このページの本文へ移動

2021年 10月 現在

FUJITSU Software
PRIMECLUSTER GD 4.6A00

本商品は、システムやデータが格納されているディスク装置をミラーリングし、ディスク故障などの不測の事態からお客様の資産を守るボリューム管理ソフトウェアです。大容量ボリュームが作成可能なコンカチネーション、ディスクへのアクセス負荷を分散するストライピング、誤操作によるデータ破壊を防止するアクセス制御をサポートします。Oracle Solaris の仮想化環境やZFS環境にも対応しています。
本商品は、PRIMECLUSTER GDSの後継商品です。

購入について

適応機種 概要

  • サーバ
    SPARC Servers / FUJITSU Cloud Service for SPARC

適応OS 概要

  • サーバ
    Solaris 11(64bit) / Solaris 10(64bit)

機能説明

1. セールスポイント

・GUIによる操作性の向上
GUIによるわかりやすく、簡単な操作により、人為的ミスを防止します。利用者はボリューム構成をまったく意識することなく運用することが可能です。
・不当アクセスからのデータ保護
アクセス制御機能により、不当なアクセスや誤操作によるデータ破壊を防止し、安全なシステム運用を実現します。
・障害の早期検知
ディスク障害の早期検知により、I/Oエラーによるシステムスローダウンを防止します。
・ディスク装置の統合的管理
PRIMECLUSTER Clustering Base と組み合わせることで、複数のサーバと複数のディスクが互いに接続されているSAN(Storage Area Network)環境においても、ディスク装置の統合的で簡易な管理が可能です。
・業務無停止でのバックアップ
PRIMECLUSTER GD Snapshotとの組み合わせにより、運用中にシステムのバックアップやパッチの事前適用等を行うことができます。
・Oracle Solarisの標準機能への対応
ZFSブート環境やOracle Solaris の仮想化環境(Oracle Solaris ゾーン/Oracle VM Server for SPARC 環境)においてディスクデータの可用性を向上します。

*:Oracle SolarisはSolaris, Solarisオペレーティングシステム, Solaris Operating System, Solaris OSと記載することがあります。
また、PRIMECLUSTER GDをGDSと記載することがあります。


2. 可用性の向上(ソフトウェアRAID機構)

(1)あらゆるディスク装置のミラーリング
各種ディスク装置をミラーリングできるため、Oracle Solaris がインストールされているシステムディスク(本体内蔵ディスクおよびETERNUS ディスクアレイを使用した SAN Bootディスク)のミラーから、大規模なディスクアレイ筐体間ミラーまで、幅広い環境におけるすべてのディスク装置をGDSで一元管理したシステムが構築できます。複数のディスクアレイ装置間でミラーリングすると、一方の筐体へのパスや筐体自体が故障した場合でも運用を継続できます。また、筐体を交互に停止して活性保守ができます。
また、SAN Boot環境のシステムディスクを、ディスクアレイ装置間でミラーリングすることにより、システムの信頼性を向上させることができます。
ZFS ブート環境でのシステムディスクのミラーリングも可能です。GDSでミラーリングするGDSミラー方式とZFSのミラーリング機能を使用するZFSミラー方式があります。

(2)ホットスペア/ホットスワップ
ホットスペアは、ミラーリングしているディスクの他にスペアディスク(予備のディスク)を用意しておくことによって、ディスクが故障した際に、スペアディスクを使用して自動的にミラーリング状態を回復し、データを保護し続けることができます。

ホットスワップは、ミラーリングされているディスクが故障した際、アプリケーションを停止することなく、故障した部品を交換できます。管理者は、ディスク構成を意識しなくても、GUI画面上に表示された故障ディスクを選択するだけで、交換前の準備や交換後の復旧(データのコピー)ができます。

(3)システムダウンからの高速リカバリ(高速等価性回復機構)
パニックなどによってシステムが突然ダウンした場合、高速等価性回復機構(JRM)により、リブート後に短時間でミラーリング状態を回復できます。ミラーリング状態が損なわれている部分のみのコピーによりミラーリングされていない時間を最小にし、業務アプリケーションへの負荷を必要最小限にできます。

(4)障害検知の高速化(I/O タイムアウト機能)
I/Oタイムアウト機能により、ディスク装置やディスク I/O 経路のハードウェア異常を早期に検知することができます。そのため、ミラーリングしたシステムディスクで異常が発生した場合でも、 早期に正常なディスク装置に切り替えてアクセスを継続できるため、I/Oエラーによるシステムスローダウンを防止できます。
本機能は、ZFSブート環境においても使用可能です。

ディスク装置のミラーリング
ホットスワップ

3. 運用管理性の向上

(1)運用管理インタフェース
ディスクをGDSの管理下へ登録すると、以降ディスクに対するすべての操作(構成設定、状態監視、構成管理、バックアップ、保守など)をGDSの運用管理インタフェースで一元的に行うことができます。GDSの運用管理インタフェースには、直感的な操作が可能なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)とバッチ処理や他のアプリケーションとの連携に利用可能なコマンドラインインタフェース(CLI)があります。 GUIはWebブラウザで設定、管理することができます。

(2)すべてのディスク装置を一括管理
GDSで管理するディスクをミラーリングするかどうかは、必要に応じて選択できます。ミラーリングしなくても可用性が得られる高信頼なディスクアレイ装置を含めて、あらゆるディスク装置を統合的に管理することができます。

(3)自由なデバイス名
ディスクや論理ボリュームには、管理者が自由に名前を付けることができます。ハードウェア構成を連想させる名前やデータの内容を表す名前など、覚えやすい名前を設定することにより、多数のディスクが接続された環境でのシステム管理コストを軽減できます。

(4)オンラインボリューム拡張機能
拡張したいボリュームの後ろに空き領域がある場合、アプリケーションの動作中にボリュームのデータを保持したまま、ディスク領域を追加してボリュームの容量を増やすことができます。
ボリューム作成を行う前に、ディスクをコンカチネーション可能なミラー構成(*)にしておくことにより、拡張したいボリュームの後ろに空き領域がない場合でも、未使用のディスクを追加しボリュームを拡張することができます。
*:詳細は、GDSのマニュアル(「PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書」の「第1章 機能」の「オンラインボリューム拡張」)を参照してください。
また、PRIMECLUSTER GD Snapshotを導入している場合は、十分な空き領域がない場合でも、オンラインディスク移行の機能を使用して、ボリュームを十分な空き領域があるディスクに移行し、ボリュームを拡張することができます。

(5)論理パーティション分割
Oracle Solaris では、ディスクは最大でも7個のボリュームにしか分割できません。GDSを使用することによって、ディスクを最大1024個の論理的なボリューム(以下、論理ボリューム)に分割できます。

(6)コンカチネーション/ストライピングおよびミラーリングとの併用
コンカチネーションは、複数のディスク(最大64ディスク)を連結して1つの論理的な大容量ディスクとして使用できます。コンカチネーション機能を使用すると、1テラバイトを超えるボリュームを作成できます。

ストライピングは、複数のディスク(最大64ディスク)を1つの論理的なディスクとして扱い、I/Oを複数のディスクに振り分けることによって、I/O負荷を分散することができます。ストライピング機能を使用すると、1テラバイトを超えるボリュームを作成できます。

コンカチネーションまたはストライピング機能を使用した場合、多数のディスクを使う分、データの可用性は低くなりますが、GDSでミラーリングすることにより、ディスクの大容量化やI/O負荷分散と同時に、データの可用性を向上させることができます。

オンラインボリューム拡張

4. ディスク保守

(1)ディスク異常の早期検出
ディスク異常が発生すると、メッセージを出力するとともにGUIの警告ランプが自動的に点滅して、即座に異常を通知します。異常オブジェクト表示のメニューを選択すると、異常なディスクを一目で特定できます。

(2)ディスク保守の簡易化
サーバに添付されているESFまたはSCSのマシン管理機能との連携により、ディスク故障の予兆管理、ディスクを含むハードウェア全体の構成管理/異常監視、故障原因を特定するためのログ監視を行います。

(3)ディスク異常の対処方法のガイダンス
ディスクやボリュームの異常が発生した場合、異常が発生したディスクやボリュームはGDSのGUI画面に赤いアイコンで表示されるため、異常箇所が一目で分かります。また、異常が発生したディスクやボリュームのアイコンをGDSのGUI画面で選択するだけで、その異常の種類に応じた復旧方法が確認できます。


5. Oracle Solaris の仮想化環境における可用性の向上

(1)Oracle Solarisゾーン環境でのディスクミラーリング
グローバルゾーンおよびノングローバルゾーンで使用するディスクをグローバルゾーン上のGDSでミラーリングすることにより、Oracle Solaris ゾーン環境における可用性を向上できます。 GDSはグローバルゾーンにのみ適用します。
カーネルゾーンで使用するディスクをカーネルゾーンまたはグローバルゾーン上のGDSでミラーリングすることにより可用性を向上できます。

(2)Oracle VM Server for SPARC 環境でのディスクミラーリング
GDS でディスクをミラーリングすることにより、Oracle VM Server for SPARC環境での可用性を向上できます。
以下の構成をサポートします。
・業務が動作するドメインで、ディスク(仮想ディスクも可)をGDSによりミラーリングします。
・制御ドメイン、I/OルートドメインまたはI/OドメインでディスクをGDSによりミラーリングし、GDSミラーボリュームを業務が動作するゲストドメインに仮想ディスクとして割り当てます。 (クラスタシステムの共用ディスクは除く)


6. クローニング機能

すでに構築されているシステムをクローニングして、新しいシステムを構築することができます。


7. クラスタ環境下で使用可能なボリューム管理機能

(1)クラスタ共用ディスクのミラーリング
クラスタシステムの複数のノード(クラスタシステムを構成する各サーバ)から共用されているディスク装置をミラーリングすることで、より可用性の高いクラスタシステムを構築することができます。また、クラスタ共用ディスクのコンカチネーションやストライピングも可能です。

(2)自動構成
クラスタを構成する各ノードと共用ディスク装置との物理的な接続構成を自動的に認識します。本機能によって、導入、設定の作業が簡易化されます。各ノード起動時には、ディスクの電源投入忘れや、ケーブル結線誤りなどを自動的に検出し、ディスクのデータ破壊を未然に防ぎます。

(3)シングルシステムイメージ環境
GDSは、複数のノードから構成されるクラスタシステムが、利用者やアプリケーションにとって、あたかも1つのシステムであるかのように見えるシングルシステムイメージ環境を提供します。すべてのノードから同じ名前でディスクへのアクセスや操作ができます。

(4)アクセス制御
ディスクに対し、アクセスや操作が可能なノードを定義することで、業務に無関係なノードからの不当なアクセスや誤操作からディスクデータを保護できます。 また、論理ボリュームに対しては、ノードごとに読書き用または読取り専用のアクセスモードを設定することにより、誤った書込みを防止します。

(5)共用ディスク異常の検出
共用ディスク装置やディスクアクセスパスの故障を検出し、クラスタ制御にディスクの異常を通知します。本機能とクラスタ制御との組み合わせにより、安全/確実なフェイルオーバによる高可用なHA(切替え)型クラスタを実現します。

システム/機能構成図

システム構成図

新規機能

4.5A10から4.6A00の機能強化項目は以下のとおりです。

内部コンポーネントを入れ替えました。

標準添付品

  • オンラインマニュアル

    ・PRIMECLUSTER GD 4.6A00 インストールガイド
    ・PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書
    ・PRIMECLUSTER Web-Based Admin View 操作手引書
    ・RIMECLUSTER DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド

商品体系

PRIMECLUSTER メディアパック 4.6A00
PRIMECLUSTER GD サーバライセンス Kクラス 4.6
PRIMECLUSTER GD サーバライセンス L2クラス 4.6
PRIMECLUSTER GD サーバライセンス M2クラス 4.6
PRIMECLUSTER GD サーバライセンス M3クラス 4.6
PRIMECLUSTER GD サーバライセンス Nクラス 4.6
PRIMECLUSTER GD サーバライセンス Rクラス 4.6
PRIMECLUSTER GD 仮想サーバライセンス(Oracle VM Server for SPARC) 4.6

購入方法

1. メディアパックについて

メディアパックは、媒体(DVD等)のみの提供です。使用権は許諾されておりませんので、別途ライセンスを購入する必要があります。
また、製品の導入にあたり、システムに最低1本のメディアパックが必要です。 バージョンアップ/レベルアップを目的に本メディアのみを手配することはできません。


2. サーバライセンスについて

サーバライセンスは、Oracle Solaris 環境での運用、パーティション運用の有無に関わらず、本製品をインストールするサーバ機種に適用する機種クラスを台数分、購入してください。
本商品は、サーバ転用できません(*)。このため、ハードウェアリプレースした場合は、本商品を新規に購入してください。
*:PRIMECLUSTER 製品はハードウェア毎に特殊な制御を行っているため、当該製品使用許諾は製品インストール機種にのみ有効です。

Oracle Solaris ゾーン環境で本商品を使用する場合、必ず、サーバライセンスの購入が必要です。


3. 仮想サーバライセンスについて

Oracle VM Server for SPARC環境用のライセンスです。
仮想サーバライセンスは、SPARC M12/M10上の本製品をインストールする仮想マシン(ゲストドメイン、I/Oルートドメイン、I/Oドメイン)の数分購入する必要があります。本商品は、Oracle VM Server for SPARC環境で転用可能です。

[FUJITSU Cloud Service for SPARC上で使用する場合]
仮想サーバライセンスの購入が必要です。仮想サーバライセンスは、本製品をインストールするFUJITSU Cloud Service for SPARC上の仮想サーバの数分購入する必要があります。本商品は、FUJITSU Cloud Service for SPARC上の仮想サーバで転用可能です。
また、PRIMECLUSTER GD仮想サーバライセンスに加えて、PRIMECLUSTER Clustering Base仮想サーバライセンスの購入が必要です。


4. バージョンアップ/レベルアップについて

旧バージョン商品をお持ちの場合は、有償サポート・サービス「SupportDesk」のサービスの一環として、最新バージョン/レベルを提供いたします。(お客様からのご要求が必要です。)
「SupportDesk」を導入されていない場合は、新バージョン/レベル商品を改めてご購入頂く必要があります(価格の優遇はございません)のでご注意ください。
なお、「SupportDesk」の詳細については、弊社営業/SE にお問合せください。


5. ダウングレード使用(旧バージョン商品の使用)について

本商品のライセンスでは、ダウングレード使用(本商品の旧バージョンを使用)する権利はありません。
対象のバージョンを使用する場合は、対象のバージョンに対応したライセンスをご購入ください。

関連ソフト

1. クラスタ環境下で共用ディスク装置に適用する場合

クラスタ環境下で共用ディスク装置に適用する場合に必要です。
PRIMECLUSTER Clustering Base


2. GDSボリュームの高速バックアップや高速リストアを行う場合

GDSボリュームの高速バックアップや高速リストアを行う場合に必要です。
PRIMECLUSTER GD Snapshot


3. 基幹システムにおいて指定した時間内にGDSボリュームのI/O応答が必要な場合

基幹システムにおいて、ディスク装置の異常時でも指定した時間内にGDSボリュームのI/O応答を保証したい場合に必要です。
PRIMECLUSTER GD I/O Monitor Option

動作保証周辺機器

IHV製品について

対応状況につきましては、「関連URL」の「FUJITSU Software(PRIMECLUSTER)」内、「動作環境」の「PRIMECLUSTER 対応ストレージ(他社製)一覧」を参照してください。

留意事項

1. 購入時における留意事項

・以下のPRIMECLUSTER製品は同一クラスタ内では同一版数を使用してください。
PRIMECLUSTER Enterprise Edition
PRIMECLUSTER HA Server
PRIMECLUSTER Clustering Base
PRIMECLUSTER Lite Pack
PRIMECLUSTER GD
PRIMECLUSTER GL
PRIMECLUSTER GD Snapshot
PRIMECLUSTER GD I/O Monitor Option

・本商品をクラスタ環境で使用する場合は、別途PRIMECLUSTER Clustering Baseが必要です。
・本商品は、PRIMECLUSTER Clustering Baseとの組み合わせによるクラスタ連携機能を使用した場合のみ、FUJITSU Cloud Service for SPARC環境で使用可能です。


2. サポートハードウェアに関する留意事項

・NVMe SSDのデバイスは、GDSに登録できません。
・SPARC S7では、I/Oタイムアウト機能(ディスクI/Oの応答遅延を抑止する機能)が使用できません。


3. Verified Boot機能について

本商品はSolaris 11.2以降のVerified Boot機能に対応していません。
Verified Boot機能を有効にする場合、Verified Bootポリシーで検証対象のモジュールにUNIXおよびgenunixのみを設定してください。


4. ミラーボリュームのバックアップに関する留意事項

ETERNUSディスクアレイのアドバンスト・コピー機能を使用してミラーボリュームをバックアップする場合、バックアップ先はミラーリング構成にはできません。バックアップ先は、シングル構成にしてください。


5. クローニング機能に関する留意事項

GDSを使用しているシステムをクローニングする場合は、弊社営業/SEにお問い合わせください。


6. NAS製品に関する留意事項

GDS 機能(筐体間ミラーリング、ボリューム管理、ディスク異常の早期検出など)は、サーバ本体の内蔵ディスク装置や、ETERNUS ディスクアレイ装置で使用できます。ETERNUS NR1000F シリーズのようにファイルサーバに見えるNAS 装置は、GDS ではサポート対象外です。


7. 運用時の留意事項

「PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書」の「付録A 留意事項」に、GDS を使用する際に必要な規約、注意事項および設定上の指針について説明しています。事前に、必ず一読ください。


8. 前版との差異

・SPARC T5/T7/M7, SPARC Enterprise Mシリーズ, SPARC Enterprise Tシリーズは、サポート対象外としました。

関連URL

お客様向けURL