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富士通フォーラム2008 セミナーレポート 富士通 運用管理の諸課題を効果的に解決!ITIL対応とCMDB装備のSystemwalker 富士通 株式会社 ソフトウェア事業本部 システムマネジメント・ミドルウェア事業部長 新田将人

システムの全体最適化に向けて、ますますその存在感が高まる運用管理――。5月15日、5月16日の2日間、東京国際フォーラムにおいて開催されたイベント「富士通フォーラム2008」において、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)の実践に向けた取り組みの考え方と効果が紹介された。講演者の富士通 ソフトウェア事業本部 システムマネジメント・ミドルウェア事業部長 新田 将人は、導入事例を交えながら、「Systemwalker」が運用管理の最新課題の解決に威力を発揮することを示した。

[2008年6月3日掲載]

ITILベースの運用管理ツールとCAPDoサイクルで運用改善を達成

ITIL V3時代の運用管理はどのように行えばよいのか――。そのためにはどのようなソフトウェアが必要になるのか――。演壇に上がった新田 将人は、まず、富士通のミドルウェアが「ビジネスプロセス管理」「運用管理」「情報統合・活用」「仮想・グリーン」の4領域をカバーしていることを紹介。この中で運用管理には、「IT全般統制への対応」「サービス品質の向上」「システム全体の最適化」という3つの課題があることを指摘した。

IT全般統制への対応は、有価証券報告書を発行する企業に対して日本版SOX法(金融商品取引法)の内部統制規定が求めているもの。運用管理の領域では、例えば、システム変更が正しく行われたことを保証するための仕組みを確立することがIT全般統制の具体的目標の一例となる。また、サービス品質向上の主要テーマは、顧客満足度を高めること。そのためには、レスポンス悪化の原因究明を迅速化したり、データセンターにおける運用作業の品質を高めたりする体制を整えておくことが欠かせない。さらに、複雑化が進むシステムを担当する運用者には、システム全体を最適化するのに役立つ管理ツールが必要だ。

これらの課題解決には、目標を決めて日々の運用を改善し全体最適を目指すITILの適用が有効だ。課題解決にあたって、一般には、プロセスの検討や計画(Plan)から入ることが多い。ただし、そうしたPDCAサイクル本来の進め方では多大な時間と手間がかかるのも確か。新田は「当社は、現状の見える化から着手するCAPDo、つまり、Check-Act-Plan-Doのサイクルをお勧めしています」と語り、現状把握から入る進め方を提案した。運用改善の目標となるのは、レスポンスタイムや復旧時間などを定量的に記述したSLA(Service Level Agreement)(図1)。その目標に至る改善活動を効率的に進めるには、まず現状を把握(見える化)し、その結果に基づいてプロセスを手直ししていく方法が現実的・効果的なのである。

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【図1:ITILベースの運用管理で「IT全般統制対応」「サービス品質向上」「システム全体最適化」の各課題を解決。
富士通はCAPDoサイクルを推奨】

ITIL V3対応の運用管理に向けてCMDBに運用/システム情報を格納

Checkフェーズにおける見える化は、「IT全般統制への対応」「サービス品質の向上」「システム全体の最適化」の3課題に対して、「システム変更の見える化」「サービスレベルの見える化」「システム全体の見える化」の3通りで実行することになる。

「システム変更の見える化」のねらいは、運用管理者のプロセスと作業実績を「CMDB」(構成管理データベース)に登録することによって、「システムが正しく変更されたことがわかる」ようになること。この見える化を支援するのが、富士通の「Systemwalker IT Process Master」だ。また、「サービスレベルの見える化」では、「システムが正しく稼働していることがわかる」ことでサービス品質の向上を目指す。「Systemwalker Service Quality Coordinator」や「Systemwalker Availability View」を利用すると、傾向分析、過去との比較、計画との対比によってシステムの正常稼働をデータで示せるようになる。一方、「システム全体の見える化」では、「企業内の各種システムの状態がわかる」ことでシステム全体の最適化を追求。そのためのツールとなるのが、「Systemwalker Centric Manager」「Systemwalker Desktopシリーズ」「Systemwalker Resource Coordinator」だ。

以上のSystemwalker 製品は、ITILの最新版であるITIL V3にもいち早く対応している。ITIL V2では、プロセスごとの最適化を目指したのに対し、ITIL V3では「プロセスとインフラ管理の連動」と「ライフサイクルアプローチ」を重視。この進化に応えるために、Systemwalkerも、プロセスとインフラに関する情報を格納するためのCMDBを中核に据え、ライフサイクルアプローチに基づく見える化と運用管理を実現する運用管理ツールへと進化したのだ。

このSystemwalkerのCMDBに格納される情報は、プロセスにかかわる運用情報とインフラにかかわるシステム情報に大別できる。運用情報に含まれるのは設計情報やプロセス情報、システム情報に含まれるのは構成情報やログ情報など。運用情報とシステム情報の全体を関連付けるための仕組みとして、共通データモデルも併せて格納される。

一方、他社製のものを含め、複数の運用管理ツールの管理情報を一元的に統合できることも、SystemwalkerのCMDBの特長だ。「Federationという仕組みを採用することにより、様々な運用管理ツールの管理情報も一元的に扱えるようにしました」と、新田。富士通はCMDBの標準化を策定する団体「CMDB Federation Workgroup」に国内から唯一参加しており、2007年6月にはCMDB Federation Workgroup内での相互接続の検証も完了している。

数多くの事例が示す成功パターン、運用管理の見える化にSystemwalker

続けて新田は、このようなITIL V3ベースの運用管理をSystemwalkerですでに実施している事例を紹介。

システム変更の見える化の事例として紹介されたのは、某省庁のシステム変更履歴管理システム。「従来は紙ベースで行われていた運用管理作業をSystemwalker IT Process MasterのCMDBに基づく方式に改めることによって、作業状況がわからない、予定通りの変更ができたか確認できない、変更の履歴管理ができていないといったお客様の課題が解決しました」と、新田は成果を説明した(図2)。

【図2:紙ベースの方式からCMDBに基づく運用管理方式に改め、システム変更履歴の見える化を実現】

また、ある金融会社では、2,000台のサーバと5万台のクライアントPCについて、顧客満足度に直結するレスポンスタイムの見える化にSystemwalker Service Quality Coordinatorを核とするシステムを採用。システムリソース(CPU、メモリ、ディスク)の使用量とミドルウェア(アプリケーションサーバ、データベースサーバ)の稼働状況を14種類の日報、7種類の週報、5種類の月報として出力したり、過去の性能データとの比較に基づいてトラブルの予兆を監視したりといった運用を可能にした。さらに別の金融会社では、複数のシステムを1つのデータセンターに集約して異なるベンダー間の情報を共通化することによって、システム全体の運用コストを効率化することに成功したという。

セッションを締めくくるにあたって、新田はSystemwalkerの普及状況とロードマップについて言及。2006年度の出荷金額ベースのシェアで国内トップ(ミック経済研究所調べ)、2008年3月末現在の累積ライセンス数は575万本に達したという。ロードマップには、アプリケーション管理やビジネス管理の充実に向けた機能強化のほか、消費電力の見える化、中堅企業向け運用管理ソリューションなども載っていた。

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