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実践事例 沼津ソフトウェア開発クラウドセンター

‐ 仮想化・標準化・自動化によるクラウド化  開発効率化とコスト削減を推進 ‐

富士通の沼津ソフトウェア開発クラウドセンター(以下、センター)では、国内外10拠点、4,500人(2010年3月時点)の利用者に、開発環境を提供しています。センターでは、ソフトウェア開発者やセンター運用者の作業負荷の軽減とコスト削減を目指し、2008年度よりクラウド化を進めています。ここでは、仮想化、標準化、自動化の3つのステップで進めているクラウド化の実践事例をご紹介いたします。

[ 2010年6月11日掲載 ]

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背景

開発者の負担増大

従来、富士通のソフトウェア製品の開発拠点では、開発者が個々にサーバを調達して開発環境を構築しており、OSのセットアップや最新のパッチ適用などを含めると、構築作業だけで1日かかっていました。また64ビット対応や仮想環境などのプラットフォーム拡大に伴い、開発環境構築作業が増加し(2009年度の開発環境のパターン数は2005年度と比較した場合、単純計算で約8倍と推測)、開発者の負担が年々増える状況となり、課題となっていました。

クラウド化実践のポイント

Step1 : 分散した開発環境をセンターに集約・仮想化

この課題を解決するため、最初に着手したのが仮想化です。2008年度より、分散していた開発環境(サーバ)をセンターに集約。集約したサーバを仮想化し、センターに仮想環境を構築しました。サーバ集約により開発者は、サーバ管理の負担が無くなる反面、サーバを手放すことによる不安があります。この不安を解消するため、トップが現場に足を運ぶなどの強い意思表示を示したことが重要であり、現場に、サーバ集約への最初の一歩を踏み出させることができました。また、回線の高速化や最新設備の導入など、仮想環境移行により利便性が向上することを実感してもらい、サーバ集約を推し進めることができました。

センターは、サーバ集約と仮想化により、2010年度末までに、1,800台の開発サーバを900台に削減(50%削減)することを目指しています。


Step2 : 開発環境の標準化(型決め)

次のステップでは、開発者が利用する開発環境の構成と運用手順の標準化にとりかかりました。仮想環境の運用を、センターが集中管理することにより、開発者が利用する開発環境(仮想ゲスト)のパターン(CPU数、メモリ量、ディスク量、OS種の組合せ)が見えるようになりました。348種ほどあった仮想ゲストのパターンの中から、使用頻度の高い51パターンを抽出しテンプレート化(型決め)しました。型決めしたパターンでの開発環境の配備依頼については、仮想テンプレートをクローニングして提供する運用手順にすることで、センターでの開発環境構築に殆ど時間をかけなくて済むようになり、開発者(利用者)はセンターに開発環境の貸し出し依頼をするだけで、直ぐに使える開発環境を利用できるようになりました。


【図1 : 仮想ゲスト貸出しサービスの構築】


【分散していた開発環境(サーバ)をセンターに集約(写真左)
仮想環境構築後のセンター(写真右)】


Step3 : 開発環境の自動配備

ここまでご紹介してきたように、センターでは、2009年度までサーバ集約・仮想化、標準化を実施してきました。2010年度は更に開発環境の自動配備に取り組んでいます。現在、開発環境の貸し出しサービスにおいて、センター運用者が手動で開発環境を配備しているため、夜間や休日の貸し出し依頼に対応できません。この配備の作業を全自動化することで、24時間の貸し出し対応が可能になり、グローバルな貸し出し依頼にも対応できるようになります。また、利用状況を見える化することにより、不用意なリソース確保を抑止し、開発環境利用の平準化を図ります。


【図2 : 自動配備による環境構築作業の効率化】


【図3 : 沼津ソフトウェア開発クラウドセンターの概要】

クラウド化の投資対効果

センターでは、サーバを一括購入することにより共用化を推し進め、設備投資の適正化を図っています。また、事務所からサーバを一掃し、事務所スペースを効率化させました。サーバはセンターで集中管理することにより、開発者を含めた全体のサーバ運用コストを削減しています。2008年度から3年間でクラウド化を完成させ、最終的には、年間7億円のコスト削減を見込んでいます。自動化により開発環境構築をスピードアップ(360分→10分)、更にサーバ台数の削減によりCO2排出量1,340トン/年を削減、環境負荷低減の効果も期待しています。


【図4 : クラウド化の投資対効果】

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