このページの本文へ移動
  1. ホーム >
  2. 製品 >
  3. ソフトウェア >
  4. ライブラリー >
  5. ソフトウェアの諸条件 >
  6. ソフトウェアガイド >
  7. Solaris ソフトウェアガイド >
  8. PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.6A00 PRIMECLUSTER HA Server 4.6A00 PRIMECLUSTER Clustering Base 4.6A00 PRIMECLUSTER Lite Pack 4.6A00

2021年 10月 現在

FUJITSU Software
PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.6A00
PRIMECLUSTER HA Server 4.6A00
PRIMECLUSTER Clustering Base 4.6A00
PRIMECLUSTER Lite Pack 4.6A00

PRIMECLUSTER(プライムクラスター)は、富士通の高信頼、高可用技術と先進のクラスタリング技術を結集した高信頼基盤ソフトウェアです。業務アプリケーションからサーバ、ディスク、ネットワークまでのシステム全体の安定稼働を実現します。物理環境/仮想化環境/クラウド環境において、システムの異常監視/待機系への切替えにより、業務継続が可能です。
本商品では、並列データベース環境も含めたシステム全体の高信頼化を実現するPRIMECLUSTER Enterprise Editionから、2ノード構成限定モデルのPRIMECLUSTER Lite Packまで、目的に応じた製品を提供します。 本商品は、パブリッククラウド上でも利用可能です。

購入について

適応機種 概要

  • サーバ
    SPARC Servers / FUJITSU Cloud Service for SPARC

適応OS 概要

  • サーバ
    Solaris 11(64bit) / Solaris 10(64bit)

機能説明

1. セールスポイント

・物理環境/仮想化環境/クラウド環境において、基幹システムに適した高信頼な運用を実現できます。
・業務アプリケーションからサーバ、ディスク、ネットワークまでのシステム全体を監視し、業務停止時間の最小化が可能です。
・SPARC Servers / SPARC Enterprise Mシリーズのシステム監視機構との密接な連携により、迅速な異常検出と確実な切替えが可能です。
・業務アプリケーションは、システムの異常を意識することなく、業務を継続できます。
・使用環境や目的に応じて、共用ディスク構成を選択できます。
・Oracle Real Application Clusters(以降 Oracle RAC)や Symfoware Server Enterprise Extended Edition との連携により、 並列データベース環境での可用性と拡張性を両立します。

※本文中では製品名および機能名について表1に示す「本文中での表記」を使用します。

表1 本文中での表記について

本文中での表記について

製品の位置づけ

製品の位置づけ

2. システム全体の安定稼働

業務アプリケーションからサーバ、ディスク、ネットワークまでのシステム全体の安定稼働を実現します。
・業務アプリケーション、サーバ、OS、ディスク、ネットワークの異常を迅速に検出し、確実なフェイルオーバにより、運用系がダウンした場合でも待機系で業務を継続することができます。
・ハードウェア機構を利用した異常ノードの強制停止機能により、両系からの同時アクセスによるデータ破壊やネットワークアドレスの競合を防止できます。
・クラスタインタコネクトの故障によりスプリットブレインが発生した場合は、ポリシー設定に基づいていずれかのノードを切り離し、停止させることで、共用ディスク装置への両系アクセスを防止し、業務を継続することができます。
・ボリューム管理機能(GDS)と組み合わせることで、ディスクの冗長化によるデータの可用性向上、排他制御によるデータ破壊防止により、ディスクアクセスの継続を実現します。
・ネットワーク多重化機能(GLS)と組み合わせることで、通信経路の冗長化、ネットワークアダプタや経路での故障発生時の縮退・切替えにより、ネットワークの継続運用を実現します。

・ディスク構成
ノード間のデータ引継ぎに必要なディスク構成は、使用環境や目的に応じて選択できます。
・共用ディスク構成(SAN/NAS)
クラスタシステムを構成するノード間のデータ引継ぎに、共用ディスク装置を使用する構成です。
共用ディスク装置として、SAN (Storage Area Network) を経由して複数のノードに共用接続されたディスク装置に加え、NAS (Network Attached Storage)装置も使用可能です。
データベースやバッチサーバなどデータアクセス性能や可用性を求められる場合に適しています。
・共用ディスクレス構成
AP サーバ/Web サーバなど、データ引き継ぎは行わない場合に適しています。

シスム全体の安定稼働

シスム全体の安定稼働

3. クラウド環境での利用

本商品は、FUJITSU Cloud Service for SPARC環境で使用できます。
クラウド環境においても、基幹システムに適した高信頼な運用を実現できます。
・異常が発生した仮想サーバをI/Oフェンシング機能によりパニックさせ、確実な停止/待機系への切替えにより、業務継続を実現します。
・I/Oフェンシング機能により、両系から業務データへの同時アクセス防止し、確実で安全な業務継続を実現します。

サポート構成
- クラスタノード数:1~2ノード
- クラスタシステムの運用形態: 1:1運用待機、シングルノードクラスタ
- 共用ディスク:必須

サポートする監視機能
- 仮想サーバOS、クラスタインタコネクト異常
- ディスクおよびディスクアクセスパス異常
- クラスタアプリケーション異常

動作環境、サポート範囲、留意事項の詳細は、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」を参照してください。

クラウド環境での利用

クラウド環境での利用

4. 仮想化環境での利用

本商品は、以下の仮想化環境で使用できます。
・Oracle VM Server for SPARC環境
・Oracle Solaris ゾーン環境
- カーネルゾーン
- ノングローバルゾーン
仮想化環境においても、基幹システムに適した高信頼な運用を実現できます。
・業務アプリケーション、サーバ、OS、仮想サーバ、ディスク、ネットワークを監視し、業務停止時間の最小化が可能です。
・ボリューム管理機能(GDS)と組み合わせることで、共用ディスクやディスクアクセスパスでの故障発生時の待機系への切替え、不当アクセスによるデータ破壊防止により、ディスクアクセスの継続を実現します。
・ネットワーク多重化機能(GLS)と組み合わせることで、ネットワークアダプタや経路での故障発生時の縮退・切替えにより、ネットワークの継続運用を実現します。
・Oracle VM Server for SPARC P2Vツールを利用して、物理環境のクラスタシステムで動作していた業務を、Oracle VM Server for SPARC環境のゲストドメインに移行できます。
・Oracle VM Server for SPARCのマイグレーション機能を利用して、運用を継続したまま、クラスタシステム上でゲストドメインを移動できます。

仮想化環境での利用

OVM環境での利用
Oracle Solaris カーネルゾーン環境
Oracle Solarisゾーン環境

5. その他の機能

(1) Wizard製品を利用したアプリケーションの可用性の向上
PRIMECLUSTERは、特定のアプリケーションの起動・停止の制御および異常監視を行い、可用性を向上させるWizard製品を提供します。PRIMECLUSTER上で運用することにより、対象アプリケーションやその他のハードウェア/ソフトウェアに異常が発生した場合、自動で待機系に切替えて業務を継続します。
・PRIMECLUSTER Wizard for Oracle
・PRIMECLUSTER Wizard for NAS
・PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker

※詳細は、各Wizard製品のソフトウェア・ガイドを参照してください。

(2) 豊富なクラスタ運用形態
代表的なクラスタの運用形態を以下に示します。
また、これらの運用形態を組み合わせた複合型運用形態も可能です。
●スケーラブル運用 (並列データベース)
・スケーラブル
複数の運用ノードで構成され、すべてのノードで業務を並列に処理します。いずれかのノードで異常が発生した場合には、異常ノードを切り離して業務を継続します。 本運用形態では、ノード増設によりクラスタシステム全体の処理能力向上が図れます。本運用形態はOracle RACで使用します。
・高可用スケーラブル
スケーラブルを構成する各クラスタアプリケーションをスタンバイ運用(1:1運用待機、N:1運用待機、移動待機など)にした運用形態です。拡張性と可用性を必要とする並列データベースやロードシェア/ロードバランスを利用した並列実行業務に適しています。
また、ノード増設によりクラスタシステム全体の処理能力向上が図れます。本運用形態は Symfoware Server Enterprise Extended Edition で使用します。
●スタンバイ運用
・1:1運用待機
待機ノードが、運用ノードの異常に備えて待機します。異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードにフェイルオーバします。本運用形態では、フェイルオーバ後も業務の処理能力が低下しません。
・相互待機
各ノードが互いに待機ノードを兼ねながら業務を行います。一方のノードで異常が発生した場合には、もう一方のノードに業務が引き継がれます。本運用形態では、通常運用時にすべてのノードを活用できる反面、異常時には、1つのノードで両方の業務が動作するため、両方の業務が動作可能な資源を見積もる必要があります。
・N:1運用待機
運用ノードを複数配置し、それぞれの待機ノードを一つ配置します。運用ノードに異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードにフェイルオーバします。本運用形態では、フェイルオーバ後も業務の処理能力は低下しません。複数の運用ノードに対して1台の待機ノードを用意するだけで済むため、コストパフォーマンスの高いクラスタシステムを構築できます。
・カスケード
1つの運用ノードに対して複数の待機ノードを定義できます。1つのノードが停止した後も、残りのノードで業務の冗長構成がとれるため、定期保守などの間も可用性を保つことができます。
・移動待機
N:1運用待機の構成において、故障から復旧したノードを組み込むと、自動的に待機ノードとして機能します。故障から復旧した際に切り戻しを行う必要がないため、復旧時にも業務が継続できます。
・N:M運用待機
複数の運用ノードと、複数の待機ノードで構成されます。運用ノードの一台に異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードの一つにフェイルオーバします。さらにもう一台の運用ノードに異常が発生してフェイルオーバしてもまだ待機ノードが存在するため、冗長性を維持することができます。

(3)クローニング機能
すでに構築されているクラスタシステムをクローニングし、新しいクラスタシステムを構築できます。PRIMECLUSTERをインストールしただけの状態でのクローニングに加え、クラスタシステムが構築されたシステムのクローニングも可能です。これにより、2セット目以降のクラスタ構築および導入後の確認テストに要する時間の大幅削減が可能になります。

(4) DR機能、PCI Hot Plug機能を利用した無停止保守
クラスタ運用においてDR機能、PCI Hot Plug機能を利用することで、より可用性の高い保守運用を実現します。
●DR機能
業務を停止せずにメモリ/CPUを搭載したシステムボードの交換、増設、およびパーティション間移動ができます。機種により、システムボードの交換、増設ができないものがあります。
●PCI Hot Plug機能
Oracle Solaris へのPCIカード追加(組込み)および取外し(切離し)をシステムの再起動なしに行えます。


6. データアクセスの継続性(ボリューム管理)

ストレージの高信頼化を実現するボリューム管理機能は、ディスク装置に格納されているデータの可用性と運用管理性を向上するボリューム管理ソフトウェアです。ハードウェアの故障やユーザの操作ミスからディスクデータを保護し、ディスク装置の運用管理を支援します。また、Oracle Solaris の仮想化環境(Oracle VM Server for SPARC環境および Oracle Solaris ゾーン環境)でのディスクのミラーリングをサポートし、仮想化環境における可用性を向上します。
クラスタ環境で使用する機能については下記を参照してください。その他の機能については、PRIMECLUSTER GD ソフトウェア・ガイドを参照してください。

●クラスタ共用ディスクのミラーリング
クラスタシステムの複数のノード(クラスタシステムを構成する各サーバ)から共用されているディスク装置をミラーリングすることで、より可用性の高いクラスタシステムを構築することができます。また、クラスタ共用ディスクのコンカチネーションやストライピングも可能です。
●自動構成
クラスタを構成する各ノードと共用ディスク装置との物理的な接続構成を自動的に認識します。本機能によって、導入、設定の作業が簡易化されます。各ノード起動時には、ディスクの電源投入忘れや、ケーブル結線誤りなどを自動的に検出し、ディスクのデータ破壊を未然に防ぎます。
●シングルシステムイメージ環境
GDSは、複数のノードから構成されるクラスタシステムが、利用者やアプリケーションにとって、あたかも1つのシステムであるかのように見えるシングルシステムイメージ環境を提供します。すべてのノードから同じ名前でディスクへのアクセスや操作ができます。
●アクセス制御
ディスクに対し、アクセスや操作が可能なノードを定義することで、業務に無関係なノードからの不当なアクセスや誤操作からディスクデータを保護できます。 また、論理ボリュームに対しては、ノードごとに読書き用または読取り専用のアクセスモードを設定することにより、誤った書込みを防止します。
●共用ディスク異常の検出
共用ディスク装置やディスクアクセスパスの故障を検出し、クラスタ制御にディスクの異常を通知します。本機能とクラスタ制御との組み合わせにより、安全/確実なフェイルオーバによる高可用なHA(切替え)型クラスタを実現します。


7. データアクセスの継続性(共用ファイルシステム)

ストレージの高信頼化を実現する共用ファイルシステム機能を提供します。
本機能は、Oracle Solaris 10上でのみ使用可能です。
●マルチボリュームファイルシステム
・マルチボリューム
複数のディスクを使用して一つのファイルシステムを構築するマルチボリュームをサポートしています。複数のディスクを組み合わせることで大規模ファイルシステムを構築できます。
●高可用ファイルシステム
・高速リカバリ
ファイルシステムの制御(領域獲得など)をログで管理し、システムダウン後のファイルシステムの復旧はログ情報を使って高速に行います。
・管理情報の冗長化
スーパブロック、ボリューム情報を冗長構成することにより、これらのデータがアクセス不可になっても継続運用が可能です。
●高性能ファイルシステム
・連続ブロック割り当て
ファイルの領域割当ておよび空き領域管理の単位をエクステントベース(開始位置とサイズ)で行うため、大きなファイルでもI/O回数を削減できます。ファイルサイズに依存しないアクセス性能を実現します。
・入出力分散
GFSファイルシステムは、メタデータ(ファイルシステムの管理情報)域、アップデートログ(高速リカバリを行うためのファイルシステム変更履歴)域、データ域から構成されますが、データ域を別のディスクに割り当てることができます。これにより、ファイルシステム全体の入出力性能を向上させることができます。
複数のディスクからデータ域を構築した場合、ラウンドロビン割当によりファイルを別々のディスクに割り当てるため、I/O処理が分散されます。
●切替え用ファイルシステム
切替え用ファイルシステムとして高速リカバリ機能を使用することで、ノード切替え時間が大幅に短縮されます。
●共用ファイルシステム
・SAN環境に最適な一貫性を保証した同時アクセス
共用ディスク上のファイルシステムを、複数ノードから同時にアクセスできます。ファイルに対する複数プロセスからのアクセスについて考慮しているUNIXアプリケーションは、複数のUNIXシステムからそのまま使用できます。
・ファイルシステムの整合性を保証
ファイルシステムへアクセス中のノードがダウンした場合でも、ダウンしていないノードからはファイルシステムの整合性を保証した状態で継続したアクセスができます。
・高速データアクセス
複数のノードから、LANを介さずに共用ディスクに直接アクセスするため、高速にデータアクセスできます。
・GUIによる導入設定の簡易化
GFS共用ファイルシステムの初期設定(管理パーティションの設定)から運用管理までをGUIから操作ができます。
・Oracle VM Server for SPARC環境での共用ファイルシステム
Oracle VM Server for SPARC 環境では、異なる物理パーティション間のゲスト間クラスタ構成および同一物理パーティション内のゲスト間クラスタ構成において、GFS共用ファイルシステムを利用可能です。


8. ネットワークアクセスの継続性

ネットワーク伝送路を冗長化し、通信の高信頼化を実現するネットワーク制御機能を提供します。

(1)伝送路二重化機能
複数のNIC(Network Interface Card)を使用して、自システムが接続されるネットワークの伝送路を冗長化し、ネットワーク障害発生時に自動的に通信経路の切替えや縮退をおこないます。これにより、PRIMECLUSTER GLを利用するアプリケーションは、ネットワーク障害を意識することなく業務継続が可能です。
すでに構築されているシステムをクローニングし、IPアドレスを変更することで新しいシステムを構築することができます。
DR機能を使用してNICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。また、PCI Hot Plug機能にも対応しています。
以下の4つの方式があります。

●仮想NIC方式
仮想NIC方式は、Oracle Solaris 11 環境においてのみ使用可能です。
冗長化した伝送路の一方を活性状態、もう一方を非活性状態として排他使用する方式です。通信相手は任意です。
IPv6アドレス自動構成、マルチキャストIPアドレスなどのOSのネットワーク機能に対応しています。
ネットワーク上のネットワークインタフェースを冗長化するNIC切替方式と比較した場合、以下の特長があります。
- 障害監視でIPアドレスが不要
- Solarisゾーン環境の場合、グローバルゾーンだけでなく、ノングローバルゾーンおよびカーネルゾーンからも仮想NICを利用可能
- Oracle VM Server for SPARC環境の場合、仮想インタフェースを仮想ブリッジに接続する構成が利用可能
●NIC切替方式
冗長化した伝送路の一方を活性状態、もう一方を非活性状態として排他使用する方式です。通信相手は任意です。
OSのNICをそのまま通信に使用し、GLSが冗長化しているNIC間でIPアドレスを設定し直すことで伝送路を切替えます。
NIC切替など特定のタイミングで、ユーザが事前に用意したコマンドの実行が可能です。
●高速切替方式
冗長化した伝送路のすべてを同時に使用する方式です。
GLS同士で通信を行う場合に使用できます。冗長化した伝送路をGLS自身が制御するため、障害を早期に検出することが可能です。
ルータを超えた別ネットワーク上のホストとの通信には利用できません。
●GS連携方式
冗長化した伝送路のすべてを同時に使用する方式です。
通信相手はGS(グローバルサーバ)です。GSと連携して、経路やコネクションの制御を行います。
GS 連携方式については、PRIMECLUSTER GL のソフトウェア・ガイドを参照してください。

また、以下の仮想化環境におけるネットワークアクセスの高信頼化を実現します。
・Oracle VM Server for SPARC環境
・Oracle Solaris ゾーン環境

●Oracle VM Server for SPARC環境
Oracle VM Server for SPARC環境において、伝送路を二重化することにより、ネットワークの高信頼化が実現できます。 GLSは、制御ドメインおよび仮想マシン上で動作します。制御ドメインでGLSがサポートする二重化方式は、NIC切替方式および仮想NIC方式です。仮想マシンでGLSがサポートする二重化方式は、NIC切替方式およびGS連携方式です。

●Oracle Solaris ゾーン環境
以下の2つの構成をサポートします。
・共有IPゾーン構成
グローバルゾーン上のネットワークインタフェースをノングローバルゾーンから共有する形態
・排他的IPゾーン構成
ノングローバルゾーン/カーネルゾーンに対して排他的にネットワークインタフェースを割り当て占有する形態

(2)マルチパス機能
マルチパス機能では、複数のNIC(Network Interface Card)によりNIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に 一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行うマルチパス方式と、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時に すべてのパスを"active"状態にして通信を行う)することで、広い帯域幅での通信を行うマルチリンクイーサネット方式による通信が実現できます。
マルチパス機能は、Oracle Solaris 10 環境においてのみ使用可能です。

システム/機能構成図

システム構成図
システム構成図

新規機能

4.5A10から4.6A00の機能強化項目は以下のとおりです。

内部コンポーネントを入れ替えました。

標準添付品

  • オンラインマニュアル

    ・PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.6A00 インストールガイド
    ・PRIMECLUSTER HA Server 4.6A00 インストールガイド
    ・PRIMECLUSTER Clustering Base 4.6A00 インストールガイド
    ・PRIMECLUSTER Lite Pack 4.6A00 インストールガイド
    ・PRIMECLUSTER 導入運用手引書
    ・PRIMECLUSTER コンセプトガイド
    ・PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書
    ・PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書
    ・PRIMECLUSTER Web-Based Admin View 操作手引書
    ・PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書
    ・PRIMECLUSTER Global File Services 説明書
    ・PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)
    ・PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能 仮想NIC方式編)
    ・PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(マルチパス機能編)
    ・PRIMECLUSTER DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド
    ・PRIMECLUSTER 活用ガイド<トラブルシューティング編>
    ・PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>
    ・PRIMECLUSTER 活用ガイド<コマンドリファレンス編>

商品体系

PRIMECLUSTER メディアパック 4.6A00

PRIMECLUSTER Enterprise Edition サーバライセンス Kクラス 4.6
PRIMECLUSTER Enterprise Edition サーバライセンス L2クラス 4.6
PRIMECLUSTER Enterprise Edition サーバライセンス M2クラス 4.6
PRIMECLUSTER Enterprise Edition サーバライセンス M3クラス 4.6
PRIMECLUSTER Enterprise Edition サーバライセンス Rクラス 4.6
PRIMECLUSTER Enterprise Edition サーバライセンス Nクラス 4.6
PRIMECLUSTER Enterprise Edition 仮想サーバライセンス(Oracle VM Server for SPARC) 4.6

PRIMECLUSTER HA Server サーバライセンス Kクラス 4.6
PRIMECLUSTER HA Server サーバライセンス L2クラス 4.6
PRIMECLUSTER HA Server サーバライセンス M2クラス 4.6
PRIMECLUSTER HA Server サーバライセンス M3クラス 4.6
PRIMECLUSTER HA Server サーバライセンス Nクラス 4.6
PRIMECLUSTER HA Server サーバライセンス Rクラス 4.6
PRIMECLUSTER HA Server 仮想サーバライセンス(Oracle VM Server for SPARC) 4.6

PRIMECLUSTER Clustering Base サーバライセンス Kクラス 4.6
PRIMECLUSTER Clustering Base サーバライセンス L2クラス 4.6
PRIMECLUSTER Clustering Base サーバライセンス M2クラス 4.6
PRIMECLUSTER Clustering Base サーバライセンス M3クラス 4.6
PRIMECLUSTER Clustering Base サーバライセンス Nクラス 4.6
PRIMECLUSTER Clustering Base サーバライセンス Rクラス 4.6
PRIMECLUSTER Clustering Base 仮想サーバライセンス(Oracle VM Server for SPARC) 4.6

PRIMECLUSTER Lite Pack サーバライセンス Kクラス 4.6
PRIMECLUSTER Lite Pack サーバライセンス L2クラス 4.6

購入方法

1. メディアパックについて

メディアパックは、媒体(DVD等)のみの提供です。使用権は許諾されておりませんので、別途ライセンスを購入する必要があります。
また、製品の導入にあたり、システムに最低1本のメディアパックが必要です。 バージョンアップ/レベルアップを目的に本メディアのみを手配することはできません。


2. サーバライセンスについて

サーバライセンスは、Oracle Solaris 環境での運用、パーティション運用の有無に関わらず、本製品をインストールするサーバ機種に適用する機種クラスを台数分、購入してください。
本商品はサーバ転用できません(*)。このため、ハードウェアリプレースした場合は、本商品を新規に購入してください。
*:PRIMECLUSTER 製品はハードウェア毎に特殊な制御を行っているため、当該製品使用許諾は製品インストール機種にのみ有効です。

Oracle Solaris ゾーン環境におけるクラスタ構成の場合、必ず、サーバライセンスの購入が必要です。

Oracle VM Server for SPARC環境における同一物理パーティション内のゲスト間クラスタの場合、物理パーティション/制御ドメインの異常発生時に切替え先がなく、 物理パーティション間の切替え制御が不要なため、PRIMECLUSTERを制御ドメインに適用する必要はありません。そのため、サーバライセンスの購入は不要です。
PRIMECLUSTER Lite Pack商品には、サーバ本体2台分のサーバライセンスが含まれています。パーティション運用の有無に関わらず、PRIMECLUSTER Lite Packをインストールするサーバ機種に適用する機種クラス(K/L2)を購入する必要があります。PRIMECLUSTER Lite Packは、仮想化環境では使用できません。


3. 仮想サーバライセンスについて

Oracle VM Server for SPARC環境用のライセンスです。
仮想サーバライセンスは、SPARC M12/M10上の本製品をインストールする仮想マシンの数分購入する必要があります。また、仮想マシン上で Oracleゾーンクラスタを構成した場合は、本製品をインストールした仮想マシン上のグローバルゾーン数分の仮想サーバライセンスを購入する必要があります。
本商品は、Oracle VM Server for SPARC環境で転用可能です。
(注:GLSの伝送路二重化機能(GS連携方式)を使用する場合に必要なライセンスの購入方法については、必ず、PRIMECLUSTER GL ソフトウェア・ガイドで確認してください。)

仮想マシンには、業務に応じた製品エディションの仮想サーバライセンスを導入します。
仮想マシン上に複数の製品エディションの仮想サーバライセンスが混在する場合、制御ドメインには、仮想マシン上に導入した製品のうち最上位の製品エディションのサーバライセンスを導入します。
(上位製品エディション:PRIMECLUSTER Enterprise Edition > PRIMECLUSTER HA Server > PRIMECLUSTER Clustering Base:下位製品エディション)

[FUJITSU Cloud Service for SPARC上で使用する場合]
仮想サーバライセンスの購入が必要です。仮想サーバライセンスは、本製品をインス
トールするFUJITSU Cloud Service for SPARC上の仮想サーバの数分購入する必要があります。本商品は、FUJITSU Cloud Service for SPARC上の仮想サーバで転用可能です。
また、以下のいずれかの商品の仮想サーバライセンスが必要です。
- PRIMECLUSTER HA Server
- PRIMECLUSTER Clustering Base および PRIMECLUSTER GD
- PRIMECLUSTER Clustering Base および PRIMECLUSTER GD および PRIMECLUSTER GL


4. Oracle VM Server for SPARC P2Vツールを利用した移行について

Oracle VM Server for SPARC P2Vツールを利用した移行の場合は、移行先の制御ドメインにはサーバ機種に応じたサーバライセンスを、仮想マシンには業務に応じた製品エディションの 仮想サーバライセンスの購入が必要です。
ただし、同一物理パーティション内ゲスト間クラスタの場合は、本製品は仮想マシンのみに適用するため、サーバライセンスの購入は不要です。
OSLC機能を利用した移行の場合は、移行先の制御ドメインにはサーバ機種に応じたサーバライセンスを、仮想マシンには業務に応じた製品エディションの仮想サーバライセンスの購入が必要です。


5. バージョンアップ/レベルアップについて

旧バージョン商品をお持ちの場合は、有償サポート・サービス「SupportDesk」のサービスの一環として、最新バージョン/レベルを提供いたします。(お客様からのご要求が必要です。)
「SupportDesk」を導入されていない場合は、新バージョン/レベル商品を改めてご購入頂く必要があります(価格の優遇はございません)のでご注意ください。
なお、「SupportDesk」の詳細については、弊社営業/SEにお問合せください。


6. ダウングレード使用(旧バージョン商品の使用)について

本商品のライセンスでは、ダウングレード使用(本商品の旧バージョンを使用)する権利はありません。
対象のバージョンを使用する場合は、対象のバージョンに対応したライセンスをご購入ください。

関連ソフト

PRIMECLUSTERオプション製品

オプション製品を以下に示します。オプション製品との組み合わせ、オプション製品の適応OSなどサポート範囲については、各製品のソフトウェア・ガイドを参照してください。

ディスク装置が故障した場合でも、指定した時間内の I/O 応答を保証する場合は、以下の製品が必要です。(同一バージョン/レベルの製品を使用してください。)
・PRIMECLUSTER GD I/O Monitor Option

ディスクやボリュームのスナップショットを瞬時に作成する場合は、以下の製品が必要です。(同一バージョン/レベルの製品を使用してください。)
・PRIMECLUSTER GD Snapshot

クラスタシステム上でOracleを運用する場合は、以下の製品が必要です。ただし、PRIMECLUSTER Lite Packと組み合わせることはできません。
・PRIMECLUSTER Wizard for Oracle

ETERNUS NR1000Fシリーズを共用ディスクとして使用する場合は、以下の製品が必要です。
・PRIMECLUSTER Wizard for NAS

クラスタシステム上でNetWorkerを運用する場合は、以下の製品が必要です。
・PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker

動作保証周辺機器

1. 関連ハードウェア

関連ハードウェアについては弊社営業/SEにご確認ください。


2. IHV製品について

対応状況につきましては、「関連URL」の「FUJITSU Software(PRIMECLUSTER)」内、「動作環境」の「PRIMECLUSTER 対応ストレージ(他社製)一覧」を参照してください。

留意事項

1. 購入時における留意事項

・PRIMECLUSTER Lite Packは、特定の運用形態に特化したクラスタ機能とボリューム管理機能を搭載した2ノード構成限定、機種限定のクラスタソフトウェアです。
ホットスタンバイ運用や 3ノード以上のクラスタシステム、シングルノードクラスタ、仮想化対応などPRIMECLUSTER Lite Pack の機能範囲を超えるクラスタシステム、データベースサーバなどの高信頼なシステムを構築する場合には、 「PRIMECLUSTER HA Server」, 「PRIMECLUSTER Enterprise Edition」を適用してください。

・以下のPRIMECLUSTER製品は同一クラスタ内では同一版数を使用してください。
PRIMECLUSTER Enterprise Edition
PRIMECLUSTER HA Server
PRIMECLUSTER Clustering Base
PRIMECLUSTER Lite Pack
PRIMECLUSTER GD
PRIMECLUSTER GL
PRIMECLUSTER GD Snapshot
PRIMECLUSTER GD I/O Monitor Option

・本商品は、以下の組み合わせの場合のみ、FUJITSU Cloud Service for SPARC環境で使用可能です。
- PRIMECLUSTER HA Server
- PRIMECLUSTER Clustering Base および PRIMECLUSTER GD
- PRIMECLUSTER Clustering Base および PRIMECLUSTER GD および PRIMECLUSTER GL


2. ストレージ制御(ボリューム管理)に関する留意事項

PRIMECLUSTER GDソフトウェア・ガイドの「留意事項」を参照してください。


3. ネットワーク制御に関する留意事項

PRIMECLUSTER GLソフトウェア・ガイドの「留意事項」を参照してください。


4. クラスタシステムを構成するためのハードウェア

(1)CPU (コア)数
CPU処理の負荷が原因で発生する問題を回避するために、以下の構成を推奨します。
- Oracle VM Server for SPARC環境でクラスタを構築する場合:PRIMECLUSTERを適用する各ドメインに割り当てるCPU(コア)数は 2以上
- Oracle Solaris ゾーン環境でクラスタを構築する場合:global zone に割り当てる CPU(コア)数は 2以上
例:
ZFS のエクスポート処理後の一時的なメモリ不足による PRIMECLUSTERのハートビート断の検出によるクラスタ切替えを回避。

(2)クラスタインタコネクト
クラスタのノード間通信のために専用のLANが必要です。クラスタインタコネクトは、各ノードの状態監視やノード間の通信を行う重要なネットワークであり、 2本以上にすることを推奨します。以下の点に留意してください。
・3ノード以上の場合はハブが必要です。
・ハブは経路ごとに必要です。
・Oracle RAC使用時は、ノードが2ノードの場合でもハブが必要です。
・Oracle RAC使用時は、Gigabit Ethernetを推奨します。
・クラスタインタコネクトと、業務LAN/運用管理LANを兼用することはできません。

(3)業務LAN
業務LANを冗長化する場合は、同一のカードを複数枚搭載してください。

(4)共用ディスク装置
複数のノードでデータの引継ぎを行う場合には、共用ディスク装置が必要です。
以下の目的でクラスタの共用(SAN)に対して、必ずボリューム管理を行ってください。
・パス異常によるクラスタのフェイルオーバの実現
・待機サーバからの不当アクセスの防止
クラスタシステムを構成するサーバ(ノード)間で共用するデータがない場合、共用ディスク装置を必要としません。

(5)HBA (ホストバスアダプタ)
共用ディスク装置を使用する場合には、共用ディスク装置を接続するカードが必要です。SAN接続の場合にはファイバチャネルカード、 NAS接続の場合にはLANカード(Gigabit Ethernet推奨)を用意してください。パス故障に対する可用性を高めるために二重化することを推奨します。


5. SANブート構成時の注意事項

SANブート構成で全パス故障が発生し、ディスク装置上のシステムボリュームを参照できなくなった場合、システムの状況によっては OS上の一部のプロセスが正しく動作できなくなる場合があります。この場合、手動での切替えが必要になります。


6. Verified Boot機能について

本商品はSolaris 11.2以降のVerified Boot機能に対応していません。
Verified Boot機能を有効にする場合、Verified Bootポリシーで検証対象のモジュールにUNIXおよびgenunixのみを設定してください。


7. Oracle VM Server for SPARC環境における留意事項

・同一物理パーティション内のゲスト間クラスタの場合、1つの物理パーティション構成のため、物理パーティション/制御ドメインの異常発生時はすべてのクラスタノードが停止し、業務停止となるため、業務の運用には適しません。業務停止を防ぐために、筐体間でクラスタシステムを構築する必要があります。
・I/Oフェンシング機能は、クラスタアプリケーションを構成するノード数が2ノード、かつ、共有ディスク装置が接続された環境で使用できます。動作環境や留意事項の詳細は、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」を参照してください。
・Oracle VM Server for SPARC P2Vツールを利用してクラスタシステムを移行する場合は、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」を参照して、動作条件、サポート範囲、留意事項等を確認してください。
・PRIMECLUSTERを使用している環境からOracle Solaris Legacy Containers(OSLC)環境への移行が可能です。サポート範囲や留意事項の詳細は、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」を参照してください。


8. クローニング機能に関する留意事項

構成により留意事項があります。クラスタシステム環境をクローニングする場合は、事前に弊社営業/SEにお問い合わせください。


9. ストレージ制御(共用ファイルシステム)に関する留意事項

・「PRIMECLUSTER Global File Services 説明書」の「1.8 注意事項」に、GFS共用ファイルシステムを利用していただくうえでの注意事項を説明しています。 また、「第4章 ファイルシステム設計」にGFS共用ファイルシステムを作成/使用する際に考慮すべき項目など、運用設計のポイントを説明しています。事前に、必ず一読ください。
・本製品では、GFSローカルファイルシステムは使用できません。
・ FUJITSU Cloud Service for SPARC 環境において、GFS 共用ファイルシステムは使用できません。
・Oracle Solaris 11において、GFS共用ファイルシステムは使用できません。
・OSLC機能を利用して、GFSローカルファイルシステムをノングローバルゾーンに移行することはできません。ZFSまたはUFSで代替してください。
・PRIMEPOWER+Solaris 9 OS のGFS共用ファイルシステムから(PRIMEPOWER+Solaris 9 OS)以外のGFS共用ファイルシステムへ移行する場合は、データのバックアップ、ファイルシステムの再作成、リストアが必要になります。
・PRIMEPOWER+Solaris 9 OS のGFS共用ファイルシステムと、(PRIMEPOWER+Solaris 9 OS)以外のGFS共用ファイルシステムの機能差についてはPRIMECLUSTER GFS 4.2 ハンドブックの「留意事項」を参照してください。)


10. Oracle RACとの連携機能に関する留意事項

Oracle RACとの連携機能の対応状況については、弊社営業/SEにお問い合わせください。


11. OS 標準のIPネットワークマルチパスについて

Oracle Solaris IPネットワークマルチパス(IPMP)は、本商品との連携機能はありません。
複数のNICによって伝送路を冗長化する場合は PRIMECLUSTER GL を使用してください。


12. 前版との差異

・SPARC T5/T7/M7, SPARC Enterprise Mシリーズ, SPARC Enterprise Tシリーズは、サポート対象外としました。
・PRIMECLUSTERを使用していない既存のSolaris 8/9環境をOSLC環境に移行してクラスタ化することはできません。

関連URL

お客様向けURL