大興電子通信株式会社は最適なICT資産管理体制を整備すべく、富士通の「FUJITSU Software Systemwalker Desktop Patrol」を導入した。
パソコンの運用状況把握、インベントリの自動収集・更新などによって、コンプライアンスとガバナンスの強化および管理効率、情報精度の向上を実現。また、自社の手で短期に構築・運用したことで、ICT資産管理システムの構築・運用ノウハウも蓄積し、お客様へのICTソリューションの提案力強化につなげた。
[ 2014年10月3日掲載 ]
業種: | 情報産業・通信、その他 |
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製品: | ソフトウェア
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1 | コンプライアンス、ガバナンスをより強化したい | BIOS設定など運用状況も管理でき、コンプライアンスとガバナンスの強化を実現 | |
2 | パソコンの資産管理の効率、情報精度を向上したい | インベントリの自動収集・更新によって管理効率、情報精度を大幅に向上 | |
3 | システムは自社の手で短期間で容易に構築したい | システム構築経験にかかわらず1週間以内で構築を実現 |
大興電子通信は個別受注型生産管理システム「rBOM」、専門店向けPOSシステム「RetailFocus-L」などの独自開発パッケージを強みに、製造業と流通業を中心とする2万社以上の中堅・中小企業へICTソリューションを提供する企業である。
マイナンバー制度に関連するソリューションにいち早く着手する一方、海外展開も意欲的に進めている。こうした事業戦略を支え、ソリューション展開を行う上で必要なのが、最適なICT活用のさらなる推進である。
平沢 佳典氏
大興電子通信株式会社
営業推進部 営業推進グループ
マネージャー
同社 営業推進部 営業推進グループ マネージャー 平沢 佳典 氏は「社内では、約1200台のパソコン、約300台のモバイルWi-Fiルータ、約30個のUSBメモリなどを業務で使用していましたが、それらICT資産の管理体制を整備する取り組みを2013年12月に開始しました」と話す。
その狙いとしては「例えば、各パソコンの起動に必須としているBIOSパスワードの設定も、全パソコンの稼働状況を把握できれば徹底できます。漏れをなくすことで、セキュリティを高めることが可能です。そのようなICT資産管理を通じて、コンプライアンスとガバナンスをさらに強化します」と語る。
ICT資産の管理効率と情報精度向上も狙いのひとつだ。
同社 経営企画室 情報推進グループ 課長 徳永 隆志 氏は「もし、表計算ソフトを用いて手作業で行うとなると、情報収集のためのヒアリングや情報のメンテナンスに膨大な手間を要するでしょう。収集・管理する項目も、使用者の氏名や部署名、機器の型番やシリアルNo.など少数に限られます」と話す。
徳永 隆志氏
大興電子通信株式会社
経営企画室 情報推進グループ
課長
内堀 洋子氏
大興電子通信株式会社
経営企画室 情報推進グループ
ICT資産管理の実務を担当する同社 経営企画室 情報推進グループ 内堀 洋子 氏も「情報が変更された際、手作業だと食い違いや更新漏れが発生する恐れが高く、頻繁に棚卸しが必要となります。それに表計算ソフトだと、複数のファイルに分散してしまい、管理が煩雑になってしまいます」と続ける。
あわせて、ICT資産管理は人に機器を紐付けて管理する方式を求めた。
「機器に人を紐付けた管理だと、機器ごとにその都度ヒアリングが必要です。1人の社員が複数の機器を保有している場合、同じ人に何度も問い合わせることになり、無駄が生じてしまいます」と内堀氏は語る。
さらに今回のシステム構築・運用は自社で行うことにした。
「ICTソリューションを生業とする当社は、社内でソリューションを実践し、強みや弱みを把握した上で、お客様にサービスをご提案しています。今回もこれを機にICT資産管理システムの構築・運用ノウハウを吸収、蓄積しようと考えました」と徳永氏は述べる。
また、ICT資産管理と同時に、支社など別拠点の社員のパソコンをリモートで適切にサポートできる仕組みも整備したいと考えていた。
「仮に、OS標準のリモートデスクトップ機能でサポートすると、操作される側の画面が見えなくなるため、状況の説明などにいちいち電話を併用せざるを得ず、サポート品質や効率が低下してしまいます」と平沢氏は述べる。
大興電子通信はICT資産管理システムを構築すべく、ICTソリューションベンダーとしての観点、ノウハウから複数の製品を比較検討した。その結果採用したのが富士通の「Systemwalker Desktop Patrol」である。
「私たちが必要とする機能がそろっていることですね。ICT資産情報を人に紐付いた形で見える化できることをはじめ、パソコンのインベントリの自動収集・更新の他、周辺機器なども資産管理台帳で一元管理できる機能、パソコンを操作する側/される側が同じ画面を見ながらリモートでサポートできる機能も備わっています」と徳永氏は採用のポイントを話す。
機能面とともに導入実績の多さも高く評価。そのうえ、「富士通なら長期間にわたり、継続的に製品を提供・サポートしてくれます。導入の際、富士通担当者から適切なアドバイスをいただけたことも、心強かったですね」と平沢氏は述べる。
システム構築は富士通の支援のもと、徳永氏と内堀氏が中心となって導入を進めた。
パソコンはインベントリの自動収集により、ハードウェア、ソフトウェアとも人手をかけずに常に正確な情報を把握できる。
「機器の型番やシリアルNo.などに加え、OSの種類、スクリーンセーバーの設定、インストールされているソフトウェアなども新たに管理できるようになりました」(徳永氏)。
モバイルWi-FiルータとUSBメモリ、社給携帯電話といった周辺機器も資産管理台帳で管理。それらICT資産は本社をはじめ全拠点にて、契約社員も含め管理している。
設計から約1週間で管理サーバを構築した後、約1200台のパソコンへのエージェント導入を約2カ月かけて実施し、2014年6月から運用をスタートした。
【大興電子通信株式会社様導入事例 システム概要図】
大興電子通信はSystemwalker Desktop PatrolによるICT資産管理システム導入によって、従来の課題を解決できた。
「パソコンについては、型番などの基本的な情報だけでなく、BIOSの設定など運用状況も管理できるようになったのが大きいですね」と徳永氏は述べる。
モバイルWi-FiルータやUSBメモリなどの周辺機器も一元管理できる。しかも、ICT資産管理体制の整備による社員の意識向上といった副次的な効果も加わり、「この短期間で、コンプライアンスとガバナンスをより強化できました」と平沢氏は強調する。
人にICT資産情報を紐付け見える化を実現したことで効率化を推進し、棚卸しやパソコンの保守、機器の入れ替えなどにかかる工数は大幅に削減した。
「古いOSのパソコンを入れ替える場合、手作業での管理なら、1台あたりの確認に5分ほど要し、台数に比例して時間がかかっていましたが、今後はその時間と手間がゼロになります」と徳永氏は話す。
ヒアリングの重複もなく、管理効率、情報精度の向上も達成できている。そして、システム構築・運用を自社で手がけたことについても、「設計は3日ほど、サーバの構築は実質1日でした。経験年数に関係なく短期間で容易に構築できました」と内堀氏は満足気だ。
徳永氏も「今回でICT資産管理システムの構築・運用ノウハウを当社に蓄積できました」と自信をのぞかせる。
社員のパソコンのサポートについても、「現地に行かなくとも同じ画面を見ながらリモートで操作できるため、サポート品質や効率の向上はもちろん、移動の時間や費用も節約できました」と平沢氏は語る。
同社は今後、管理する機器の範囲をサーバやスマートデバイスなどに広げていく予定だ。さらには機器と並行して、「OSのパッチ適用状況など、セキュリティの管理も追加し、コンプライアンスとガバナンスの強化や管理効率化をより推進していきたいですね」と平沢氏は構想を述べる。
大興電子通信は今回強化したICT資産管理体制、およびコンプライアンス、ガバナンスをベースに、これからも顧客に最適なICTソリューションを提供していく。
大興電子通信株式会社様担当者
社名 | 大興電子通信株式会社 |
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本社所在地 | 東京都新宿区揚場町2番1号 軽子坂MNビル |
設立 | 1953年12月1日 |
資本金 | 36億5,425万円 |
代表者 | 代表取締役社長CEO兼COO 津玉 高秀 |
従業員数 | 994人(連結) / 776人(単体) (2014年3月31日 現在) |
事業概要 | 「お客様第一」「品質向上」をキーワードに、ICTソリューションを柱に事業展開。東南アジアなどの海外へ進出する製造業や流通業の顧客の支援など、海外展開も意欲的に進めている。2013年12月1日に創立60周年を迎えた。
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ホームページ | 大興電子通信株式会社様 ホームページ |
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