

[2007年11月29日掲載]
富士通はSOAをベースにしたシステム基盤の構築へのアプローチとして、「サービス間連携」「プロセスを起点としたサービス利用」「フロントにおけるサービス利用」という3つの適用パターンを掲げています。第1回では「サービス間連携」にフォーカスして、システム連携を容易に実現するサービスバス「Interstage Service Integrator」およびSOAガバナンスの中核として多様なサービス情報を一元管理するサービスリポジトリ「CentraSite」についてご紹介しました。今回は「プロセスを起点としたサービス利用」を行い、BPM(Business Process Management)を支援するためのミドルウェア「Interstage BPM Flow」と「Interstage BPM Monitoring」について説明します。
BPMとは、Plan-Do-Check-ActionというPDCAサイクルを通じて業務プロセスの問題点を発見し、継続的に業務改善していく取り組みです。その際に、人間の行う作業とシステム動作の両方を含んだプロセスをフロー化して、多様な業務の流れを統合的に管理することがポイントになります。一方、システムのSOA化というと一般にサービス連携という視点ばかりが注目されていますが、いわゆる「プロセスを起点としたサービス利用」を実現することもSOAの一つの形態です。これにより、業務プロセスの組み替えが容易になり、新たなビジネスニーズに伴う業務プロセスの構築も迅速に行なうことができるようになります。さらには、統制されたサービスを利用することで、業務プロセスの統制も可能となります。このように、人間とシステムが処理するプロセスをIT化し、業務プロセスの効率化とビジネスの変化に対応するBPM(ビジネスプロセスマネージメント)にSOAの考えを取り入れることが重要となります。

【BPMにSOAの考えを取り入れることが重要】
BPMシステムの構築に当たっては、まずプロセスの可視化と業務状況の可視化が必要になります。このプロセスの可視化を担うのが「Interstage BPM Flow」であり、業務状況の可視化を担うのが「Interstage BPM Monitoring」です。これらにより業務プロセス全体の状況を把握することができ、ビジネス環境の変化に対して柔軟かつ迅速に業務とシステムの改善点を明確化することができます。

【業務プロセスの問題点を発見、改善していくPDCAを支えるInterstage】
業務プロセスの管理と自動化:Interstage BPM Flow
業務プロセスのモニタリング:Interstage BPM Monitoring
BPMの有用性は、業務のプロセスと状況を可視化するだけでなく、より効率的なプロセスのモデリングや制御管理を行い、業務の流れを自動化することにあります。そうした業務プロセスの管理と自動化を実現するのが「Interstage BPM Flow」であり、その大きな特長は、人間の作業と業務システムの動作を統合して管理できるということです。
業務プロセスの多くには、受注、製造指示、調達、出荷指示などの人間が行う作業があり、それに基づいて販売システムや生産システム、物流システムなどが処理するという一連の流れがあります。Interstage BPM Flowは、これらの個々の業務システムをサービスとしてとらえ、そうした業務オペレーションとそれに伴う業務サービスの処理を統合してシステム化し、多様なプロセスを制御することができます。
例えば、承認作業は承認/否決の処理を簡単なルール設定で行うことができ、その結果によってサービス側の処理を制御するなど業務プロセス全体をフロー化することができます。また、業務プロセスから、Webサービス化され各システムに分散配置された業務処理やユーザーが作成した業務サービスを呼び出すことが可能です。
一方、業務プロセスの管理では、業務の滞留を防止するエスカレーション機能も重要です。Interstage BPM Flowの機能では、承認処理などの作業が滞って規定時間を過ぎた場合など、処理を促すメールの送信や承認者が不在のときに別の担当者に作業を振り向けるといったこともできます。
Interstage BPM Flowには、人間の作業とサービス処理を含んだ業務プロセスの定義を直感的な操作で設計できるビジネスプロセス設計ツールが付属していることも特長の1つです。このツールのGUI画面からプロセスの制御部品を選択し、ドラッグ&ドロップすることで、一連の業務プロセスのフローを効率的に作成することができます。設計ツールの画面では、「お客様」「営業」といった組織や作業をグループ化できるので、プロセスの流れや処理がわかりやすく、実際の業務担当者とシステム開発者が会話しながら業務プロセス設計や改善を行うことができます。
さらに、サービスリポジトリ「CentraSite」で一元管理されたサービス情報をInterstage BPM Flowの業務プロセス定義で利用することができるため、簡単に業務プロセスを定義することができます。また、作成した業務プロセスの定義をサービスリポジトリに格納することで、業務プロセス定義の公開、再利用および、業務サービスと業務プロセスの関係の管理を行なうことが可能です。このようにSOAを適用することで、ガバナンスが強化され統制のとれたシステムを実現することができます。
≪関連記事≫
連載第1回 「容易なシステム連携とサービスの一元管理を実現するサービスバス&サービスリポジトリ」 [2007年11月1日掲載]
サービス情報を一元管理 SOAガバナンスを確立するサービスリポジトリ

【直感的な操作で、業務プロセスの定義設計が可能】
業務プロセスのモニタリングツールであるInterstage BPM Monitoringは、業務プロセスの実行状況や異常を、時系列のイベントやログを用いてタイムリーに監視することができます。これにより異常状況へのアクションの迅速化や効率化のためのシステム改善を容易に行うことができます。
業務状況のアラート監視機能では、例えば検収後1カ月以内に支払処理が行われていない、あるいは売り上げが2週にわたって目標金額に達していないといった場合に、その異常を検知して即座に担当者に通知したり、アプリケーションを呼び出してアクションを自動化したりできます。こうした異常監視は、単純な指標を検知条件にしながら、複数のイベントの順番や発生間隔などの関係性を条件に設定することで、複雑なルール作成も可能にしています。

【イベントの関係性を考慮した条件設定で複雑なアラート監視が可能】
Interstage BPM Monitoringには、このような業務プロセスの実行状況やサービスバスを通過する業務データ、データベースのレコードなどを監視するセンサーがあります。要件に応じて監視結果を見たい、あるいは通知が欲しいといった要求に対して、ダッシュボードやメールなどさまざまな形式で対応できます。
「プロセスを起点としたサービス利用」を行うことで、業務プロセスの現状または将来像をモデリング化・IT化し、継続的に運用管理・性能分析を行ってプロセスを改善し、最適な業務プロセスを見出すといった一連のライフサイクルを管理する仕組みを構築できます。その結果、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できるシステム構築と迅速なプロセス改善・システム改善を実現することができます。
次回は、変化するビジネス環境に柔軟に対応するための「フロント統合」についてご紹介します。

第1回 「容易なシステム連携とサービスの一元管理を実現するサービスバス&サービスリポジトリ」[2007年11月1日掲載]
第2回 「業務プロセスの可視化によりビジネスの要求の変化に柔軟に対応する」[2007年11月29日掲載]
第3回 「フロントから始めるSOA」[2007年12月21日掲載]
≪関連記事≫
PDF Interstage BPM カタログ
(1,053KB、A4・8ページ)
業務プロセスの管理と自動化:
Interstage BPM Flow
業務プロセスのモニタリング:
Interstage BPM Monitoring