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2020年 7月 現在

Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60

本商品は、ミッションクリティカルシステムに要求される高性能・高信頼を実現する基幹システム向けのデータ管理ミドルウェアです。
Primesoft Serverは、柔軟性やスピードのあるオープンシステムにおいて、社会基盤を支えるミッションクリティカルシステムの構築を支援します。ミッションクリティカルシステムは、高信頼性だけでなく、高いレスポンスを実現する高性能が要求されます。Primesoft Serverはこれらの要求に応え、メインフレームと同等の堅牢性と安定性に加え、高可用性とマイクロ秒オーダーのレスポンス性能、高いスループット性能を実現している製品です。

購入について

適応機種 概要

  • サーバ
    PRIMEQUEST 3000/2000シリーズ / PRIMERGY

  • クライアント
    PRIMEQUEST 3000/2000シリーズ / PRIMERGY

適応OS 概要

  • サーバ
    Red Hat Enterprise Linux 8 (for Intel64) / Red Hat Enterprise Linux 7 (for Intel64)

  • クライアント
    Red Hat Enterprise Linux 8 (for Intel64) / Red Hat Enterprise Linux 7 (for Intel64)

機能説明

1. 高性能を実現するデータ管理

以下の機能により高性能を実現しています。
- すべてのデータをメモリ上に配置
Primesoft Serverでは、すべてのデータをメモリ上に配置して処理することで、安定した高い性能を実現しています。
従来の高性能DBではキャッシュ利用による高速化をはかる方法が主流です。しかし、この方法だと、すべてのデータをキャッシュで処理することはできず、部分的にディスクへの入出力が必要になるため、ばらつきなく高性能な処理を維持することは困難でした。
これに対し、Primesoft Serverでは、ディスクへの出力を行わず、すべてのデータをメモリ上に配置することで、この問題を解消しました。
- 高速なデータ操作API
データ操作はSQLインターフェースではなく、独自のREAD/WRITEインターフェースを基本としたAPIを利用します。これにより、高速なシーケンシャルアクセス(キー順アクセス)、ランダムアクセスを可能としています。また、複数のAPI実行で生じる各々の通信の回数を一括実行による通信の回数に減らすことで、業務トランザクションを高速化します。
- 高速な非同期メッセージ通信
Primesoft Serverが提供する非同期メッセージングは、受け側のアプリケーションがPrimesoftキューと呼ばれるメッセージ受信箱に対して、メッセージ受信待ちの状況にあると、直ちに受け側のアプリケーションに通知し、メッセージ受信ができるようにしています。
多くのベンダーが提供する非同期メッセージングでは、キューと呼ばれるメッセージ受信箱にメッセージを送信しても、受け側のアプリケーションは、リアルタイムにメッセージを受け取ることができません。ポーリングによりメッセージ受信箱へのメッセージの到着を感知して、はじめてメッセージを受信できます。
これに対して、Primesoft Serverの非同期メッセージングでは、受け側のアプリケーションがメッセージ受信待ちの状況にあると、直ちに受け側のアプリケーションに通知することで、高速なメッセージング処理を可能としています。

インメモリで高速データアクセス

インメモリで高速にデータにアクセスする図

複数のAPIを一括実行

複数のAPI実行で生じる各々の通信を一括実行する図

2. 高信頼性を実現する高速切替えと三重化

Primesoft Serverでは、(1)アプリケーション、(2)運用環境、(3)ノードの各層において冗長化や現用/待機構成をとることで業務継続性を確保しています。

第一層・アプリケーションプロセスの切替え
プロセスを冗長化することでアプリケーション異常に備えます。すなわち、運用中のプロセスで異常が発生すると、冗長化され待機しているプロセスが業務を引き継ぎます。これにより異常範囲をアプリケーションプロセスに局所化し、アプリケーションの再起動を不要とし、切替えの高速化をはかっています。

第二層・運用環境(ミドルウェア)の切替え
運用環境を冗長化することで、運用環境の異常発生に備えます。運用中の運用環境に異常が発生すると、待機中の運用環境に切り替えられます。待機中の運用環境は、運用中の運用環境のデータが更新されるたびに更新差分を受け取り、常に運用中の運用環境と同じ状態を保つようにしています。これにより、運用環境の切替えが行われてもアプリケーションは意識することなく業務を継続できます。

第三層・ノードの切替え
ノードを冗長化することで、運用環境の異常発生に備えます。運用中のノードに異常(ハードウェア障害や0S障害)が発生すると、別のノードに切り替えられます。切り替えるノードは、あらかじめグループとして定義しておきます。グループ内のノードは、お互いに生存監視をしながら、異常を検出します。異常が検出された場合は、第2層の運用環境の切替えが行われ、異常が発生したノードで動作する運用環境がない状態になってから、ノードが切り離されます。

三重化構造による高信頼性
Primesoft Serverでは、業務処理を行うノードを運用系、待機系、待機系の三重に持ち、現用ノードに異常が発生すれば、直ちに待機システムで業務を引き継ぐことにより高信頼性を実現しています。

三層の高速切替えによる業務継続

三つの層で高速切り替えにより業務を継続する図

3. 高信頼を実現する論理的なノード切離し

Primesoft Serverでは、ノード隔離機能を提供し、業務継続性の強化を実現しています。

- ノード隔離機能
Primesoft Serverがクライアントとサーバ間で異常ノードの情報を共有することで、異常ノードをネットワーク(業務LAN/同期LAN/管理LAN)から論理的に切り離す機能です。これにより、ハードウェア故障で制御・監視ができなくなったノードを隔離し、正常なノード間で業務を継続することができます。

ノード隔離機能による業務継続性の向上

ノード隔離機能による業務継続性の向上の図

4. 柔軟なスケールアウトを可能とするパーティショニング

高性能DBの多くは、大規模な1つのテーブルを細分化して、データ処理集中の負荷を分散することができます。これは、パーティショニングと呼ばれています。
Primesoft Serverでは、テーブルデータだけではなく、キューのメッセージ、アプリケーションおよびメモリ上のデータ管理をセットにして運用環境そのものをパーティショニングすることができます。Primesoft Serverではパーティショニングされた運用環境をUAPサービスと呼びます。
このような、独自のパーティショニングの概念を利用すると、スケールアウトの際に、アプリケーションを修正する必要はありません。細分化したデータをどこのノードで処理するかといった定義を変更するだけで、柔軟かつスピーディなスケールアウトが可能です。

運用環境のパーティショニング

運用環境のパーティショニングの図

5. メモリの効率利用によるシステムの安定稼動

Primesoft Serverでは、データの格納先であるメモリを効率利用するための機能を提供し、より安定したシステム運用を可能としています。

- メモリテーブルの拡張領域(※)の解放/再利用機能
PrimesoftテーブルおよびPrimesoftキュー内のレコードが削除され、空き状態となった拡張領域は、同一の拡張領域サイズのメモリテーブル間で再利用が可能です。
※:拡張領域とは、初期領域が不足した場合にメモリテーブルエリアから追加で割り当てられる領域です。

- メモリテーブルのデータ一括削除機能
PrimesoftテーブルおよびPrimesoftキューの格納データを一括削除するコマンドとAPIを提供しています。業務開始時や、ある一定の運用時間帯にメモリテーブルの初期化が必要な場合に、メモリテーブルのデータ一括削除を運用サイクルに組み込むことができます。

- Primesoftキューのメッセージ一括削除機能
Primesoftキューに未処理メッセージが存在する場合でも処理済みメッセージの一括削除が可能です。


6. 構成要素

Primesoft Serverは、Primesoftクライアントノード、およびPrimesoftサーバノード群で構成されます。Primesoftサーバノード群は、Primesoftサーバノードの集まりであるノードグループをまとめたものです。
Primesoftサーバノード群は、ある業務を実行するために必要なサーバノードの集まりです。これをサーバグループと呼びます。

Primesoftサーバノード
サーバ用のPrimesoft Serverがインストールされたノードです。アプリケーションを配置させ動作させます。当ノードには、Primesoftサーバノードに閉じた処理を高速に行うアプリケーションを配置します。当ノードでは、メモリテーブルを持ち、アプリケーションからのデータ操作要求を受けて、データ処理を行います。
高信頼性が必要な処理を実行するため、運用・待機のクラスタ構成を基本とし、3層の切替え運用を行います。

Primesoftクライアントノード
クライアント用のPrimesoft Serverがインストールされたノードです。アプリケーションを配置して動作させます。当ノードには、Primesoftサーバノードに対し共通の処理を行うアプリケーションを配置します。なお、メモリテーブルは持たず、Primesoftサーバノード上のメモリテーブルのデータ操作をします。

統合運用管理サーバ
システムの効率的な運用、安全性の高い運用が必要なミッションクリティカルなITシステムでは、統合運用管理サーバを導入します。
統合運用管理サーバは、各種定義ファイルの一元管理、資源配付、自動化運用、各種の運用監視、性能モニタリングなどを行うために必要です。Primesoft Serverでは、これらの機能を実現するために、Systemwalker Centric Manager/Systemwalker Service Quality Coordinatorの導入を推奨しています。

システム/機能構成図

システム構成図

新規機能

Primesoft Server V1.1 L60では、以下の新機能を提供しています。

1. プラットフォーム拡大

Red Hat Enterprise Linux 8 (for Intel64)をサポートします。


2. 高速性強化

psCall関数は、複数のAPI実行で生じる各々の通信の回数を一括実行による通信の回数に減らすことで、業務トランザクションを高速化します。psCall関数に指定可能なAPIを、参照系の一括実行だけでなく、更新系の一括実行にも拡張した機能を提供します。

標準添付品

  • オンラインマニュアル

    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 解説書
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 インストールガイド
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 リリース情報
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 導入・運用ガイド
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 導入・運用ガイド 業務集約モデル機能編
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 アプリケーション開発ガイド
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 アプリケーション開発ガイド Java API編
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 コマンドリファレンス
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 コマンドリファレンス 業務集約モデル機能編
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 Java APIリファレンス
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 メッセージ集
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 トラブルシューティング集
    ・Primesoft Server Enterprise Edition V1.1 L60 用語集

商品体系

・Primesoft Server Enterprise Edition メディアパック(64bit) V1.1 L60
・Primesoft Server Enterprise Edition プロセッサライセンス V1.1

購入方法

1. メディアパックについて

メディアパックは、媒体(CD/DVD等)のみの提供です。使用権は許諾されておりませんので、別途、ライセンスを購入する必要があります。また、商品の導入にあたり、最低1本のメディアパックが必要です。バージョンアップ/レベルアップを目的に本メディアパックのみを手配することはできません。


2. プロセッサライセンスについて

プロセッサライセンスは、本商品をインストールするすべてのPrimesoftサーバノードに搭載されているプロセッサ数に応じて以下のとおりに必要となるライセンスです。
・シングルコアプロセッサの場合は、1プロセッサあたり1本の購入が必要です。
・マルチコアプロセッサの場合は、コアの総数に特定の係数を乗じた数(小数点以下端数切上げ)分のライセンスの購入が必要です。

マルチコアプロセッサにおける係数については、「関連URL」に記載の「FUJITSU Software(ライセンス)」内、「富士通製ミドルウェア商品のライセンス体系について」を参照ください。


3. クライアントノードについて

Primesoftクライアントノード(For clientとしてインストールする場合)は、インストールフリーです。


4. レベルアップについて

旧レベルをお持ちの場合は、有償サポート・サービス「SupportDesk」のサービスの一環として、新レベルを提供いたします。(お客様からのご要求が必要です。)
「SupportDesk」を導入されてない場合や新サーバへ移行する場合は、新レベル商品を改めてご購入頂く必要があります(価格の優遇がございません)のでご注意ください。
なお、レベルアップ可能な製品および「SupportDesk」の詳細については、弊社営業/SEにお問い合わせください。

関連ソフト

1. 必須ソフトウェア

Primesoftサーバノードでは、以下のいずれかのソフトウェアが必要です。

・PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.6A00
・PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.5A10
・PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.5A00


2. 関連ソフトウェア

- アプリケーション実行環境の運用管理を容易にしたい場合
・Interstage Application Server Enterprise Edition V12.0以降 / V11.2以降

- アプリケーション開発言語としてJava APIを利用する場合
・Interstage Application Server Enterprise Edition V12.0以降 / V11.2以降 (注)
・Interstage Application Server Standard-J Edition V12.0以降 / V11.2以降 (注)
注) Javaアプリケーション実行環境として、Java SE 8 / Java SE 7 をサポート

- 定義ファイルの配付や、モニタリング(メッセージ監視・状態監視)をしたい場合
・Systemwalker Centric Manager Enterprise Edition V15.2以降

- 業務の自動運転や、ジョブのスケジューリング / 監視 / 操作などを自動化したい場合
・Systemwalker Operation Manager Enterprise Edition V16.0以降 / V15.1以降 / V13.9以降

- Primesoft Serverシステムの状況把握を容易にしたい場合
・Systemwalker Service Quality Coordinator V15.2以降

動作保証周辺機器

Primesoftサーバノード/クライアントノードの機種について

以下の機種に限定されます。
・PRIMEQUEST 3000シリーズ
・PRIMEQUEST 2000シリーズ
・PRIMERGY BXシリーズ
・PRIMERGY RXシリーズ
詳細は、以下のホームページを参照してください。
http://www.fujitsu.com/jp/software/primesoft/
PRIMEQUEST 3000シリーズについては弊社営業/SEにご確認ください。

留意事項

1. Intel64環境での動作について

本商品は、以下のディストリビューションの環境で、64ビットモードで動作します。
・Red Hat Enterprise Linux 8 (for Intel64) ※Red Hat Enterprise Linux 8.1以降をサポート
・Red Hat Enterprise Linux 7 (for Intel64) ※Red Hat Enterprise Linux 7.2以降をサポート


2. PRIMECLUSTER Enterprise Editionについて

Primesoft ServerサーバノードではPRIMECLUSTER Enterprise Ediotionを必須ソフトウェアとして使用します。
このときPrimesoft Serverと連携した高速な切替えを実現するため、PRIMECLUSTER Enterprise Editionの下記機能は使用できないことにご留意ください。
・PRIMECLUSTER GFS
・PRIMECLUSTER RMS
・PRIMECLUSTER GDまたはPRIMECLUSTER GDS(注)
注) 共用ディスクとしては適用不可(システムボリュームなどのローカルディスクは適用可)
詳細は、弊社の営業またはSEにご相談ください。

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