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連載全体最適を支えるSOAミドルウェア

[第6回]
業務状況を監視・分析し、問題の早期発見と改善を支援
- Interstage Business Process Manager Analyticsによる
業務プロセスの改善 -

業務プロセスの効率化がなかなか進まない、情報収集に時間がかかり問題への「気づき」や「対処」が遅れがちになってしまう、重要な情報を見落としてしまう……。このような日々の業務で発生する問題の、早期発見と改善を可能にするのが「Interstage Business Process Manager Analytics」です。富士通の提唱するSOA導入パターンの1つ「業務プロセスの改善」を担うミドルウェアの1つであり、既存システムに手を加えることなくリアルタイムに業務状況を共有することから、全体最適を目指します。個々のシステムから横断的に情報を収集し、「見える化」を実現する「Interstage Business Process Manager Analytics」。今回の特集では、その3つの特長「業務状況の監視・分析」「アラート機能」「導入の容易性」を中心にご紹介します。

[キーワード] SOA、業務プロセスの改善、BPM、見える化、アラート、ボトルネック、モニタリング、予兆監視

[2009年2月2日掲載]

求められる業務観点の効率化

現在では企業内の主要業務の殆どはシステム化されており、その業務ごとに省力化や効率化が進められてきました。一方、業務とは個々に独立し、閉ざされた環境のみで行われるものではありません。他の業務と関連し、相互に連携することにより進められていくものです。そのため、業務システムも個々のシステムとして捉えるのではなく、複数の業務システム全体を1つの業務システムとして捉え、連携していくことが必要です。

業務が関連しあっているにもかかわらず、業務システムが独立して構築されてきた結果、個々の業務には適していても、全体を通して見直すと業務システムの連携に課題があるケースが見られます。業務どうしの連携を人の作業で補っているため、業務プロセスの効率化やスピードアップが進まない原因となっていました。このケースではボトルネックや停滞要因(承認の放置・遅延など)が発生していても把握できず、問題の気づきも対処も遅れてしまうのです。

例えば、需要に見合った適切な生産を行うためには、正確な受注管理が前提となります。しかし、受注管理システムと生産管理システムが別々に構築された場合、それぞれの業務で扱うデータには関連性があるにも関わらず、システム間でデータを相互利用できず、生産過剰やその逆が発生しがちです。このほか、事業所ごとに在庫管理システムがあると、その集計管理が人の作業にまかせられ、判断基準にばらつきが出たり、リアルタイム性を欠くといった問題が起こり、結果として全社を通して適正な在庫の確保に支障が出ることになります。

個々の業務システムの完成度は高くても、それら業務を結びつける機能が充分ではありませんでした。企業の業務全体を把握するための「見える化」ができなかったのです。

見える化を実現する
「Interstage Business Process Manager Analytics」

企業の業務全体を把握し「見える化」する手段として、ERPを導入して既存システム全体を刷新することが考えられます。しかし、このようなビッグバン的な手法を論じられても、多くの企業にとっては期間やコストの面で現実的ではないでしょう。

そこで富士通は、既存システムを可能な限りそのまま活用して、業務全体の「見える化」を実現し、改善につなげるミドルウェアとして「Interstage Business Process Manager Analytics」を提供します。

本来は関連性のある業務でも、管理システムが別々に構築され、それぞれ最適化されている場合、業務の「見える化」を実現するためとはいえ、稼働中の現行システムにプログラム変更を加え、業務データを収集する改造をしなければならないのは、リスクもコストも無視できない問題です。

「Interstage Business Process Manager Analytics」はさまざまな業務システムから情報を収集するセンサーを用意することで、この問題を解決します。これらセンサーをアドオンするだけで、既存システムに手を加えることなく、業務の進捗状況を確認したり、業務データを収集したりすることができます。

また、在庫不足など、発生した問題や予兆を知らせるアラート機能、そして既存システムへのスムーズな導入を可能にするユーザビリティに優れた操作性などの特長があります。

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【図1 : 業務全体の「見える化」を実現する「Interstage Business Process Manager Analytics」】

業務状況の監視と分析

1つめの特長は「業務状況の監視と分析」です。「Interstage Business Process Manager Analytics」は、業務の流れと業務データの両方を監視・分析する機能を備えており、これによって業務全体の「見える化」を実現できます。

業務プロセスの進行状況に着目して監視

業務にはプロセス(手順)があり、これを効率的に進めることが生産性の向上につながります。しかし、中には何らかの原因で停滞、あるいは中断してしまっているプロセスがあるかもしれません。

そこで、業務プロセスを自動実行するInterstage Business Process Manager(業務プロセスの実行基盤)から情報を得て、「Interstage Business Process Manager Analytics」により実行履歴を監視・分析し、業務プロセスのボトルネックやリードタイム/業務量などを見える化します。得られた情報をビジュアルに表示できるため、問題点の発見や分析が容易に行え、業務プロセス改善に役立てることができます。

≪関連記事≫ 業務プロセスを「見える化」し改善サイクルを加速する [2008年7月22日掲載]

【図2 : 業務の流れの監視と分析】

特定データに着目して監視

業務プロセスの進行状況監視のほかに、「特定データ」に着目して監視することもできます。特定データとは、企業実務で必要とされるビジネスデータのことで、一般的な仕事では伝票などがあげられるでしょう。例えば「Interstage Business Process Manager Analytics」は伝票の中の注文された量を毎回集計し、蓄積したデータをもとに分析し、異常値を監視することができます。

具体的には、注文量と在庫量を比較し、注文量が一定値を超えたら在庫が切れそうだと自動で判断したり、通常ありえない取引金額や大量オーダーが入った場合にリアルタイムで異常を知らせたりなど、実際の伝票の数値や引き渡されるデータに着目して監視することができます。

これらの情報は、集計してグラフで表示したり、ドリルダウンによりさらに明細表示したりすることもできます。

【図3 : 業務データの監視と分析】

問題を未然に防ぐアラート機能

2つめの特長は、アラート機能です。問題発生をリアルタイムに検知できるとはいえ、それを担当者が常時監視し続けるのは現実的ではありません。また、問題が起こってからではなく、起こる前の予兆段階でアラートを発生させる、さらには問題に自動的に対処することで、業務の停滞や中断を防ぐことができます。

異常の予兆を監視

業務データのしきい値を設定し、その値との比較でアラートを発生させます。複数システムの各々の値を関連付けてしきい値とするなど、複雑な監視条件を設定することもできます。例えばコールセンターへの受付件数と技術部門での完了報告件数の差における未処理率が一定の値を超えた場合に、アラートを発生させるといったことができます。

時間軸を考慮した業務プロセス違反も検出可能です。本来なら処理A→処理B→処理Cの手順で行わなければならない業務プロセスで、A→Cの順番で処理が続いた場合は問題が生じているとして、アラートを発生させます。例えば、コールセンターでの受付処理のあと技術部門での調査・報告業務と手順が続きますが、調査完了する前に報告があがった場合、業務プロセス違反として検出することができます。

部門をまたがった複数のシステムによる複雑な条件を設定しても、素早く正確に判定できる、高精度な機能を搭載しています。

さまざまなアラート通知

発生したアラートは、担当者にメールで通知できるのはもちろん、アラート全体を把握できる一覧にして内容や重要度などをわかりやすく表示することもできます。

また、アラートの種類に応じて、後続処理に必要なプロセスのアプリケーションを自動起動することも可能です。具体的には、在庫がしきい値を下回った場合は、自動的に発注システムを起動させて、発注をかけるといったことができるため、早急な対処を行うことができます。

【図4 : 早急な対処につなげるアラート方法】

導入の容易性

3つめの特長は、既存システムへの導入の容易さです。「Interstage Business Process Manager Analytics」は既存システムに手を入れることなく導入することができますが、それは表1のような各種センサーを標準装備しているからです。豊富な種類と高度な機能がお客様から評価されています。

【表1 : 業務システムと接続可能な「センサー」を標準装備】
名称 機能
BPMセンサー Interstage Business Process Managerと連携するセンサー。プロセス分析・監視時に使用。
ESBセンサー Interstage Service Integratorと連携するセンサー。
エンタープライズ・サービスバスを流れる業務データを監視・分析。
CSVセンサー CSVファイルからデータを抽出するセンサー。フラットテキストにも対応。
RDBセンサー 業務DBからデータを抽出するセンサー。Symfoware, Oracle, SQL Server に対応。

このセンサーの設定を含め、「Interstage Business Process Manager Analytics」の既存システムへの導入は、以下の3ステップで進めていきます。

  1. 最初に、使用したいセンサーを各業務システムにアドオンし、どのシステムからどのようなデータを取得するかを指定します。既存システムに手を加えることなく、スピーディな設定が可能です。
  2. 次に、モニタリング処理の設定です。業務状況を監視するしきい値などの監視条件(ルール)を設定します。ここで設定した条件を満たすと、問題発生としてアラート通知を行うことになります。また、収集した情報をもとに、例えば週当たりの売上額を求めるなどの集計方法も簡単に設定できます。
  3. 最後に、問題が起こった際、どういう通知をするかを設定します。発生したアラートの種類に応じて、メール送信を行うか、あるいはアプリケーションを起動するかを設定します。これら設定は用意されているテンプレートから選択して簡単にできます。また、業務状況のグラフ表示にも対応。グラフには棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなどが用意されており、業務状況の判断や分析を支援します。

これらの設定作業はいずれもGUIツールを用いて簡単に行うことができます。

【図5 : GUIツールにより簡単に設定】

「Interstage Business Process Manager Analytics」は、既存システムを有効活用しながら、横断的に情報を収集し、業務の流れや状況の「見える化」を促進する有効なミドルウェアです。この製品の導入により、現状の業務上の課題を解決しつつ、「業務プロセスの改善」を推進し、全体最適化の実現へと近づけることができます。

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