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連載Systemwalkerによる「見える化」から始める運用の改善

[第3回]
お客様満足の向上に貢献する「サービスレベルの見える化」

運用の課題を解決するためのプロセスとして富士通が提唱する、現状把握(見える化)から始めるCAPDo(Check-Act-Plan-Do)――。ITILに基づく運用改善によって目標とするサービスレベル(SL)を達成するには、まず、「システム変更の見える化」「サービスレベルの見える化」「システム全体の見える化」の3つの見える化から始めることをお勧めします。このうち、昨今は運用管理の重要テーマとして認識されるようになった「お客様満足」の向上に貢献するのが、「サービスレベルの見える化」。富士通の運用管理ソフトウェア「Systemwalker Service Quality Coordinator」と「Systemwalker Availability View」の2つのツールを使えば、サービス品質の低下を予兆の段階で検知して可視化することで、原因の究明と適切な対策の実施が可能となります。加えて、IT投資の効果判定や将来予測、サービス品質目標の予実管理も行うことができます。

[キーワード]ITIL、サービス品質、サービスレベル、Service Level Agreement(SLA)、お客様満足、見える化

[2008年8月18日掲載]

高いサービス品質を継続提供し、お客様満足を向上する

経営とITシステムとが密接な関係を持つようになった昨今では、お客様満足を向上させることも運用管理に求められる重要な役割といえます。たとえば、ショッピングや予約システムなどのオンラインサービスを提供する企業にとっては、利用者が望むサービスを快適に享受できる環境の実現が「満足」につながるといえます。オンラインショッピングサイトを例にあげれば、商品の閲覧から注文に至るまでの一連の操作がストレスなく行われることを、システム運用としてサポートすることが必要です。欲しい商品を見つけることが容易で、商品明細画面に短時間に移動でき、選択した商品を素早くショッピングバスケットに投入して、注文/決裁処理までを完了。この間で待ち時間が発生すると「お客様満足」には至りません。

サイトの訪問客が急増したり、注文が殺到したとしても、最適なお客様サービスを 提供するために、運用管理の立場でできることは何か――。それが、プレゼンテーション層(Webブラウザ)、ビジネスロジック層(アプリケーションサーバ)、データアクセス層(データベースサーバ)のそれぞれについて、レスポンス(応答時間)が常に一定値以下となるような運用管理をすることです。

そこで重要になるのが、お客様が利用しているシステムのレスポンス低下の兆候とその原因を早期に突き止め、目標通りにサービス品質を提供し続けること。この課題を達成するには、運用管理のグローバルスタンダードであるITIL(IT Infrastructure Library)に基づいて運用を改善し、目標のSLA(Service Level Agreement)を確保するためのプロセスが欠かせません。その具体的な取り組みとして、富士通は「現状把握(見える化)から始めるCAPDo(Check-Act-Plan-Do)」を推奨しています。

こうしたサービスレベルの見える化を支援するための運用サービス管理ソフトウェアとして富士通が提供しているのが、キャパシティ管理の「Systemwalker Service Quality Coordinator」とサービスレベル管理の「Systemwalker Availability View」。どちらも、各サーバから収集した「人・作業」「アプリケーション」「システム」についての情報を運用管理の視点からわかりやすく表示するとともに、傾向の分析、IT投資の効果判定と将来予測、SLA値との比較などの作業を自動化するために開発されたミドルウェア製品です。

統合運用管理ソフトウェア Systemwalker

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稼働性能の低下を予兆段階で検知し、ドリルダウンで問題個所を特定する

重大トラブルの過半数(58%)は稼働性能が徐々に低下していくスローダウンに起因するとの調査結果(注1)があります。ですから、サービス品質を確保するためには、まずスローダウンの傾向を予兆の段階で把握し、運用管理者が的確な判断を下すことができるようにすることです。その際に有効な手段となるのが、リソースの使用状況やエンドユーザーのレスポンス状況を可視化するSystemwalker Service Quality Coordinatorのキャパシティ管理機能です。この機能では、管理対象サーバに組み込まれたAgent(エージェント)からの性能情報を管理サーバ内のManager(マネージャー)が性能情報データベースに蓄積した上で、過去の性能情報データと比較しながら傾向を分析。その結果を、グラフなどの見やすい形式で表示する仕組みになっています(図1)。また、ドリルダウン機能を使うことで、個々のリソースの詳細分析から因果関係を判断して問題個所を特定するまでを、短時間で実現することができます。

(注1)富士通社内調査

【図1 : キャパシティ管理機能によって性能低下の予兆を検出。
レポートで問題個所を特定し、対策を実施してから、さらに予兆監視を続ける】

管理対象サーバの多種多様な稼働情報のうち何を収集するかは、富士通から提供されるテンプレートを利用して指定すれば簡単です。サービス品質管理の目標レベルに応じて、稼働情報の集計単位は、1日/1時間/10分/1分の4つのレベルから選択できます。

キャパシティ管理機能によって性能低下の予兆を検知した後は、1,200種類以上の多彩なレポートを参照して問題の原因がどこにあるかを究明します。その結果に基づいて適切であろうと考えられる対策を実施し、対策の効果を確認するために実施前と実施後の傾向を比較、そしてサービスレベルの指標を見直していくというプロセスサイクルを回していくことになります。

稼働性能の時系列比較でIT投資の効果を判定、IT投資計画の予測データ作成が可能

さらに、Systemwalker Service Quality Coordinatorでは、性能情報データベースを利用したITリソースの将来予測も標準機能だけで行えるようになっています。たとえば、CPU使用率や処理量などの稼働性能が増設前と増設後でどれだけ変化したかを数値とグラフで可視化することで、ITの投資効果があったかどうかを判断することができます。

また、Systemwalker Service Quality Coordinatorには、長期的なIT投資計画を立案するための将来予測を支援するための分析レポートも用意しています。これらのレポートでは、性能情報データベースに時系列で蓄積されている稼働性能情報を基に、回帰分析や相関分析などの統計的手法に基づき稼働性能予測をグラフ化できます。「現状のITリソースでいつまでやっていけるか」「何年後に増強が必要になるか」などを明らかにしてくれます(図2)。将来予測のための分析に必要なノウハウは不要です。将来の稼働性能やサービス品質の予測値をわかりやすいグラフで表示することで、キャパシティプランニングを支援します。

【図2 : 回帰分析や相関分析などの統計的手法に基づく予測レポート。
ITリソースの増強が必要になるのはいつかを知るのに役立つ】

サービス品質の予実を比較して、差異と推移予測を表示

一方、サービス品質には、狭義の運用管理における管理目標としてだけでなく、外部に提供する情報サービスの良否を示す指標としての役割もあります。例えば、商用データセンターでは、サービス品質の下限値を明記したSLAをお客様との契約時に提示し、実績値がSLA値を下回った場合はなんらかの補償をしなければならないのが一般的です。一般の企業でも、情報システム部門がプロフィットセンターやバリューセンターとなり、社内の他部門やグループ企業に情報サービスを「販売」する例が増えてきました。

このような商用データセンターや情報システム部門が必要としているのが、計画通りのサービス品質を顧客や他部門に提供できているかどうかを自己評価し、必要に応じて対策を取れるようにする管理ツールです。Systemwalker Availability Viewの「サービスレベル管理」を利用すれば、サービス品質の目標値(SLA値)に対する達成管理を容易に見える化することができます

Systemwalker Availability Viewは、以下のSystemwalker製品が収集した情報について、サービスレベル管理の視点で目標達成度を表示します。

Systemwalker Availability Viewのマネージャによって集められた結果は、目標達成度別に色分けされたアイコンとともに、管理者用のウィンドウに一覧表示される仕組みです(図3)。アイコンの色は、次の意味を表しています。

【表1 : サービスレベルを表示するアイコン一覧】
アイコン 意味
すべての項目で期間内の値が目標を達成している
85%以上の項目で期間内の値が目標を達成している
85%未満の項目しか期間内の値が目標達成できていない
リスク指標が100項目あり(上記の緑黄赤より優先して表示)

【図3 : サービス品質目標値(SLA値)の達成管理を支援するサービスレベル管理機能の管理コンソール】

さらに、目標達成への推移を判断するために「日ごとの値/目標値」「目標達成に必要な値」「リスクの推移」「最高値での予測」などの詳細データも参照可能です。これにより、期間内に目標達成できるかどうかを数値を元に判断することができます。


今回は、サービスレベルの見える化に役立つ富士通のミドルウェア製品の主な機能についてご紹介しました。これらのツールを活用することによって、目標とするサービス品質を長期にわたって維持することが可能です。その結果、お客様満足を向上するという経営目標も達成されることになります。

次回は、連載の総まとめとして「システム全体の見える化」と、それを可能にするSystemwalker製品について取り上げます。

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