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2021年 10月 現在

FUJITSU Software
PRIMECLUSTER GL 4.6A00

本商品は、ネットワーク伝送路を冗長化し、通信異常からお客様の業務を守るネットワーク多重化制御ソフトウェアです。通信業務の継続性が重視されるシステムに対して最適なネットワークソリューションを提供します。Oracle Solaris の仮想化環境にも対応しています。
本商品は、PRIMECLUSTER GLSの後継商品です。

購入について

適応機種 概要

  • サーバ
    SPARC Servers / FUJITSU Cloud Service for SPARC

適応OS 概要

  • サーバ
    Solaris 11(64bit) / Solaris 10(64bit)

機能説明

1. セールスポイント

・複数のNIC(Network Interface Card) により伝送路を冗長化することで、耐故障性や可用性に優れた信頼性の高いネットワークを構築することができます。
・本製品を利用するアプリケーションは、冗長化した伝送路の構成や伝送路上で発生したネットワーク障害を意識することなく、業務を行うことができます。
・接続相手装置やネットワーク構成等の様々な要件に応じて、最適な二重化方式を選択できます。
・仮想化システム(Oracle VM Server for SPARC環境/Oracle Solaris ゾーン環境)上においても伝送路を二重化することにより、ネットワークの高信頼化が実現できます。

*:Oracle SolarisはSolaris, Solarisオペレーティングシステム, Solaris Operating System, Solaris OSと記載することがあります。また、PRIMECLUSTER GLをGLSと記載することがあります。

PRIMECLUSTER GL

2. 伝送路二重化機能

複数のNIC(Network Interface Card)を使用して、自システムが接続されるネットワークの伝送路を冗長化し、ネットワーク障害発生時に自動的に通信経路の切替えや縮退をおこないます。これにより、PRIMECLUSTER GLを利用するアプリケーションは、ネットワーク障害を意識することなく業務継続が可能です。
すでに構築されているシステムをクローニングし、IPアドレスを変更することで新しいシステムを構築することができます。
DR機能を使用してNICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。また、PCI Hot Plug機能にも対応しています。

以下の4つの方式があります。

●仮想NIC方式
仮想NIC方式は、Oracle Solaris 11 環境においてのみ使用可能です。
冗長化した伝送路の一方を活性状態、もう一方を非活性状態として排他使用する方式です。通信相手は任意です
IPv6アドレス自動構成、マルチキャストIPアドレスなどのOSのネットワーク機能に対応しています。
ネットワーク上のネットワークインタフェースを冗長化するNIC切替方式と比較した場合、以下の特長があります。
- 障害監視でIPアドレスが不要
- Solarisゾーン環境の場合、グローバルゾーンだけでなく、ノングローバルゾーンおよびカーネルゾーンからも仮想NICを利用可能
- Oracle VM Server for SPARC環境の場合、仮想インタフェースを仮想ブリッジに接続する構成が利用可能

●NIC切替方式
冗長化した伝送路の一方を活性状態、もう一方を非活性状態として排他使用する方式です。通信相手は任意です。
OSのNICをそのまま通信に使用し、GLSが冗長化しているNIC間でIPアドレスを設定し直すことで伝送路を切替えます。
NIC切替など特定のタイミングで、ユーザが事前に用意したコマンドの実行が可能です。

●高速切替方式
冗長化した伝送路のすべてを同時に使用する方式です。
GLS同士で通信を行う場合に使用できます。冗長化した伝送路をGLS自身が制御するため、障害を早期に検出することが可能です。
ルータを超えた別ネットワーク上のホストとの通信には利用できません。

●GS連携方式
冗長化した伝送路のすべてを同時に使用する方式です。
通信相手はGS(グローバルサーバ)です。GSと連携して、経路やコネクションの制御を行います。
仮想化環境で本機能を使用する場合は、PRIMECLUSTER GL GS連携オプションの購入が必要です。

伝送路二重化機能1
伝送路二重化機能2

3. Oracle VM Server for SPARC環境での伝送路の二重化

Oracle VM Server for SPARC環境において、伝送路を二重化することにより、ネットワークの高信頼化が実現できます。 GLSは、制御ドメインおよび仮想マシン上で動作します。 制御ドメインでGLSがサポートする二重化方式は、NIC切替方式および仮想NIC方式です。仮想マシン上でGLSがサポートする二重化方式は、NIC切替方式およびGS連携方式です。

Oracle VM Server for SPARC環境での伝送路の二重化

Oracle VM Server for SPARC環境での伝送路の二重化

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4. Oracle Solaris ゾーンの伝送路制御

Oracle Solaris ゾーンのネットワークには、以下の2つの形態があります。
・共有IPゾーン
グローバルゾーン上のネットワークインタフェースをノングローバルゾーンから共有する形態
・排他的IPゾーン
ノングローバルゾーン/カーネルゾーンに対して排他的にネットワークインタフェースを割り当て占有する形態

●共有IPゾーン構成
共有IPゾーン構成では、グローバルゾーン上で伝送路を二重化することにより、 ネットワーク高信頼化をサポートします。 Oracle Solaris ゾーンの各ゾーンには、それぞれ1つ以上の通信用IPアドレスが割り当てられます。 各ゾーンに割り当てられたIPアドレスは、物理インタフェース上に生成された論理インタフェースに付加されます。 ただし、ゾーンが 使用する 論理インタフェースは他のゾーンに対して隠蔽されているため、ゾーン上で動作するアプリケーションは、そのゾーン上に割り当てられたIPアドレス (論理インタフェース)を使用してください。

●排他的IPゾーン構成
・NIC切替方式
排他的IPゾーン構成のノングローバルゾーン/カーネルゾーン上で、GLSを使用して伝送路を二重化するネットワーク高信頼化をサポートします。本構成では他のゾーンの通信に影響されることなく通信帯域を確保できます。
なお、本構成を使用する場合は、必ず、事前に GLSのマニュアル「PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)」の「付録 Solarisゾーン環境での運用」)を参照して留意事項を確認してください。
・仮想NIC方式
排他的IPゾーン構成のグローバルゾーン上で、GLSを使用して伝送路を二重化するネットワーク高信頼化をサポートします。本構成では限られた数のNICで多数のノングローバルゾーン集約することができます。

また、Oracle Solaris 11 の仮想化ネットワーク機能の利用により、使用する物理NICの枚数を削減することができます。これにより、Oracle Solaris 10 環境に比べ、集約度の向上を実現します。

共有IPゾーン構成

共有IPゾーン構成

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排他的IPゾーン構成

排他的IPゾーン構成

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Oracle Solaris ゾーンの伝送路二重化機能でのサポート範囲

Oracle Solaris ゾーンの伝送路二重化機能でのサポート範囲

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Oracle Solaris 11 の仮想化ネットワーク機能の利用

Oracle Solaris 11 の仮想化ネットワーク機能の利用

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5. マルチパス機能

マルチパス機能では、複数のNIC(Network Interface Card)によりNIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行う マルチパス方式と、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時にすべてのパスを"active"状態にして通信を行う)することで、広い帯域幅での通信を行う マルチリンクイーサネット方式による通信が実現できます。さらに、DR機能を使用して NICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。なお、DR機能を使用したNICの追加/削除/交換は、クラスタリソースに登録していないカードについて行うことができます。また、PCI Hot Plug機能にも対応しています。
マルチパス機能は、Oracle Solaris 10 環境においてのみ使用可能です。
マルチパス機能で提供する方式は、以下の2つがあります。

●マルチパス方式
マルチパス方式は、複数のNIC(Network Interface Card)により、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行います。 伝送路またはNICで何らかの異常を検出した際、運用中のNICから待機中のNICに切替えを行い、通信の高信頼化を実現した機能です。また、使用できる上位プロトコルはTCP/IPで、使用できるカードは Ethernetカードです。

●マルチリンクイーサネット方式
- マルチリンクイーサネット方式を採用する場合は、マルチリンクイーサネット機能を保有したスイッチを使用する必要があります。なお、マルチリンクイーサネット機能名は各種スイッチによって、マルチリンクイーサネット機能、トランキング機能など機能名称が異なります。
- マルチリンクイーサネット方式の通信帯域は、"使用NIC数 × 転送速度 × 全二重通信" で表現されますが、通信帯域幅の拡張を意味しているだけであり、転送性能(スループット性能)向上の意味は持ちません。
- マルチリンクイーサネット方式やトランキング機能は、データ転送プロトコルではありません。送信データを分散するための機能であり、受信データについては接続するスイッチの分散方式に依存します。
- マルチリンクイーサネット方式は、複数のNICを同時使用することで負荷を分散し、転送効率の向上を目的とした機能です。ただし、使用するNIC数が増加することで、自システムのCPU使用率も増加し、システム全体の転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。また、自システムと接続するスイッチで採用する分散方式、およびネットワーク構成によっても転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。

システム/機能構成図

システム構成図
システム構成図
システム構成図
システム構成図

新規機能

4.5A10から4.6A00の機能強化項目は以下のとおりです。

内部コンポーネントを入れ替えました。

標準添付品

  • オンラインマニュアル

    ・PRIMECLUSTER GL 4.6A00 インストールガイド
    ・PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)
    ・PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能 仮想NIC方式編)
    ・PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(マルチパス機能編)
    ・PRIMECLUSTER DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド
    ・PRIMECLUSTER 活用ガイド<トラブルシューティング編>
    ・PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>
    ・PRIMECLUSTER 活用ガイド<コマンドリファレンス編>

商品体系

PRIMECLUSTER メディアパック 4.6A00
PRIMECLUSTER GL サーバライセンス Kクラス 4.6
PRIMECLUSTER GL サーバライセンス L2クラス 4.6
PRIMECLUSTER GL サーバライセンス M2クラス 4.6
PRIMECLUSTER GL サーバライセンス M3クラス 4.6
PRIMECLUSTER GL サーバライセンス Nクラス 4.6
PRIMECLUSTER GL サーバライセンス Rクラス 4.6
PRIMECLUSTER GL 仮想サーバライセンス(Oracle VM Server for SPARC) 4.6
PRIMECLUSTER GL GS連携オプション 仮想サーバライセンス(Oracle VM Server for SPARC) 4.6

購入方法

1. メディアパックについて

メディアパックは、媒体(DVD等)のみの提供です。使用権は許諾されておりませんので、別途ライセンスを購入する必要があります。
また、製品の導入にあたり、システムに最低1本のメディアパックが必要です。 バージョンアップ/レベルアップを目的に本メディアのみを手配することはできません。


2. サーバライセンスについて

サーバライセンスは、Oracle Solaris 環境での運用、パーティション運用の有無に関わらず、本製品をインストールするサーバ機種に適用する機種クラスを台数分、購入してください。
本商品は、サーバ転用できません(*)。このため、ハードウェアリプレースした場合は、本商品を新規に購入してください。
*:PRIMECLUSTER 製品はハードウェア毎に特殊な制御を行っているため、当該製品使用許諾は製品インストール機種にのみ有効です。

クラスタ連携機能を使用する場合は、クラスタシステムのノード数分、サーバライセンスを購入する必要があります。

Oracle Solaris ゾーン環境で本商品を使用する場合、必ず、サーバライセンスの購入が必要です。


3. 仮想サーバライセンスについて

Oracle VM Server for SPARC環境用のライセンスです。
仮想サーバライセンスは、SPARC M12/M10サーバ上の本製品をインストールする仮想マシン(ゲストドメイン、I/Oルートドメインまたは、I/Oドメイン。以降、仮想マシン)の数分購入する必要があります。
仮想マシン上のOracle Solaris ゾーン環境で本商品を使用する場合、本製品を使用する仮想マシン数分の仮想サーバライセンスを購入する必要があります。
本商品は、Oracle VM Server for SPARC環境で転用可能です。

[FUJITSU Cloud Service for SPARC上で使用する場合]
仮想サーバライセンスの購入が必要です。仮想サーバライセンスは、本製品をインストールするFUJITSU Cloud Service for SPARC上の仮想サーバの数分購入する必要があります。本商品は、FUJITSU Cloud Service for SPARC上の仮想サーバで転用可能です。
また、PRIMECLUSTER GL仮想サーバライセンスに加えて、PRIMECLUSTER Clustering Base仮想サーバライセンスおよびPRIMECLUSTER GD仮想サーバライセンスの購入が必要です。


4. オプション製品について

本オプション製品は、GLSの伝送路二重化機能(GS連携方式)を使用する場合に必要なライセンス商品です。
・PRIMECLUSTER GL GS連携オプション 仮想サーバライセンス
本機能をSPARC M12/M10サーバ上の仮想マシン(ゲストドメイン、I/Oルートドメインまたは、I/Oドメイン。以降、仮想マシン)環境で使用する場合に、PRIMECLUSTER GL 仮想サーバライセンスと合わせて本オプション製品をインストールする仮想マシンの数分購入する必要があります。
本オプション製品は、SPARC M12/M10サーバ上の仮想マシンで転用可能です。

[参考]
物理サーバ環境においてGLSの伝送路二重化機能(GS連携方式)を使用する場合は、本オプション製品の購入は必要ありません。


5. バージョンアップ/レベルアップについて

旧バージョン商品をお持ちの場合は、有償サポート・サービス「SupportDesk」のサービスの一環として、最新バージョン/レベルを提供いたします。(お客様からのご要求が必要です。)
「SupportDesk」を導入されていない場合は、新バージョン/レベル商品を改めてご購入頂く必要があります(価格の優遇はございません)のでご注意ください。
なお、「SupportDesk」の詳細については、弊社営業/SE にお問合せください。


6. ダウングレード使用(旧バージョン商品の使用)について

本商品のライセンスでは、ダウングレード使用(本商品の旧バージョンを使用)する権利はありません。
対象のバージョンを使用する場合は、対象のバージョンに対応したライセンスをご購入ください。

関連ソフト

クラスタ連携機能を使用する場合

クラスタ連携機能を使用する場合、以下のいずれかの製品が必要です。
・ PRIMECLUSTER Clustering Base
・ PRIMECLUSTER Lite Pack

動作保証周辺機器

関連ハードウェア

関連ハードウェアについては弊社営業/SEにご確認ください。

留意事項

1. 購入時における留意事項

●以下のPRIMECLUSTER製品は同一クラスタ内では同一版数を使用してください。
PRIMECLUSTER Enterprise Edition
PRIMECLUSTER HA Server
PRIMECLUSTER Clustering Base
PRIMECLUSTER Lite Pack
PRIMECLUSTER GD
PRIMECLUSTER GL
PRIMECLUSTER GD Snapshot
PRIMECLUSTER GD I/O Monitor Option

・本商品をクラスタ環境で使用する場合は、以下のいずれかの製品が必要です。
PRIMECLUSTER Clustering Base
PRIMECLUSTER Lite Pack

・本商品は、PRIMECLUSTER Clustering BaseおよびPRIMECLUSTER GDとの組み合わせによるクラスタ連携機能を使用した場合のみ、FUJITSU Cloud Service for SPARC環境で使用可能です。


2. 機能に関する留意事項

●Verified Boot機能について
本商品はSolaris 11.2以降のVerified Boot機能に対応していません。
Verified Boot機能を有効にする場合、Verified Bootポリシーで検証対象のモジュールにUNIX および genunixのみを設定してください。

●Quad GigabitEthernetカードやQuad FastEthernetカード等、カード1枚で複数のLANポートを使用する場合、カード1枚が故障すると、カード上のすべてのLANポートが使用不可能となります。 このため、信頼性の観点ではカード1枚で複数のLANポートを使用するのではなく、複数のカードを使用してLANポートの冗長化構成を組むことを推奨します。

●高速切替方式による伝送路二重化機能において、通信性能向上の効果は期待できません。

●伝送路二重化機能の高速切替方式、NIC切替方式、GS連携方式を使用する場合、事前に「PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)」を参照して注意事項を確認してください。
- 「2.1 機能概要」の各切替方式の「注意事項」
- 「第2章 機能」−「留意事項」

●伝送路二重化機能の仮想NIC方式を使用する場合、事前に「PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能 仮想NIC方式編)」を参照して注意事項を確認してください。
- 「3.3 環境設定に関する留意事項」
- 「4.4 運用に関する留意事項」

●マルチパス機能を使用する場合、事前に「PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(マルチパス機能編)」を参照して注意事項を確認してください。
- 「第1章 概要」の「注意」
- 「2.2 留意事項」


3. 前版との差異

・SPARC T5/T7/M7, SPARC Enterprise Mシリーズ, SPARC Enterprise Tシリーズは、サポート対象外としました。
・SURE SYSTEMは、サポート対象外としました。
・PRIMECLUSTERを使用していない既存のSolaris 8/9環境をOSLC環境に移行してクラスタ化することはできません。

関連URL

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