PRIMECLUSTER導入運用手引書 4.2 (Linux版)
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第2部 導入編> 第3章 ソフトウェアのインストール> 3.1 関連ソフトウェアのインストールと設定

3.1.4 クラスタ高速切替機能の設定

■概要

クラスタシステムを構成するノードの1つに異常が発生しクラスタシステム間のハートビートが失敗した場合、PRIMECLUSTERシャットダウン機構は異常が発生したノードの電源を強制的に切断します。

ハートビートの失敗要因がパニックであった場合、クラッシュダンプ採取中に強制電源切断すると、クラッシュダンプ採取が途中で終了してしまうため、異常原因を調査する上で必要な資料が採取できなくなる場合があります。

クラスタ高速切替機能は、上記の問題を防止するためにクラッシュダンプ採取中の強制電源切断を抑止し、同時に異常発生ノードのクラッシュダンプ採取中のフェイルオーバを実現する機能です。

使用するRHELのバージョンにより、クラッシュダンプ採取機構が異なります。

Red Hat Enterprise Linuxのバージョン

クラッシュダンプ採取機構

RHEL-AS3/RHEL-ES3

Netdump

RHEL-AS3 一括修正 U05011/RHEL-ES3 一括修正 U05011

Netdump または Diskdump

RHEL-AS4 一括修正 U05111

Diskdump

■Netdump

上図に示すように、ハートビート失敗時にクラスタ高速切替機能はNetdumpサーバにパニックステータスを設定/参照します。これにより、ハートビート異常を検出したノードは、クラッシュダンプ中のノードの強制電源切断をすることなくこれを停止状態とみなし、業務を引き継ぐことが可能となります。

◆Netdumpサーバ(ダンプ専用サーバ)

Netdumpサーバはクラスタノードとは別にNetdumpサーバとして1ノード用意する必要があり、Netdumpサーバ用LAN(専用LAN)に接続する必要があります。たとえば、クラスタシステムを4ノードで構成する場合、Netdumpサーバを加えて、5ノードが必要となります。

Netdump機能を使用する場合は、事前にNetdumpサーバ、Netdumpクライアントの設定を行う必要があります。

◆Netdumpシャットダウンエージェントに必要な設定

●Netdumpサーバでの設定作業

  1. Netdump機能の確認

    Netdumpサーバ機能が利用可能となっていることを確認してください。利用可能となっていない場合は、利用可能にしてください。

    確認操作はrunlevel(8)コマンドとchkconfig(8)コマンドで行います。

  2. NFS機能の確認

    Netdumpシャットダウンエージェントは、NFSを利用します。NFSが利用可能となっていることを確認してください。利用可能となっていない場合は、利用可能にしてください。

    確認操作はrunlevel(8)コマンドとchkconfig(8)コマンドで行います。

  3. リブート抑止設定

    Netdumpはクラッシュダンプ採取後、ダンプ採取ノードのリブートを行います。ダンプ採取後のリブートを抑止するために "/etc/netdump.conf" に以下の設定を行います。

      noreboot=true
  4. NFS機能の設定

    "/etc/exports" に以下の設定を行います。

    /var/crash/log/netdump_status NodeA(ro,no_root_squash) NodeB(ro,no_root_squash)

  5. システム再起動

    システムを再起動してください。

      # shutdown -r now

●Netdumpクライアント(クラスタシステム構成ノード)での設定作業

  1. NFS機能の確認

    NFSが利用可能となっていることを確認してください。利用可能となっていない場合は、利用可能にしてください。本操作は、クラスタシステムを構成する全てのノードで実施してください。

    確認操作はrunlevel(8)コマンドとchkconfig(8)コマンドで行います。

  2. NFS機能の設定

    本操作は、クラスタシステムを構成する全てのノードで実施してください。

  3. システム再起動

    システムを再起動してください。

    本操作は、クラスタシステムを構成する全てのノードで実施してください。

      # shutdown -r now

■Diskdump

上図に示すように、ハートビート失敗時にクラスタ高速切替機能は RSB または BMC(Baseboard Management Controller) を利用してパニックステータスを設定/参照します。これにより、ハートビート異常を検出したノードは、クラッシュダンプ中のノードの強制電源切断をすることなくこれを停止状態とみなし、業務を引き継ぐことが可能となります。

◆ Diskdumpシャットダウンエージェントに必要な設定

  1. Diskdumpの設定

    Diskdumpを使用する場合は、事前にDiskdumpの設定を行う必要があります。

  2. Diskdumpの確認

    Diskdumpサーバ機能が利用可能となっていることを確認してください。利用可能となっていない場合は、利用可能にしてください。

    確認操作はrunlevel(8)コマンドとchkconfig(8)コマンドで行います。

■その他シャットダウンエージェントに必要な設定

Netdumpシャットダウンエージェント、あるいはDiskdumpシャットダウンエージェントの設定が完了したら、リモートサービスボード(RSB)、IPMI(Inteligent Platform Management Interface)、あるいはブレードサーバの設定を行ってください。

◆RSBシャットダウンエージェントに必要な設定

リモートサービスボード(RSB)のユーザ設定を行ってください。

詳細は、リモートサービスボード添付の取扱説明書、および "ServerView ユーザーズガイド"を参照してください。

◆IPMIシャットダウンエージェントに必要な設定

IPMIのユーザ設定を行ってください。

詳細は、各機種ごとの"ユーザーズガイド"、および "ServerView ユーザーズガイド"を参照してください。

◆BLADEシャットダウンエージェントに必要な設定

ブレードサーバの設定を行ってください。

詳細は、"ServerViewユーザーズガイド" 、および 装置添付の各種ハードウェアガイドを参照してください。


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