
[2008年1月25日掲載]
IT全般統制を行う上で、「システムの運用・管理業務が適切に行われていない」ことは重大なリスクとなります。このリスクの一つの要因と考えられるのが、管理者やオペレーターによる手作業に多くを委ねてしまうことです。人間は必ずミスを犯します。ゆえに運用管理業務に属人的なスキルや人手による作業を持ち込むことは、IT全般統制を考慮すると好ましくありません。このリスクを回避するためのツールとして富士通が提供しているのが、システムの自動運用とジョブのスケジューリングの機能を提供する「Systemwalker Operation Manager」です。このツールを導入することで、内部統制が求める標準化(業務記述書/業務フローチャート)の手順に則ってバックアップジョブなどを確実に実施できるようになります。
コンプライアンス(法令遵守)と企業の社会的責任(CSR)への対応が企業の業績を左右するようになった現在、内部統制を確立することは企業の重要な経営課題となりました。経営方針や経営戦略を立てる経営者層には全社のレベル統制を、業務を遂行する業務部門層には業務プロセス統制、システム部門層には業務プロセス統制をITの立場で下支えするIT全般統制が求められているのです。
このIT全般統制を全うするには、ITシステムの運用管理を「システムの開発、変更・保守」「システムの運用・管理」「システムの安全性の確保」の三つの視点で監査・評価することが不可欠です。システムの運用・管理の視点では、業務の起動・リカバリやバックアップなどの処理が規定どおりに実行されていることを保証する仕組みが求められます。システム運用の自動化とジョブスケジューリングを行う「Systemwalker Operation Manager」は、そうした作業を自動化することによって確実な実行を保証し、その結果を評価・監査するための重要なITツールとなります。

【システム運用の自動化・ジョブスケジューリングを担当するのが
Systemwalker Operation Managerです】
運用管理の世界では「自動運転」や「自動運用」といった考え方はかなり以前からありました。しかし、当時の自動化は属人性の排除による省力化、効率化、オペレーションミス撲滅をねらったものであり、IT全般統制が目的ではありませんでした。
一方、Systemwalker Operation Managerが目指しているのは、業務スケジューリング、業務運用、実績管理というサイクルを回しながら業務の安定稼働を実現することです。IT全般統制の観点からは、属人性や人手介入を排除することによって、内部統制の業務記述書/業務フローチャートで標準化された手順を確実に守れるようにすることが自動化の目的となります。

【Systemwalker Operation Managerの主な目的は、業務の安定稼働。
IT全般統制の視点では、内部統制によって標準化された業務手順を確実に守れるようにすることが自動化のねらい】
Systemwalker Operation Managerのこのサイクルでは、まず、自動化する業務のスケジューリングを行います。オンライン業務などでは、時刻を決めて処理を開始・終了させるのが一般的ですが、バッチ業務やバックアップジョブでは他の業務やミドルウェアの開始・終了をトリガーとして自動起動させることが多くなります。Systemwalker Operation Managerのスケジューリング機能は、いずれの自動起動方法にも対応しています。
その後は、毎日の運用管理業務において、スケジュールされた業務が実際にどのように実行されているかを監視します。この監視作業を効率よく行えるようにする目的で、Systemwalker Operation Managerには開始・終了時刻や終了状況などの稼働状況を的確に把握できるようにするビジュアルな監視画面が用意されています。
さらに、日・週・月などを単位とする実績管理には、Systemwalker Operation Managerの備える多様な分析・評価機能が活躍します。
それでは、ここからはSystemwalker Operation Managerの機能の詳細について見ていくことにしましょう。
Systemwalker Operation Managerでスケジューリングの対象となる「業務」には、電源の投入と切断、サービスの開始と終了、業務アプリケーションの起動と停止などがあります。例えば、24時間稼働ではないサーバルームやデータセンターの場合は、業務開始時刻の何時間か前にサーバなどの機器の電源をオンにし、OSや各種ミドルウェア、業務アプリケーションを起動するところまでの自動化が可能です。管理者やオペレーターの手間が省けるだけでなく、標準化された手順によるシステム運用が可能になります。
スケジューリングとそれに基づく自動運転/自動運用は、Systemwalker Operation Manager内に装備されたカレンダーファイルとマスター情報データベースを使って行われます。ジョブネット定義とスケジュール定義は分離されているので、特定日だけ例外的な処理をする「日毎スケジュール管理」にも対応しています。オペレーションミスの多くは、例外処理や一時的変更を行った後、翌日や翌週までに設定を戻しておくのを失念してしまうのが原因と言われています。例外処理や一時的変更を「日毎スケジュール管理」で処理するようにすれば、そうした凡ミスも確実に避けられることでしょう。毎日の業務が何らかの理由で予定した時間内に終わらなかった場合も、日変わり時刻(業務の当日処理と翌日処理の区切りとなる時刻)に「打ち切り」「完了待ち」「並列走行」を自動実行させる「日変わり持ち越し制御」ができるようになっています。

【特定の日だけ例外的な処理を行えるようにするSystemwalker Operation Managerの「日毎スケジュール管理」機能。
マスター情報とスケジュール情報を分離することで可能になった】

【業務が予定時間内に終わらず、日変わり時刻を過ぎてしまった場合も、
「打ち切り」「完了待ち」「並列走行」の対処をSystemwalker Operation Managerに自動実行できる】
ITシステムの運用管理には、監視も重要です。業務がいつ終了するかは処理するデータ量によって変動しますし、場合によっては異常終了してしまうことも想定しておく必要があります。
そうした監視作業を的確かつ効率よく行えるようにするため、Systemwalker Operation Managerには視認性に優れたビジュアルな監視画面が用意されています。メインのウィンドウには、実行待ち、実行中、実行遅延、持ち越し、異常終了、正常終了などの状況を業務別にカラーで表示。ドリルダウンしていけば、ジョブネット/ジョブ別の状況も詳細に把握できます。

【視認性に優れたSystemwalker Operation Managerのビジュアルな監視画面。
メインウィンドウには業務別に状況がカラー表示され、ジョブネット/ジョブ別表示へのドリルダウンも可能】
監視は、ジョブの開始・終了時刻に対しても行えます。予定時刻に起動/終了ができなかったジョブについては、異常終了などと同じように管理者へのアラート通知対象とすることが可能です。また、どの程度まで終了遅れを認めるかのしきい値を設定したり、他業務の終了などをトリガーに自動起動するメッセージ起動型ジョブに強制開始時刻を併せて設定したりすることもできます。
さらに、Systemwalker Operation Managerではサーバ間ジョブ連携機能を利用して、ジョブの「分散実行」や「負荷分散制御」も行えるようになっています。分散実行とは、あらかじめ複数のサーバを「ホストグループ」と定義しておき、ジョブを複数のホストグループ間に分散させることによって処理遅れなどの影響を局所化したり、資源を有効活用したりする方式です。一方、それぞれのホストグループ内でサーバ間のジョブ振り分けを最適化するのが、負荷分散制御です。
IT全般統制の立場からは、リアルタイムに監視をするだけでなく、業務の処理結果を事後にチェックすることも欠かせません。この作業に役立つのが、Systemwalker Operation Managerに備わっているロギング、分析/評価、レポーティングなどの実績管理機能です。ログに記録されている業務開始/終了時刻、エラー事象などの情報を基に業務の遅延状況などを分析/評価機能で取りまとめ、表やグラフを含むレポートとしてまとめることが可能です。
さらに、「Systemwalker Centric Manager」を併用することにより、監査ログのより詳細な分析をすることも可能です。こちらの監査ログ機能の詳細については、下記記事をご参照ください。
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本格化するIT全般統制!Systemwalkerによる証跡管理と運用プロセス管理
連載第2回 「システム全体横通しの証跡管理を実現する」 [2007年8月1日掲載]
最終回の今回は、IT全般統制を確立するための「業務の安定稼働」を実現するSystemwalker Operation Managerの諸機能をご紹介しました。Systemwalker Operation Managerはジョブネット定義とスケジュール定義を分離して定義できる仕組みになっているので、定常的に行われるジョブを確実に実行できるだけでなく、処理時間の延長や例外処理などにも柔軟な対応が可能。バックアップジョブやその他の重要な業務を標準的な手順によって確実に実行できます。また、業務運用フェーズではビジュアルな監視画面による実行状況の監視と、その後の実績管理のフェーズでのログの分析/評価機能によって、業務の安定稼働を確実なものとします。
これまで4回にわたって「IT全般統制を強化するポイント!」を掲載してきましたが、今回が最終回となります。有価証券報告書を発行している企業に内部統制の実施を義務付けた金融商品取引法(日本版SOX法)が、2008年4月に始まる事業年度から適用されます。富士通のSystemwalkerシリーズは、この法律が求めるIT全般統制の実現を強力に支援してまいります。

第1回 「キャパシティ管理と問題箇所特定/投資最適化」
[2007年10月31日掲載]
第2回 「IT資産管理とクライアントセキュリティ管理」[2007年11月28日掲載]
第3回 「システム全体の統合運用管理」[2007年12月21日掲載]
第4回 「システム運用の自動化により業務運用を統制」[2008年1月25日掲載]
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