の考え方】
業務プロセスの見える化では、まず現場の生のデータの集計作業の効率化が重要です。その上で、ノウハウのKPI(業務指標)化や、リアルタイムな業務状況の監視により迅速な現場判断を実現していきます。
従来、専任7名が表計算ソフトで集計し月一回の生産調整をおこなっていましたが、今後の商品数の増大、意思決定の迅速化などを踏まえ、生産計画策定プロセスの改善を図ることになりました。その際に、10年以上前から稼働している既存システムはそのまま活用したいという要件がありました。ビジネスプロセス・マネジメント「Interstage Business Process Manager Analytics」は既存システムに手を加えることなくアドオンできるため、構築期間および初期投資を大幅に削減。また業務データの変動をリアルタイムに監視でき、設定したKPIのしきい値を超えるとアラートがあがるなど迅速な現場判断を可能にしています。専任スタッフのコア業務への集中も図れました。

【図5 : 業務の見える化から始めるプロセス改善 某食品製造業様事例】
業務の見える化の次の段階は業務プロセスの改善です。ビジネスプロセス・マネジメント「Interstage Business Process Manager」は、業務プロセスを図式の記述により簡単に定義できます。定義されたプロセスに従って業務が実行されることで作業手順のミスを防止。また、いつ、誰が、何をしたか、すべてログとして記録されるため、業務の実行状況を正確に把握できます。さらに、蓄積されたログをベースに、コストやボトルネックなどさまざまな視点でのシミュレーションも可能です。このように業務の見える化から始まって、PDCAサイクルを回していくことにより業務プロセス改善を実現する一連の機能をご提供しています。
「Interstage Business Process Manager」は海外での評価も高く、米国をはじめ世界20カ国以上で導入が拡大しています。
SOAP/XMLサービスの利用拡大が急速に進む中、さまざまなプロトコルの連携が必要になる既存システムと外部サービスをいかに素早く接続していくかが課題となっています。課題解決の鍵となるのがXMLベースのサービス連携基盤です。
ジャパンネット銀行様では日本スポーツ振興センター様とのシステム連携を早期に立ち上げるべくXMLベースで接続する必要に迫られていました。従来、プロトコル変換など開発に3カ月、テスト2カ月の期間を要しましたが、エンタープライズ・サービスバス「Interstage Service Integrator」の導入により、開発1カ月、テスト1カ月と、構築期間を1/2に短縮できました。その理由は、本製品がシステム間のインターフェースの差異を吸収し、既存システム側に手を加えることなく連携を実現できたこと、またシミュレーション機能によりサービス連携のテストをおこなうことで、外部システムとの接続テストを必要最小限に抑えることができたことなどが挙げられます。

【図6 : サービス連携基盤の活用 ジャパンネット銀行様事例】
「Interstage Service Integrator」は富士通社内でも適用しています。全社受発注業務の大規模基盤システムの再構築において、関連システム間のインターフェースの違いを吸収し、変化に強いシステムを構築。また、ピーク時(富士通の決算期)、20万件/日もの性能要件に対応しています。
フロント業務では、複数のシステムを利用する際に画面の切り替えや、別システムの集計結果を手入力しなければならないなどの課題があります。これを解決するべく、フロント統合によりユーザアクセス環境を改善するニーズが高まっています。
某商社様では、操作ミスの防止や業務効率化のためにフロント統合を図るべく、Webフロントアプリケーション構築基盤「Interstage Interaction Manager」を導入。バックエンドのシステムに手を加えずそのまま活用し、さらに標準装備された業務部品(47種、995機能)を利用することにより約3カ月間で構築。複数業務データのやりとりを画面上で連携することで、受注入力スピードを1/3にまで短縮できました。

【図7 : フロントから始める業務改善 某商社様事例 】
昨今、オフショア・分散開発などにおいて、人手が介在することによる集約ミスや修正反映漏れなどの防止が課題となっています。また、内部統制の観点から、プログラム、仕様書、ソースコードなどの集約管理や、いつ、誰が、どう変更したか、開発履歴作業を残すことも必要となってきています。
従来、開発拠点ごとに資産を管理し、人手による集約やチェックをおこなっていましたが、人手である以上、チェック漏れや修正反映漏れなどのリスクは常にありました。そこで、アプリケーションライフサイクル管理「Interstage Application Development Cycle Manager」を適用。開発資産を一カ所で管理することにより集約作業を自動化し、集約ミス0件、テスト・集約工程25%短縮を実現。また、内部統制にむけて、開発資産とともに開発作業履歴の管理も可能になりました。
プログラムと同時に変更のプロセスも管理できる「Interstage Application Development Cycle Manager」に、運用管理ソフトウェア「Systemwalker」を組み合わせることで、アプリケーション開発・テスト、受け渡しから受け入れ、配付・適用、結果確認まで一連のライフサイクルを一貫して管理できます。
Interstageは、グローバルマーケットにおいても豊富な実績を重ねています。特に、前述の「Interstage Business Process Manager」とともに、世界的に注目度の高い製品が、XBRL(注1)財務データ管理(登録、検索、参照)に関わる業務を支援する「Interstage XWand」です。財務データのXMLベースによる標準化が世界的に進められる中、「Interstage XWand」の活用領域は、国内外の金融機関はもとより企業や一般投資家などにも拡大しています。
(注1)XBRL (eXtensible Business Reporting Language): 財務情報を作成・流通・利用するためのXMLベースの国際標準言語
「かつてないほど経営環境が厳しい時代だからこそ、人を主役に、プロセスとITの継続的改善により革新体質をつくっていくことがとても大切になります。無駄を省き、効率化を進めることでコスト削減をはかりながら、その一方で競争力の向上や社会的責任の遂行、地球温暖化対策への貢献などの経営課題を解決していく。こうした革新体質の鍵となるのが全体最適です。」(新田)
富士通のミドルウェアは、全体最適にむけて見える化をはかり、業務改善のサポートをおこなうとともに、プラットフォームを活かしお客様の企業価値を高めるべく製品やサービスの拡充をはかっていきます。今後も、SOAに基づく先進的かつ実践的なミドルウェアのご提供を通じ、お客様企業の成長に貢献してまいります。
(注) 本ページに記載された内容は、掲載日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
日時: 2009年12月1日(火曜日) 14時~16時20分
場所: Platform Solution Center (東京)
日時: 2009年12月3日(木曜日) 14時~16時40分
場所: Platform Solution Center (東京)
日時: 2009年12月10日(木曜日) 15時~17時
場所: Platform Solution Center (東京)
(注)開催日以降または満員等により上記セミナーは予告なく締め切らせていただくことがございます。あらかじめご了承下さい。
業務プロセスの見える化・自動化:
業務の監視・分析:
エンタープライズ・サービスバス:
Webフロントアプリケーション構築基盤:
アプリケーションライフサイクル管理:
XBRLミドルウェア:
データ蓄積ソフトウェア:
パソコンの資産管理、セキュリティと省電力対策:
サーバの自動化・可視化ソフトウェア: