Interstage Application Server/Interstage Web Server 移行ガイド
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第4章 旧機能から新機能への移行方法> 4.1 Interstage HTTP Server(Apache 2.0ベース)への移行

4.1.2 V7.0以前のInfoProvider Proからの移行


 V7.0以前のInfoProvider Proからの移行方法について説明します。
 なお、Webサーバとしての基本的な動作は移行できますが、InfoProvider Proの機能の一部は、Interstage HTTP Serverでは使用できません。Interstage HTTP Serverにおいて該当する機能を使用せずに運用してください。
 Interstage HTTP Serverで使用できない機能には、主な項目として以下のような機能があります。

 InfoProvider Proの動作環境を移行する場合、インストール後にInterstage管理コンソールなどの環境設定を行い、InfoProvider Proの環境定義に応じて、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)を設定します。以下の対処を行ってください。

  1. InfoProvider Pro環境定義ファイルの対処
  2. セキュリティ管理ファイルの対処
  3. ディレクトリサーバ情報管理ファイルの対処
  4. SSL環境の対処


 以降に説明されている対処においてInterstage管理コンソールでのWebサーバの環境定義を有効とする場合は、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)を編集する必要はありません。

1) InfoProvider Pro環境定義ファイルの対処

 InfoProvider Proの動作環境が定義されているInfoProvider Pro環境定義ファイルのそれぞれの定義項目を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の各ディレクティブに設定します。一部の定義項目については、Interstage管理コンソールで設定することもできます。以下に対応表を示します。
 なお、InfoProvider Proの環境定義ファイルおよび定義項目の詳細についてはInterstage Application Server V7.0以前のマニュアルの“Webサーバ運用ガイド(InfoProvider Pro編)”を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルおよびディレクティブの詳細については“Interstage HTTP Server 運用ガイド”を参照してください。

InfoProvider Proの定義項目

InfoProvider Proの定義名

Interstage HTTP Server

備考

ディレクティブ名

Interstage管理コンソールの設定可否

説明

comment

なし

各行の先頭にハッシュマーク(#)で指定します。

インストールディレクトリ

installdir

なし

設定する必要はありません(動作上問題なし)。

動作ディレクトリ

exedir

ServerRoot

設定不可

Interstage HTTP Serverの動作ディレクトリをServerRootに設定します。

ホスト名

hostname

ServerName

設定可 (注1)

 

IPアドレス

IP-address

Listen

設定可 (注1)

複数Webサーバ機能を使用します。複数Webサーバの運用については、“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“運用・保守”−“複数Webサーバの運用”を参照してください。

IPバージョン


IP-version


Allow
Deny
Listen
NameVirtualHost
<VirtualHost>

設定可
注)IPアドレスの指定に、IPv6アドレスを設定します。

Allow、Deny、Listen、NameVirtualHost、<VirtualHost>の各ディレクティブでIPアドレスの指定に、IPv6アドレスを設定します。

ポート番号

port

Listen

設定可 (注1)

 

公開する最上位のディレクトリ名

acstop

DocumentRoot

設定可 (注1)

 

ホームページ

topHTML

DirectoryIndex

設定不可

代表するHTMLファイル文書と同一です。

代表するHTMLファイル文書

typical-HTML

DirectoryIndex

設定不可

 

データタイプとファイルの拡張子の関連を指定するファイル名

content-type

TypesConfig

設定不可

デフォルトのデータタイプ(MIMEタイプ)は、“text/plain”に変更となります。
“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“環境定義ファイル”−“デフォルトMIMEタイプの設定”を参照して設定してください。

ステータスコードファイル名

statusfile

ErrorDocument

設定不可

エラードキュメントは先頭にスラッシュ(/)を付加し、ServerRootからの相対パスで指定します。

仮想ディレクトリ

link

Alias

設定不可

 

DNSの逆引き動作

dns-resolve

HostnameLookups

設定不可

CGIに対する要求を行った場合だけDNSの逆引きを行うという設定はできません。

InfoProvider Proから起動したアプリケーションに渡すコード系

input-code

なし

コード変換はできません。

Webブラウザへ送信するコード系

output-code

なし

コード変換はできません。

サーバ内にあるHTML文書のコード系

server-file-code

なし

コード変換はできません。

HTTPプロトコルバージョン

http-ver

なし

HTTP/1.1です。

同時アクセス最大数

concurrency


ThreadsPerChild

設定可 (注1)

上限値はThreadLimitディレクティブの設定値です。


MaxClients

設定可 (注1)

上限値はServerLimitディレクティブの設定値です。

最大プーリング数

pool-max


なし

設定不可

Windows(R)では、最大プーリング数は設定できません。


ListenBacklog

設定不可

 

最大接続時間

connection-limit

KeepAliveTimeout

設定可 (注1)

 

ブラウザ送受信タイムアウト時間

browser-timeout

Timeout

設定可 (注1)

 

受け入れ可能リクエストサイズ

acceptance-request-size

LimitRequestBody

設定可 (注1)

 

キャッシュヘッダ制御

cache-control

Header

設定不可

HTTPヘッダの値を設定します。
“Pragma”ヘッダを“no-cache”として返却する場合、以下のように指定します。
Header set Pragma no-cache

キャッシュファイル数

cache-file-no

なし

メモリキャッシュはできません。

キャッシュファイルサイズ

cache-file-size

なし

メモリキャッシュはできません。

アクセスログ採取方法

acslogまたは
logautoまたは
acslog-rotation

CustomLog

設定可 (注1)

指定方法が異なります。
“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“環境定義ファイル”−“アクセスログの設定”を参照して設定してください。

全アクセスのログ出力

acslog-all

なし

中断系のログは採取できません。

アクセスログの形式

logformat

CustomLogおよびLogFormat

設定不可

指定方法が異なります。
拡張モードを指定する場合は、CustomLogのニックネームに“combined”を指定してください。

処理時間の出力

acslog-proctime

CustomLogおよびLogFormat

設定不可

指定方法が異なります。
処理時間を出力する場合は、LogFormatに“%S”を指定して、CustomLogに該当するニックネームを指定してください。

Cookie情報の出力

acslog-cookie

CustomLogおよびLogFormat

設定不可

指定方法が異なります。
“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“環境定義ファイル”−“クッキーログの設定”を参照して設定してください。

エラーログのファイル名

errlog

ErrorLog

設定可 (注1)

指定方法が異なります。
“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“環境定義ファイル”−“エラーログの設定”を参照して設定してください。

エラーログの形式

errlog-format

なし

エラーログの形式は設定できません。

ログ出力異常時の動作

log-erraction

なし

ログ出力異常時は継続運用されます。

受信データ改ざん通知ログ出力しきい値

falsification-threshold

なし

改ざん発生時はログが出力されません。

改ざん検知によるInfoProvider Pro停止

falsification-term

なし

改ざん検知による停止は行いません。

受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数ログ出力しきい値

reqsize-threshold

なし

受信可能最大サイズの制限オーバ発生時には毎回ログに出力されます。

受信可能最大サイズ制限オーバ発生回数によるInfoProvider Pro停止

reqsize-term

なし

受信可能最大サイズの制限オーバ発生による停止は行われません。

Servletサービスのアクセスログ出力形式

acslog-jsformat

なし

該当する機能はありません。常にURI部分がURLで要求してきた文字列(common)となります。

異常終了時サービス同期停止


sync

なし

異常終了時、サービスは停止されません。

CGIアプリケーションの格納場所と識別名

cgi-path-idnt

ScriptAlias

設定不可

指定する順番が異なるので、注意してください。

アプリケーション送受信タイムアウト時間

timeout

Timeout

設定可 (注1)

ブラウザ送受信タイムアウト時間と同じ時間になります。

タイムアウトしたCGIアプリケーションへの対応

timeout-kill

なし

該当するCGIアプリケーションは強制終了されます。

Location返却フラグ

location-redirect

なし

Locationヘッダがそのまま返却されます。

拡張CGI定義

gai-gw

なし

拡張CGIは使用できません。

セション管理型拡張CGIのログアウト監視時間間隔

alarmtime

なし

拡張CGIは使用できません。

フィルタアプリケーションのパス

filter-file

LoadModule

設定不可

(注2)

InfoProvider Proの実行時のユーザ名


uid


User

 

InfoProvider Proの実行時のグループ名


gid


Group

 

セキュリティ管理ファイル名

authfile

なし

セキュリティ管理ファイルを別途作成する必要はありません。セキュリティ管理ファイルの対処を参照してください。

オンライン照合機能ログ

dirservlog

なし

オンライン照合機能の動作ログはアクセスログに出力されます。

SSL環境定義ファイル名

sslfile

なし

SSL環境定義ファイルを別途作成する必要はありません。SSL環境の対処を参照してください。

使用SSLライブラリ

ssllib

なし

SSLライブラリはSMEE3です。

 注1)
 Interstage管理コンソールの操作画面を以下に示します。Interstage管理コンソールの起動については“運用ガイド(基本編)”を、Interstage管理コンソールの定義詳細についてはInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。

InfoProvider Proの定義項目

Interstage HTTP ServerのInterstage管理コンソール

ホスト名

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[サーバのホスト名またはIPアドレス]

IPアドレス

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [新規作成]タブ > [Webサーバ:新規作成]

ポート番号

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [簡易設定]-[ポート番号]

公開する最上位のディレクトリ名

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [簡易設定]-[クライアントに公開するサーバ資源の最上位ディレクトリ]

同時アクセス最大数

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[クライアントの同時接続数]

最大接続時間

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[Keep-Alive接続において、次のリクエストまでのタイムアウト時間]

ブラウザ送受信タイムアウト時間

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[タイムアウト]

アプリケーション送受信タイムアウト時間

受け入れ可能リクエストサイズ

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [詳細設定]-[リクエストメッセージ本体の最大サイズ制限]

アクセスログ採取方法

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [アクセスログ]

エラーログのファイル名

[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [Webサーバ名] > [環境設定]タブ > [詳細設定[表示]] > [エラーログ]

 注2)
 InfoProvider Pro向けのフィルタアプリケーションは、Interstage HTTP Serverでは使用できません。
 Interstage HTTP Server用に同等機能のモジュールが提供されている場合があります。
 LoadModuleには、Interstage HTTP Server用のモジュールを以下のように指定してください。
 
LoadModule example_module "C:/Interstage/F3FMihs/modules/mod_example.so"
LoadModule example_module "/opt/FJSVihs/modules/mod_example.so"

2) セキュリティ管理ファイルの対処

 InfoProvider Proの認証とアクセス制御が定義されているセキュリティ管理ファイルのそれぞれの定義項目を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の各ディレクティブに設定します。以下に対応表を示します。Interstage管理コンソールで設定することはできません。
 なお、InfoProvider Proのセキュリティ管理ファイルおよび定義項目の詳細についてはInterstage Application Server V7.0以前のマニュアルの“セキュリティシステム運用ガイド”の“InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定”を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルおよびディレクティブの詳細については“Interstage HTTP Server 運用ガイド”を参照してください。

InfoProvider Proの定義項目

InfoProvider Proの定義名

Interstage HTTP Serverのディレクティブ名

備考

パスワード管理ファイル名

PasswdFile

AuthUserFile

AuthUserFileにhtpasswdコマンドを使用して作成したパスワードファイルを設定します。

グループ管理ファイル名

GroupFile

AuthGroupFile

 

IPグループ管理ファイル名

IPGroupFile

なし (Allow)

Allowにアクセスを許可するホストを設定します。“Interstage HTTP Server運用ガイド”の“環境定義ファイル”−“IPアクセスコントロールの設定”を参照して設定してください。

プロテクトパス

URL

<Location>

URLを<Location>に指定し、<Location>内にプロテクトパス設定部の情報を記述します。

ユーザ管理ファイル名

UserFile

なし

ユーザ管理ファイルは使用できません。

アクセスを許可するユーザ名

User

Require

ユーザを指定する場合は、以下のように設定します。
 Require user ユーザ名
グループを指定する場合は、以下のように設定します。
 Require group グループ名

IPアドレス/ホスト名

IPAddress

Allow

Allowにアクセスを許可するホストを設定します。“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“環境定義ファイル”−“IPアクセスコントロールの設定”を参照して設定してください。

認証名

AuthName

AuthName

 

認証方法

AuthType

AuthType

 

クライアント証明書条件ファイル名

ClientCert

なし

クライアント証明書の条件設定による認証はできません。

ディレクトリサーバのベースDN

SearchBase

AuthLDAPbasedn

 

ディレクトリサーバ情報管理ファイル名

DirServFile

なし

ディレクトリサーバ情報管理ファイル名を別途作成する必要はありません。ディレクトリサーバ情報管理ファイルの対処を参照してください。

3) ディレクトリサーバ情報管理ファイルの対処

 InfoProvider Proがディレクトリサーバと通信するための情報が定義されているディレクトリサーバ情報管理ファイルのそれぞれの定義項目を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイル(httpd.conf)の各ディレクティブに設定します。以下に対応表を示します。Interstage管理コンソールで設定することはできません。
 ただし、Interstage HTTP Serverとディレクトリサーバ間でSSLを使用したセキュアな通信を行う場合は、SSLの環境設定を再構築する必要があります。
 InfoProvider Proのディレクトリサーバ情報管理ファイルおよび定義項目の詳細についてはInterstage Application Server V7.0以前のマニュアルの“セキュリティシステム運用ガイド”の“InfoProvider Proの認証とアクセス制御の設定”を、Interstage HTTP Serverの環境定義ファイルおよびディレクティブの詳細については“Interstage HTTP Server運用ガイド”を、Interstage HTTP ServerのSSLの環境設定については“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage HTTP Serverの認証とアクセス制御の設定”−“オンライン照合”を参照してください。

InfoProvider Proの定義項目

InfoProvider Proの定義名

Interstage HTTP Serverのディレクティブ名

備考

ホスト名

Hostname

AuthLDAPHost

 

SSL

SSL

AuthLDAPSecure

 

ポート番号

Port

AuthLDAPPort

 

ベースDN

BaseDN

AuthLDAPbasedn

 

BindDN名

BindDN

AuthLDAPBindDN

 

BindPassword

BindPassword

AuthLDAPBindPassword

 

匿名の許可

AnonymousPermission

なし

匿名のアクセスを許可することはできません。

4) SSL環境の対処

 InfoProvider Proにおいて構築したSSL環境は、Interstage HTTP ServerのSSL環境として移行することはできません。SSL環境を再構築する必要があります。SSLの環境設定については“セキュリティシステム運用ガイド”の“Interstage証明書環境の構築と利用”または“Interstage HTTP ServerでSSLを利用する方法”を参照してください。


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