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Interstage Application Server/Interstage Web Server Java EE運用ガイド

第2章 Java EEの概要

Interstage Java EEはJava SE環境をベースとして、企業規模の多階層サービスの実装に必要とされるさまざまな機能を提供します。また、アプリケーションの移植性を最大限に向上させるために、オープンソースソフトウェアであるGlassFish v2.1をベースとして、Java EE 5規約に準拠しています。
Java EE 5の詳細情報については、以下の規約を参照してください。

Java EE 5のAPI仕様については、Java EE 5のAPI仕様「http://java.sun.com/javaee/5/docs/api/」(※2009/5月時点のURLです。変更される可能性があります。)を参照してください。

Java EEの構成

以下にJava EEの構成について説明します。



Java EEコンポーネント

Interstage Java EEは、Java EEアプリケーションクライアント、Servlet/JSP、Enterprise JavaBeanという3つのアプリケーションコンポーネントの実行環境を提供します。これらを、Java EEコンポーネントと呼びます。Java EEコンポーネントは、配備という操作を行うことで実行環境にセットアップされます。

Java EEアプリケーションクライアント

Java EEアプリケーションクライアントは、スタンドアロンクライアント上で実行するJavaアプリケーションです。クライアントからサーバ環境のアプリケーションにアクセスします。

Servlet/JSP

Servlet/JSPは、WebブラウザからHTTPプロトコル、または、よりセキュアなHTTPSプロトコルでWebサーバに送信されたリクエストで動作します。また、Webサービスとして公開することもできます。Servlet、JSPまたはJSFを使用して作成されたページ、Webフィルタ、Webイベントリスナーを総称してWebコンポーネントと呼びます。

Enterprise JavaBeans(EJB)

Enterprise JavaBeans(EJB)は、サーバで動作するアプリケーションです。Servletからアクセスする、または、IIOPまたはIIOP/SSLプロトコルによりORB(Object Request Broker)を介してクライアントから直接アクセスすることもできます。クライアントからの要求を受けたEnterprise JavaBeansにデータベースアクセス処理などの実際のビジネスロジックを実装します。Webサービスとして公開することもできます。

注意

アプレットは、使用できません。

コンテナ

コンテナは、Java EEコンポーネントのセキュリティやトランザクションを管理するサービスを提供する実行環境です。ServletやJSPなどのWebコンポーネントは、Webコンテナで実行されます。Enterprise Java Beansは、EJBコンテナ内で実行されます。Java EEアプリケーションクライアントは、クライアントコンテナで実行されます。
Interstage Java EEは、WebコンテナとEJBコンテナの上位に位置づけられる論理的な概念をIJServerクラスタと呼びます。Java EE 5規約で説明されているアプリケーションサーバが、Interstage Java EEのIJServerクラスタに相当します。

サービス

Java EEコンポーネントは、コンテナが提供する各種サービスを使用できます。Java EEコンポーネントは、deployment descriptorというJava EEコンポーネントごとの定義ファイルに定義を行うか、または、Dependency Injectionを使用することで、コンテナが提供するネーミングサービス、セキュリティサービス、トランザクションサービスなどの各種サービスを使用できます。

API

Java EE実行環境は、コンテナが提供する各種サービスの動作を制御するAPIや外部の各種システムにアクセスできるAPIを提供します。Java EEコンポーネントは、リソースと呼ばれるオブジェクトを介して外部システムにアクセスします。ツールを使用してリソースを定義することで、アプリケーションコンポーネントからAPIを使用してリソースにアクセスできます。APIには、データベースにアクセスするJDBC、EISにアクセスするconnector、非同期メッセージの送受信を行うJMS、メールサーバにメールの送受信を行うJava Mailなどが用意されています。

ツール

Interstage Java EEは、アプリケーションコンポーネントの配備、サービス設定、リソース定義などの設定を行うために各種ツールを提供しています。

Interstage Java EE管理コンソール

Interstage Java EE管理コンソールは、WebベースのGUIツールです。以下のようにWebブラウザにURLを入力してログインすることで、サーバの各種設定を行うことができます。以下はInterstage管理コンソールのセキュリティ運用形態がデフォルトのSSL暗号化通信を使用する場合(HTTPS通信の場合)で、サーバのホスト名が「hostname」の場合の例です。

各種コマンド

asadminコマンドなど提供する各種コマンドを使用することで、Java EE実行環境の各種設定を行うことができます。